HOME > 企業情報 > ニュース > プレスリリース > 北海道大学などと高機能チェア「Pulse(パルス)チェア」を産官学協同開発
2008/11/11
株式会社内田洋行(本社:東京都中央区 社長:柏原 孝)は、北海道大学医学部及び、北海道立心身障害総合相談所と共同で体のあらゆる動きに呼応するために胸郭と坐骨を安定的に支える新たなポイントを採用したオフィスチェア『Pulse(パルス)』を開発し、2009年1月21日(水)より発売を開始します。
近年、オフィス家具に先進性や革新的なデザインが求められる一方で、PCの利用など座った姿勢での長時間労働やハードワークから起こる疲労の軽減を望む声も数多くお客様から寄せられています。そのため、当社ではより快適な背もたれのリクライニング機能と長時間着座へのニーズにお応えするため北海道大学医学部と北海道立心身障害総合相談所の20年にわたる姿勢保持研究から導き出されたメカニズムや方法論を基に、座り心地や操作性、デザイン性を追求したオフィスチェアを共同開発したものです。
長時間座り続けていると、骨盤が後傾し坐骨結節(骨盤の下部にある二箇所の突起)が前方に動くことにより、背中が丸く、腰に負担が掛かることが判明。そのためパルスのシートには、坐骨部分に合わせてくぼみを設定することによってお尻を包み込み、着座位置のズレからくる姿勢の歪みを解消します。
また、体を安定して支えるために、胸のうしろと骨盤のうしろの2つのカーブに加え、胸郭の下の位置を新たに「第三のカーブ」と設定しました。この部分を支える素材を柔らかい樹脂メッシュで構成することにより、従来以上に広範囲に各人の背の形状や体格差の違いにもフィットした背の支えが可能になり、監視センターや金融機関のディーリングルーム、コールセンターなど、長時間の着座姿勢で腰に負担のかかりやすいヘビーユーザーの負荷を軽減します。
背面にもたれ掛かる動作をする時、最初に人は足の裏にある拇指球(ぼしきゅう)というポイントで床を押し、その力が骨盤の屈折部分(大転子(だいてんし))を介して背もたれに伝えられます。その動きのメカニズムに着目し、拇指球(ぼしきゅう)からの微少な力をスムーズに背もたれに伝えられ連動するように、腰が屈折する部分(大転子)にリクライニングの屈折点を設計。この結果、頭部のゆれを抑え、後傾動作から前傾動作への切り替えしや傾きによっての体への負荷を軽減し、自然な座り心地を得られます。
座奥調整機構と座面上下ロングストロークも装備し、身長・体格に合わせた利用や休憩時・執務時のシーンに合わせての調整も可能です。また、後傾角度が最大25度へ設定できると同時に背もたれ角度の設定を5段階で行うことができます。座った状態のままの自然な操作で手が届く位置にレバーとダイヤルを設置しています。
デザインは、著名な川上元美氏を起用し座る人の体を包み込みワイドボディに、脚部・背構造体にアルミポリッシュを採用し、高級感を演出。背のタイプは、軽快なメッシュバックと感触の良いクロスバックから選べます。
耐磨耗クロス
セミオーダーシステムを採用し、オフィスの部署や働き方、使用する環境に対応したチェアをご提供いたします。「耐磨耗クロス」では、長時間勤務での着座とともに硬めの制服や作業着での使用を想定。「耐候性クロス」では、ガラス張りのオフィスやオープン空間、ショールームなど陽射しや直射日光から生じる色あせを防止いたします。更にお客様の多様なニーズにお応えするため「30色のカラーバリエーション」と高級会議室やマネージャー、エグゼクティブ用に「本革タイプ」もご用意いたしました(受注対応)。
●メッシュバック 肘なし ¥114,450(109,000)、肘付 ¥134,820(128,400)
●ヘッドレスト付メッシュバック 肘なし ¥145,950(139,000)、肘付 ¥166,320(158,400)
●クロスバック 樹脂カバー 肘なし ¥120,750(115,000)、肘付 ¥141,120(134,400)
※価格は全て税込み、( )内は税抜き
初年度売上目標 7億円
■北海道大学大学院保健科学研究院生活機能学分野 教授 八田達夫氏
1976年北海道大学教育学部卒業。博士(医学)。作業療法士の資格を得て、1986年北海道大学医療技術短期大学部勤務。西村重男氏とともに脳性まひ者の車いす開発研究に従事。広島大学教授(医学部保健学科)を経て、2008年北海道大学大学院保健科学研究院生活機能学分野教授。最近は文科省科学研究費補助金に基づき、生理人類学の視点から西村重男氏とともにアクティブバランスシーティングの研究を行い、カナダ、オランダの関連学会で発表している。
■北海道立心身障害者総合相談所 企画総務課 リハビリテーション・エンジニア 西村重男氏
北海道大学受託研究研究員、札幌医科大学非常勤講師、北海道真駒内養護学校非常勤講師を兼務青年期の重度脳性まひ、筋ジストロフィーなどのシーティングにかかわり、2002年横浜車いすシーティング国際セミナーにてABS理論(アクティブ・バランス・シーティング)を提唱。ABS理論から、様々な車いす開発に参画している。1993年脳性まひ者の方を対象とした手・足駆動車いす、1999年シーティング・バギー開発で日本リハ工学協会主催福祉機器コンテスにて優秀賞を受賞
今回の産官学連携のプロジェクトは生理人類学として、脳性まひなどの重症身体変形をもつ方達のための車いすの標準化開発など、シーティングで最も難しい人たちへの設計研究アプローチの知見と20余年の姿勢保持外来の臨床経験を通してオフィスチェアに展開するものです。
■カワカミデザインルーム代表 川上元美氏
1966年東京芸術大学大学院修了。アンジェロ・マンジャロッティ建築事務所(ミラノ)勤務を経て、1971年カワカミデザインルーム設立。クラフト、プロダクト、家具、空間、環境デザインなど幅広い領域でデザイン活動を行っている。毎日デザイン賞、Gマーク金賞をはじめ受賞多数。
お客様相談センター フリーダイヤル:0120-077-266 e-mail:info@uchida.co.jp
株式会社内田洋行 管理本部広報室 佐藤・深澤
TEL.03(5634)6026 FAX.03(5634)6822