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従来のオフィス家具は、無意識のうちに、男性30〜40代、身長170前後、右利きetcを対象として開発されていました。
ところが実際のオフィスでは、高齢者や女性、小さい人大きい人、妊産婦、障害のある人、怪我や病気の人など、様々な人が働いています。そういった“より多くの人に使いやすい”製品の開発が必要であると気づき、「オフィス家具」にユニバーサルデザインを取り込もうと考えました。
社内開発メンバーだけで検討していても本当の課題は見つからないと考え、 2001年10月、当社ショウルームにて、モニター調査を実施しました。 今まで気づかなかった、あるいは誤解していた“本当の使いやすさ”について、改めて考えさせられる、貴重なご意見を伺うことができました。
一般的にデスクの取っ手は中央部にありますが、左側に引出しがあるときは右側に、右側のときは左側にあったほうが、引き出しやすくなります。その両方を商品として揃えようとすると品種が増え、コストアップにつながります。そこで、取っ手をできるだけ大きくすることを考え、試作を繰り返しました。その結果、左右どちらに設置されても、体に一番近い場所で取っ手をつかむことが可能になりました。さらに、取っ手の高さや奥行きも大きくして、体が小さく力の弱い人や車椅子使用者でも、引出しの開閉が楽に行えるようにしました。
従来のデスクは、鍵穴がどこにあるのかわかりずらいという問題がありました。そこで、触って認識出来るように凸型のデザインを採用しました。また、鍵のON/OFFも視覚的に確認できるよう、カラー表示機能もつけました。
次に、鍵の抜き差しのしやすさに着目してみました。鍵自身に上下のないリバーシブルキーを採用するとともに、凸型デザインの鍵穴の周囲を“すり鉢状”に凹ませ鍵穴に入りやすくしたことで、視力の弱い方にも、より使いやすくなりました
一般的なデスクの高さは700mmを採用しています。このサイズだけでは、背の大きい人から小さい人、あるいは車椅子使用者などに対応することはできません。そこで、簡単に、しかも安価に机の高さを720mm、740mmへと変更できる”継足”を用意しています。
従来チェアの最低座面高さは、400mm〜415mm程度でしたが、身長の低い人にも対応できるよう、380mmを実現しました。また、上下ストロークを120mm確保することで、より多くの人に適応できるようになりました。
座面の前後スライド機能や、リクライニング強度の調整機能により、個人の体格に合わせた細かい調整ができ、快適に使用できます。 また、肘・肩の疲れを軽減するため、自分好みの位置(高さ・幅)に調整してサポートする “アジャスタブル肘”があります。 それら調整レバーの操作性についても「誰にでも分かりやすく、調整が簡単にできる」ようにレバーの形状や位置にこだわり、なるべく座ったまま手が届く範囲で、簡単に操作が行えるようにしています。
オフィス市場向け製品では、2003年度カタログにおいてユニバーサルデザイン商品マーク対応製品が約450品種ありますが、一部の製品にしか展開できていません。
製品の不便さの改善、使いやすさの工夫の他に、オフィスプランニングや運用面を含めたユニバーサルデザインについて配慮していくことが、今後の課題と考えています。