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自治体IT革命の今日、明日
第118回 総合窓口サービスのあり方、その5 『三鷹市のコンビニ交付サービス事例』

2010/10/25

(前回より)
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 窓口サービスの一形態である「コンビニ交付サービス」においては、証明書交付に係る一通当りコストは、おおよそ200円〜300円程度と思われる。自動交付機交付サービス(一通当り交付コスト:500円〜700円/通)と比較すると、おおよそ40%程度のコストでの運用が可能となる。
 窓口交付はおおよそ900円である。人件費の占める割合が大きい。

<参考資料>
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市町|イニシャル ランニング|証明書 証明書     |コンビ 交付率 1通当|
:A|コスト:C コスト:D|    総件数:F 比率|ニ件数 :L  コスト|
千人|(千円)  (千円) |   (A*1.20) :L|:N (30%) :M |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
三鷹| 043652   014360 |1住民票 111260 42.5%|           |
市 |(注1)       | 2印鑑  080138 30.0%|           |
177|           |            |           |
コスト;115452   23090/年|     261863    |078000 30.0% 296円 |
                    (1.48 実数)
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渋谷| 018900   013467 |1住民票       %|           |
区 |(注1)       |2印鑑        %|           |
196|           |            |           |
コスト;086235   17247/年|     274400   %|082320 30.0% 210円 |
                    (1.40 注2)
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モデ| 020000    9480 |1住民票 081000 45.0%|           |
ル |           |2印鑑  063000 35.0%|           |
150|           |            |
コスト;067400   13480/年|     180000    |054000 30.0% 250円 |
                    (1.20 注2)
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(注1)
・三鷹市は、自動交付機とコンビニの2つの交付サービスを開発・改修を実施
 渋谷区は、コンビニ交付のみの開発・改修(自動交付機交付サービスの開発は実施済み。)
(注2)
・都市部の総交付件数は、人口(A)* 1.40 通とする。
 一般市の総交付件数は、人口(A)* 1.20 通とする。
 地方町村の総交付件数は、人口(A)* 1.10 通とする。
(注3)
・コンビニ交付率は、初年度10%以降年10%づつ上昇し5年度目は50%と想定する。平均の交付率を30%と仮定した。
<以上>
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(以上)

今回は、三鷹市におけるコンビニ交付サービス事例について。
 2月18日、三鷹市にお伺いいたしました。(以下、取材時にお聞きし、いただきました資料より。)

○三鷹市「コンビニ交付サービス」事例
 1987年10月23日、「21世紀みたかの展望(職員プロジェクトチーム報告書)にて、コンビニでの証明書の発行及び税などの収納などが提言されました。
 四半世紀も前に、生活ステーションとしてのコンビニの位置づけが謳われていたことに驚きです。三鷹市の先見性が感じられる報告書であります。
 やっと、2010年2月2日、全国に先駆けてコンビニ交付が始まりました。

1.市民カードによる「自動交付機サービス」の経緯
 平成8年、市民カードによる自動交付機証明書交付サービスが開始しました。住民票の写し、印鑑登録証明書、税証明書が対象でした。その後、平成17年より、戸籍関連の証明書の交付が開始されました。

2.総合窓口への取組みの経緯
 平成11年04月に開設した市役所の市民課総合窓口では、庁舎内の各課窓口で受け付けていた届出が市民課窓口で出来るようになり、各種税証明も発行しています。
 また、申請等をサポートする総合的な案内係を市民ホールに配置し、さらに平成17年09月には基幹系システムを再構築し、より便利で親切な窓口サービスの提供を行っています。

 さらに、接遇マニュアル「グッドリレーションみたか」を作成し、窓口担当職員の接遇スキルの向上にも取り組んでおり、窓口アンケートにおいても市民の高い満足度が得られています。
 また、市民の納付機会の拡充を図るため、上下水道料金をコンビニエンスストアで納入できるサービスを行っていますが、平成16年04月からは、軽自動車税も納入可能となりました。

3.住基カード利用による「コンビニ交付サービス」に係る経緯
 実施にあたっては、行政法などの見地からの検討、セキュリティ上の見地からの検討が欠かせないことから、平成21年06月に、コンビニ交付サービスに関する検討部会として「三鷹市ユビキタス・コミュニティ推進有識者会議」が設置されました。システム構築、既存の印鑑カードとの統合、関係条例の制定及び改正など様々な観点からの議論検討がなされました。
 平成21年09月議会にて関係予算が議決し、12月議会にて、「三鷹市住民基本台帳カードの利用に関する条例」が成立しました。
 平成22年01月から、住基カードの無料交付を開始し、2月2日に無事コンビニ交付が本稼動したところです。

4.地方自治体がしなければならない作業
 ・証明書発行サーバーの構築
 ・LGWANセルフASPセグメントの構築
 ・ICカード標準システムの構築

<下記図1参照>

そして、  ・市民への広報活動

<下記図2参照>

がなにより大事です。

5.コンビニ交付サービスの特徴
 "便利・簡単・安心"なコンビニ交付サービス
・便利・簡単
 操作方法は簡単なタッチパネル方式です。指示された順に画面に触れて手続きを進めると、受付から交付まで3分ほどの時間で終えます。
・安心(最新技術でセキュリティ対策は万全)
 通信の安全対策のため、専用回線とLGWAN回線を使用します。
 証明書はA4判普通紙ですが、偽造、改ざんを防ぐ最新技術が使われております。
 1.証明書の表面を暗号化し、裏面に印刷する「スクランブル画像
」  2.特殊判別装置で潜像画像が確認できる「偽造防止検出画像の印刷」
 3.不正コピー防止のための「けん制文字処理」
 また、情報の漏えい対策として、キオスク端末(新型マルチコピー機)の操作は、本人のみで行います。取り忘れ防止のため、音声と警告表示で注意を促します。

平成22年09月23日 記

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