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第364回 環境にやさしいグリーンデータセンター

2015/11/09

データセンターは大量に電力を食う。地球環境の負荷を大きくする悪役である。

10数年前には、サーバーの上では目玉焼きが調理できるほどに熱を発すると言われた。コンピューターセンターでは、情報処理をするのに使う電力よりも高熱になるサーバーを冷却するためのエアコンの電力量の方が多いと言われた。当時見せられた電力の利用内訳の円グラフでは、40%が情報処理に使われ、42%が冷却用のエアコンに使われ、20%弱がその他の施設運用のための電力、ということだった。

現在のPUE(施設全体の電力使用量は情報処理に使われる電力の何倍か)でいえば、情報処理に使われるのは40%だから、1割る0.4で2.5、つまりPUE=2.5ということになる。この時代から、熱を出さないサーバーの改善、高温でも作動するサーバーの性能向上、さらに少ない電力で冷却する仕組みの改善などが進んで、現在は世界的にはPUE=1.2程度の省エネルギーデータセンターが登場してきている。

最も多いのが、外気温を利用して冷却するというもので、気温の低い高緯度地方にデータセンターを開設する際にはこのタイプが多い。ただ、サーバーの改良が進んで摂氏40度程度でも作動するようになると、日本ならば沖縄を含めて全国どこでも外気温は利用できることになる。冬場は逆に寒冷地域では外気温が低くなりすぎて結露の危険があると言われ、温めるために工夫が必要になる。

いろいろな工夫で日本全国、どこでも環境にやさしい(グリーン)省エネルギー型のデータセンターが可能になりそうだが、青森県では雪氷を利用した新しいグリーンなデータセンターが上北郡六ケ所村に完成する。12月7日に竣工式を予定しているが、冬場に積もった雪を積み上げて山にして保存する。外気が上昇した夏場はパイプで空気を通して冷却、循環させサーバールーム内を冷やす仕組みである。世界では初めての試みだという。これでPUEは1.1台を目指すという。

それでもなお、情報処理には電力を使うのだが、六ヶ所村のある下北半島一帯は風量発電や太陽光発電安など再生可能エネルギー利用の発電所が集中する。こうした電力を利用するとなると、電力そのものが炭酸ガスを排出しないグリーン電力になる。一段と「グリーンデータセンター」を標榜できるようになる。

国際的な領域では、ネットワーク内を流れるデータの傍受合戦が激しく展開されていて、できることなら日本国内でデータを処理したいというユーザーの要求はだんだんと強くなってきている。グローバルなクラウドサービス企業も、米国内でデータを処理されることに不安を抱く日本企業のユーザーの要求に対応して日本国内にデータセンターを開設し、さらに増強を進めつつある。

データセンター需要はますます増大するが、それが地球環境の負荷を大きくしないように、青森県のようなグリーンなデータセンターが増えてゆくことを期待したい。

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