<セールスフォース・ドットコム>
クラウドで営業支援システム(SFA)と顧客関係管理(CRM)を提供
セールスフォース・ドットコムは、主として営業支援システム(SFA)と顧客関係管理(CRM)のソリューションを提供する企業です。ビジネスアプリケーションおよびクラウドプラットフォームをインターネット経由で提供しています。弊社のサービスは、全世界で15万社、日本では約1万社にご利用いただいています。
弊社のサービスの全体像が下の図です。クラウドによるサービスを16年前から提供していますが、最も重視してきたのがセキュリティです。図の下の部分に「マルチテナントクラウド」とあるのが特徴的なところで、1社1社固有のサーバーにアプリケーションをお預かりするのではなく、お客様は、家で例えるとマンションに同居していただくような形になっています。その分、セキュリティに対して大きな投資をすることができ、その恩恵を、どのような規模のお客様も受けることができるようにしています。
弊社がサービスを提供している中から約4000社を無作為に選んでアンケートをとったところ、32%のお客様が、売り上げが上がったと回答しています。弊社のサービスによりITへの初期投資が下がった分、お客様は本来の営業活動や事業に関わる活動に注力でき、その効果がこの数字を生み出したのではないかと思っています。
いつでも・どこでも・だれでも に対応するCRM
CRMを利用されている方もいらっしゃると思います。CRMには、本来の課題である顧客への対応を超えて、社内の各部門が連携しながら適切な情報を把握したうえで顧客に対応できるような環境が求められるようになっています。セールスフォースのCRMは、各部門、パートナーも含めて様々な人たちが必要な情報を連携させながら、データの入力やデータの参照ができるようなしくみになっています。
下にあるのは、セールスフォースの画面です。顧客に関する関連情報をこの画面で一覧することができます。この中の情報をさらに詳しく知りたい場合には、その先の情報にもすぐにアクセスすることができます。
各企業の皆様はCRMを使っていく中で情報を共有していきますが、社内の情報資産は多種多様なシステムの中に入っていると思います。それを有効活用していくことにより、様々な部署の方々が連携しながらより価値のある営業活動を進めていくことができると思います。
私たちは、(1)いつでも (2)どこでも (3)だれでも(マルチデバイス) (4)必要な情報に アクセスできるシステムを目指していますので、モバイル対応はもちろん、情報の可視化、情報の連携といったテーマにも取り組んでいます。
情報の連携に関しては、他システムと接続するためのAPIを用意しています。(API:アプリケーションプログラミングインターフェース。APIを使うことでソフトウェアが他のソフトウェアと通信しあうことができる)セールスフォースの中に入っていない情報も、APIを使うことで共有していくことができます。
<intra-mart>
システムの共通基盤、ワークフローでは国内シェアNo.1
株式会社NTTデータ イントラマート
セールス&マーケティング本部
滝澤 篤 氏
intra-martは、ワークフロー(事務処理の流れを図式化してコンピューターに組み入れ、業務の自動化や円滑化を図るシステム)として、8年連続シェアナンバー1を達成している製品です。intra-martは国内の4000社以上で使われています。
intra-martは、Webアプリケーションを作るための基盤となります。製品には、各種のWebアプリケーションに加え開発用のフレームワークなどが入っています。
システム共通基盤とはどのようなものか、説明しましょう。下の図のように、社内には複数のシステムやITから取り残された業務が混在していると思います。ハードも、ベンダーも、マスタ(業務を行う際の基礎情報となるデータ)もバラバラだったりすると、コストが上がっていきます。システムが違えば、アーキテクチャーも必要とするスキルも異なり、そのために人材を置かなければいけません。ベンダー間の調整も必要です。そういったところでもかなり手間やコストがかかっているでしょう。
このような場合、intra-martをシステム基盤に据えていただくと、課題を解決することができます。イメージとしては下の図のように、intra-martの上にすべてのシステムを載せるのですが、もちろんすべてが簡単にいくとは限りません。一部は別に動かしていく、クラウドサービスなどはうまく連携させるように使っていくといった工夫をして、最適化を図ります。これにより、管理コストを削減することができると思います。
