卸業から生菓子製造業へ進出全国に顧客を持つ和菓子ブランドの井桁堂はもともと、和菓子の卸し業を行うハートリーとしてスタートしました。その後、自社オリジナル商品を持つことの重要性を認識したことから、20年前に乾きものを中心とした加工商品に参入、メーカーとしての顔も持つことになります。さらに生菓子の製造へと進出したのが10年前のことです。問屋から加工業、メーカーへと業容を拡大してきた同社にとって、和菓子ビジネスのポイントとは「製造を含めたデリバリー。つまり、必要な時に必要な量をいかに迅速に供給できるか」(服部幸三社長)にかかっています。そして同社の高いデリバリー能力を支えているのが、スーパーカクテルによる情報システムです。 デリバリー体制の充実に情報システムが不可欠と判断する同社のコンピュータ歴はおよそ15年に及びます。業容の拡大に応じて細かなバージョアップを繰り返した後、1999年4月からスーパーカクテルによる新システムへの移行を完了しました。 データ分析や営業現場でのリアルタイム処理に威力この新システムは「在庫管理の確立を目的とした」ものですが、同社システムを長年手がけてきたオフィスブレインすら「和菓子製造から販売まで直結した在庫管理システムの実現はなかなかに困難」なことから、今後の第2ステップとして長い目で取り組んでいくことになり、現在構築中です。 では新システム稼働の現在のメリットは何かと言うと、「売上統計データが詳細かつダイナミックで、顧客毎の傾向を正確に把握できるなど、営業戦略面での貢献が大きい」ことが最大とのことです。またハンディターミナルを利用した営業員の顧客先での受注入力や伝票発行など、現場でのリアルタイム処理を可能としたことも大きなメリットと捉えられています。数ある和菓子メーカーがある中、後発ながら同社が成長する要因の一つとして「メーカー、卸し、小売りの気持ちがすべてわかる」ということがあります。消費者の気持ちを理解する事は大前提ですが、そのためにも関連企業の本音把握は重要です。「頭で理解しても身体で理解しないことには本質は見えません。同じく販売と言っても、小売りと卸しのノウハウは全く違うのです。情報システムも当然違う」との指摘で、同社では新システム構築に当たってポイントを絞り、まず卸し業務システムの完成を優先しました。 和菓子店への商品デリバリー体制を確立全国各地にある和菓子屋が同社の顧客となるわけですが、和菓子屋の殆どは自社での製造販売です。しかし自社製造には品揃えの限界があり、また需要の高低への対応が難しいことから、今では殆どの和菓子店が自社製に加えてメーカー商品を購入しています。 つまり、井桁堂のようなメーカーは和菓子のプロばかりを相手にするので、品質とデリバリーに関しては相当な厳しさを要求されます。井桁堂では「和菓子は小豆が命」として北海道の国産小豆を頑固に使い続けるなど伝統を守りながら、新冷凍技術によって「朝生」(生菓子は必ずその日の朝作る)から生菓子を開放、生菓子のデリバリーを大きく改善しました。今夏には冷生菓を手始めに商品の多くを工場直送とする予定で、情報システムの確立がデリバリーに果たす役割も大きいようです。井桁堂では、伝統的な和菓子に加えて、和洋折衷タイプの「玉子」や「ティラミス饅頭」などの新製品を次々とヒットさせています。「色、形、匂い、質感、味わい、季節感など人間の五感を楽しませる和菓子は日本文化の華。これだけバラエティに富み、食べておいしく、しかも感性を持つお菓子は世界中でも和菓子のみ。バラエティがあるからこそ伝統の中でオリジナリティが発揮できる」と服部社長は指摘しています。 システム構成■システム構成図
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