デジタルコンテンツカタログ 131

ウチダ デジタルコンテンツカタログ Vol.131


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スペシャルインタビューGIGAスクール構想ICT環境整備新学習指導要領ICT導入事例2どんな扇風機のプログラムにするか電気を無駄なく効率的に使える扇風機のプログラムを、まずは個別に文章で考える。「暑い時に自動で扇風機がONになる」等個別のアイデアを持ち寄って班で議論することで「暑くても人がいなければONにならない」「25℃以下になったら自動でOFFになる」とブラッシュアップされていく。3プログラムを組み、検証するPOINTグループで取り組む学校でプログラミング教育を行う以上、みんなで力を合わせてより良いプログラムを作る協働的な学習にすべきだと思います。まずは個別でアイデアを考え、次にホワイトボード上で議論し、プログラムをみんなで組みながら検証し、最後に他班のプログラムも参考にして改善する流れにしました。プログラムを組み、意図した通りに動作するか検証する。「暑くないのに人を感知しただけで扇風機がONになってしまう」等問題が起きたら、原因を探って解決する。POINT検証と改善を繰り返して論理的思考力を育む「プログラムを組んだら、なんとか動いた」で終わるのではなく、意図した通りに動くか検証し、思うように動かなければ何が問題なのかを分析して改善することを繰り返してこそ、論理的思考力が育まれます。4他班のプログラムを参考にする他班のプログラムを見て回り、意図や工夫点を聞き取って自分たちのプログラムに活かす。「気温やバッテリー残量によって風力を自動調節する」等のプログラムを追加し、さらに完成度が高まった。理科でプログラミング教育を実施することは、双方にとってWIN-WIN授業者のお話筑波大学附属小学校健先生新学習指導要領では、プログラミングを通して「論理的思考力」を身につけると書かれています。「論理的思考力」とは、意図した目的を実現するために、どんな方法が適切かを考え、試行錯誤しながら改善して目的に近づけていく力ですが、こういう論理的思考力を理科では昔から育んできました。例えば、ゴムで動く車を、ねらった場所に止める」実験を行うとします。「ねらった場所に止める」という“目的”がまずあり、その目的を達成するためにゴムの本数やゴムを引く長さ等の条件を変えて実験します。そして走る距離を“計測”し、ゴムの本数や引く長さを調整つまり“制御”することで、目的に近づけていきます。このように、目的・計測・制御」のサイクルで論理的思考力を育むのが、もともと理科教育のねらいの一つであり、プログラミング教育のねらいと合致します。しかもプログラミングには、普通の実験よりも「目的・計測・制御」を行いやすい利点があります。普通の実験なら、再実験するのに時間と手間がかかります。しかしプログラミングならすぐ行えるので、目的・計測・制御」を繰り返し、論理的思考力を鍛えやすいのです。プログラミング教育を理科に取り入れることで、理科のねらいの一つである「目的・計測・制御」のサイクルで論理的思考力を育成しやすくなり、プログラミング教育にとっても理科で身につけた論理的思考力を発揮することで、プログラミングへの理解も深まります。理科教育とプログラミング教育、両者にとってWIN-WINです。取材・文:長井寛撮影:言美歩こちらもCHECK!!本授業の詳細な流れがわかる記事が「学びの場.com」に掲載されています。あわせてご覧ください。教育用デジタルコンテンツカタログ202139


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