バラバラなシステムが1つになれば、管理コストは下がっていきます。そして、システムは統一された基盤上で動いていくので、その上で動くアプリケーションに関しては、すべてまとめてメンテナンスが行えるようになります。1つのポータルからいろいろなシステムの情報を見て、そのシステムにアクセスしていくことができます。
修理受付のような業務も簡単にシステム化
IT業界は古くからビジネスプロセスのシステム化を目指していましたが、なかなか導入が進みませんでした。intra-martは、紙のワークフローから始まったものを拡張して、ビジネスプロセスをカバーできるようになっています。簡単に作っていけるのが特徴です。このしくみを使うと、修理受付の業務もプロセス化、次のようにシステム化することができます。
まず、アクセス権を持ったユーザーがログインしてきて、修理の申し込みをします。社員が修理受付をすると、システムが修理条件から対応者を自動選定します。その対応者には通知がいき、修理が完了すると終わったという対応報告があり、それをもとに請求書が発行されます。さらには、満足度を図るためのアンケートを出して、それが顧客管理に反映されます。このような一連の流れも簡単にシステム化することができます。
最後に、先にお話いただいたセールスフォースと連携するしくみも用意されていること、そして、このあとお話しいただくInnovaはintra-mart上で動くシステムであることを申し添えて、次にバトンタッチしようと思います。
<スーパーカクテル イノーヴァ>
販売管理業務のすべてをカバーするスーパーカクテル イノーヴァ
スーパーカクテル イノーヴァは、intra-mart上で動くERPです。販売管理業務において、下の図の左側の発注から始まって、見積もり、債権回収、在庫管理まですべての機能を持っています。
intra-martが基盤なので、更新・移行のコストを削減できる他、すべての業務プロセスをワークフローで切って運用することができます。
特徴的な機能を1つ紹介しましょう。スーパーカクテル イノーヴァは、取引先、その先にいる二次店、仕入先、協力工場、などに対して業務ポータルのサイトを公開しています。例えば在庫状況を公開することにより、取引先はこれを見て販売サイトから発注することができます。FAXや電話、メールなどで注文を受け付けて登録する手間が省けるので、コストを削減できる分、金額を下げることができます。
仕入先に在庫を見せることによって、内示もないし発注も来ていないけれど、商品がそろそろ無くなりそうなことを知って、前段取りができるのです。業務システムを社内だけでなく、取引先と共同で動かすことによって、全体的なシステムの最適化を図るというような観点で開発されたのが、スーパーカクテル イノーヴァです。
バラバラだったシステムをスーパーカクテル イノーヴァに統一した商社の例
年商30億円ほどのネットワーク機器の商社の事例を紹介します。このお客様は、海外から機器を輸入して国内で販売していますが、保守メンテナンスも行っています。システムの問題としては、多種多様なしくみが混在していたので、それを1つの基盤として統合したいと考えていました。
例えば、販売管理、会計、保守契約、部材の在庫管理、インシデント管理(客の問い合わせに自社のCE[カスタマーエンジニア]がどのように対応したか)、SE・CEなどの工数管理、といったものがすべて別システムでした。このお客様は、セールスフォースを以前から使っていて、これは残してほしい、なんとか連携してほしいという要望があり、統合したシステムは図のようになりました。
スーパーカクテル イノーヴァと同じくintra-martをプラットフォームに持つNTTデータの「BIZインテグラル会計」をコアにして、これまでバラバラに動いていたしくみをすべてintra-mart上で構築し直しました。それがクラウドで運用されています。セールスフォースで蓄積してきたデータをスーパーカクテル イノーヴァに取り込み、取引番号をキーに、見積もり、受注契約、出荷、売上、発注、回収、保守まで、すべてを追って見えるしくみになっています。そのデータはintra-martの統合データベースの中に残るので、見たい観点でいろいろなデータをポータルの画面に出すこともできます。
この例が示すように、セールスフォースと連携し、intra-mart上で動くスーパーカクテル イノーヴァを使えば、業務プロセスは思いのほか簡単にシステム化、効率化できるのです。