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自治体IT革命の今日、明日
第117回 総合窓口サービスのあり方、その4 『証明書交付コスト(no3;窓口交付)』

2010/08/30

◎総合窓口サービスの在り方
 今回は「総合窓口サービスの在り方、その4として『証明書交付コスト(その3、窓口交付)』について。

(前回より)
 窓口サービスの一形態である「コンビニ交付サービス」においては、証明書交付に係る一通当りコストは、おおよそ200円〜300円程度と思われる。自動交付機交付サービス(一通当り交付コスト:500円〜700円/通)と比較すると、おおよそ40%程度のコストでの運用が可能となる。

 今回は、窓口交付におけるコストについて検証してみたい。人口15万人の本庁市民課所属の職員はおおよそ15人程度である。2/3が窓口サービス所属、異動受付など所属が1/3、そして支所などは5人程度と思われる。

○窓口証明書交付コストは?
(前提)
・本庁職員数:15人 証明書  :10人(+支所など:5人)
           異動・相談: 5人
・人件費(D)  8000、000円/年(福利厚生費、退職給与引当金など含む。)
 単価(日、時) 30、000円/日 4、000円/時
・イニシャルコスト(C)はゼロ
とする。

X:5年間総コスト = C + D * 5
  (ランニング(D) = 人件費/年  * 職員数(A'))
   = 600、000千円/5年
Y:年間運用コスト 120、000千円/年
H:窓口交付件数 = 人口(A) * 1.2 と想定する。
   = 180、000件
I:交付率 = H / F * 100 %
   = 75%
J:窓口コスト = Y / H
   = 889円/通
 以下に、上記試算データを参考までに。
○参考資料
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーーー−−−−−
市町|イニシャル ランニング|証明書 証明書     |窓 口 交付率 1通当|
:A|コスト:C コスト:D|    総件数:F 比率|件数  :I  コスト|
千人|(千円)  (千円) |   (A*1.20) :L|:H      :J |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
モデ|   00   120000 |1住民票 064800    |           |
150|           |2印鑑  037800    |           |
15人|           |            |
A')
コスト600000  120000/年|     180000  − |135000 75.0% 889円/通|
     (X)  (Y)         
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

○窓口サービス改革により職員を何人抑制できますか?
 以下の想定のもと、窓口サービスICT改革により、何人の抑制効果が期待できるのでしょうか? 試算してみます。

<現状>
1.人口:150千人、市民課職員数:15人、
  自動交付機:4台、証明書総交付件数:180、000通
2.現状の証明書交付割合:
  窓口交付割合を75%、自動交付機交付割合を25%と想定する。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーー
 証明書交付  | 比率|交付件数| 運用コスト/年| 一通当コスト
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーー
 窓口交付   | 75%| 135000| 120000千円/年| 0889円/通
 自動交付機交付| 25%| 045000| 023000千円/年| 0511円/通
 コンビニ交付 | 00%|   00|  00    |  −
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーー
            (計180000通)

<5年後想定>
3.人口:150千人、市民課職員数:15人、
  自動交付機:4台、証明書総交付件数:180、000通
4.5年後の証明書交付割合:
  コンビニ交付割合を50%、交付機交付割合を30%残り20%を窓口交付と想
  定すると ・・・ 。
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 証明書交付  | 比率|交付件数| 運用コスト/年| 一通当コスト
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 窓口交付   | 20%| 036、000| 120、000千円/年| 3333円/通
 自動交付機交付| 30%| 054、000| 023、000千円/年| 0426円/通
 コンビニ交付 | 50%| 090、000|  1、780千円/年| 0198円/通
                    (注1)
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
            (計180、000通)
                  (注1):{20000+(3000+0.120*90000)*5}/5=1780千円/年
−>

5.窓口交付に係る一通当りの処理時間は、
  平均8分〜12分/通と仮定する。(注2)
 ・12分/通の場合 −> 4人
(・ 8分/通の場合 −> 3(2.7)人)
 必要な職員数は、3〜4人ですむ事となる。

(注2):FRI調査資料より(証明書交付に係る一通当りの処理時間。)
1.住民票 03.9分/通 252720分=4212時間= 562日 2.34人
2.印鑑  03.6分/通 136080分=2268時間= 303日 1.26人
(平均) 04.0分/通 540000分=9000時間=1200日 5.00人
・証明書1通の作成に要する処理時間は、正味約4分です。
 しかし、実際の職員対応時間は、正味時間の2〜3倍の8分〜12分となる。

 このことから、現状の本庁職員(15人)は、5年後には9人にまで抑制可能と思われる。

6.現状の本庁市民課職員の内訳:
  本庁窓口交付 10人 ( +((支所分)4人+(超勤分)1人=5人)
  異動・相談他  5人
計      15人
−>

 5年後の市民課職員は、以下の配置ですむと想定できる。
  本窓口交付   4人  (注3)
  異動・相談他  5人
  計       9人
(注3) 36000通*12分/通=432000分=7200時=0960日
                    ( /0240日/人 = 4人)

<試算結果>
 職員数の60%の抑制効果が期待できる!
・本庁市民課全体では、15人から9人の体制で運用可能となる。
 「行政サービス改革」には、"ICT利活用が前提の改革"により大きな効果が発揮できるものと考えられる。

平成22年08月26日 記

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