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自治体IT革命の今日、明日
第141回 国民ID制度と社会保障・税番号制度、その16『番号制度導入に係る地方公共団体の税務システムのあり方に関する調査研究報告書』

2012/08/20

「番号制度導入に係る地方公共団体の税務システムのあり方に関する調査研究報告書」からの解説をしたいと思います。

(前回より)
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◎「マイナンバー法」
○導入スケジュール
・第1段階
 2014年6月以降に番号割り当て通知開始予定。
・第2段階
 2015年1月のマイナンバーの利用開始予定。
 申請者に対して番号カード(ICカード)の交付も始めるため、新しい公的個人認証システムが稼働する予定。
・第3段階(その1)
 2016年1月の情報連携基盤と「マイポータル」運用開始予定。
・第3段階(その2)
 2016年7月の地方自治体がLGWAN経由で情報連携基盤接続開始予定。
 住民に直結した行政サービスを担う地方自治体がLGWAN経由で情報連携基盤につながるのは、2016年7月を予定。
○マイナンバー法案
○関連整備など法案について
・住民基本台帳法の一部改正について
・公的個人認証法の一部改正について
・地方公共団体情報システム機構法案
○マイナンバーの利用範囲
 −> 別表1:93業務が「番号」活用、別表2:116業務が「符号」連携
 http://www.cas.go.jp/jp/houan/120214number/gaiyou.pdfPDF
・“別表1”と番号活用
・“別表2”と「符号」連携
○宛名システム関連のPG改修の一方策
 宛名DBは、(a)住登住民(外国人含む)と(b)住登外宛名DBより成り立つ。
  宛名DB = (a)住登住民(外国人含む) + (b)住登外宛名DB
1.住基システムの異動処理PGの改修
 出生、転入など異動処理時に、「変換テーブル」を新規生成、
 死亡、転出など異動処理時に、「変換テーブル」から削除(実際は削除フラグ)
*変換テーブル:
 「符号+「番号」+住基コード+既存住民コード(利用者番号)」
2.住登外宛名システムの改修
(b)住登外宛名DBは、(c)住登外個人と(d)法人DBより成り立つ。
 (b)住登外宛名DB = (c)住登外個人 + (d)法人DB
*住登外宛名DB
 既存の住登外宛名DBから外国人を除き、住登外個人には「番号」を法人DBには「法人番号」を項目付加する。その上で、異動処理や検索機能を加味しPGを改修する。

○番号制度を我々の切り札にするために
 〜国民と基礎自治体の目線から番号制度を考える〜
 http://www.cipps.org/img/news/120607/teigen.pdfPDF
 日本を取り巻く社会環境、社会変革の方向性、社会基盤としての番号制度の活用などといった構成で纏められています。
○「共通番号」導入の経済効果試算結果
 http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001342/attached.pdfPDF
 経済効果は、年間1兆1500億円のコスト削減効果と試算しております。行政分野で3000億円、準公的分野で6000億円、民間分野で2500億円です。・・・
○地方公共団体における番号制度の活用に関する研究会(第4回)(総務省 12/06/27)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/bangou_katsuyou/02gyosei02_03000046.html
1.地方公共団体における番号制度の導入ガイドラインについて(案)
2.地方公共団体における番号制度の活用について(案)・・・ガイドライン第1章です。
3.番号制度導入に係る地方団体の税務システムのあり方に関する調査研究 報告書
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(以上)

「番号制度導入に係る地方公共団体の税務システムのあり方に関する調査研究報告書」からの解説をしたいと思います。今回は、2章 番号制度の概要について。

○番号制度導入に係る地方団体の税務システムのあり方に関する調査研究結果報告書(平成24年3月30日)

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<目次>
1章 本報告の趣旨 ・・・ 略
2章 番号制度の概要 ・・・ 今回

3章 地方団体の税務システムの現況
4章 番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響
(1) 番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響の概要
(2) 対応の方向性
(3) 想定スケジュールと移行に係る留意事項
(4) 本ガイドライン案における記述の前提となる税務システムモデル
5章 システム改修要件 (市町村)
(1) 宛名管理システム
(2) 個人住民税システム
(3) 法人市町村民税システム
(4) 固定資産税システム
(5) 軽自動車税システム
(6) 収滞納管理システム
6章 システム改修要件 (都道府県)
(1) 宛名管理システム
(2) 個人事業税システム
(3) 自動車税システム
(4) 法人道府県民税・事業税システム
(5) 不動産取得税システム
(6) 収滞納管理システム
7章 地方税務分野における番号制度の導入に伴う費用に関する留意点
(1) 税制改正対応費用
(2) 地方団体の類型に応じた費用に関する留意点
(3) 費用抑制のための留意点
8章 地方税務分野における番号制度の導入に伴う便益
(1) 添付書類 (所得証明書) の省略に伴う便益
(2) 行政サービスの質の向上 (窓口の待ち時間の解消など) に伴う便益
(3) 個人特定作業に係る便益
(4) 情報連携に係る便益等
(5) 法人特定作業に係る便益
9章 今後の検討課題
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(以上)

○2章 番号制度の概要

(1)マイナンバーを利用する手続きの範囲
 マイナンバーを利用することができる手続きについては、マイナンバーの恣意的な利用を防止し、国民に対してあらかじめ番号制度の活用事務について明らかにするため、マイナンバーを利用する事務の範囲について法令で規定することとしている。

<第6条関連>
 http://www.cas.go.jp/jp/houan/120214number/gaiyou.pdfPDF
 −> 別表1:93業務が「番号」活用
 (注1) 内、市町村19業務

・番号を利用する機関、利用する事務を別表形式でマイナンバー法案に規定(第6条第1項、別表第一)
・地方団体が税・社会保障等の分野で条例で定める場合(第6条第2項)
・番号を利用する手続きにおいて必要となる書面の提出等、他人のマイナンバーを利用した事務を行なう場合(第6条第3項)

(2)情報提供ネットワークシステムを介した情報の照会・提供
 マイナンバー法案では、マイナンバーに紐付いた個人情報を他の行政機関に提供することを原則禁止しているが、
<17条関連>
・(第17条第7号、別表第二):
 情報提供ネットワークシステムを利用した情報提供についてはこの例外とされ、この場合の情報照会者、情報提供者、情報提供に係る事務、情報提供を行なう個人情報については別表形式で定められている。

http://www.cas.go.jp/jp/houan/120214number/gaiyou.pdfPDF
 −> 別表2:116業務が「符号」連携
 (注2) 内、情報提供(TO)が市町村 71事務

個人情報保護の観点から、個人情報を一元的に管理することができる機関又は主体が存在しないこととするため、「社会保障・税番号大綱」では、「情報連携基盤では『番号』を情報連携の手段として直接用いず、当該個人を特定するための情報連携基盤等及び情報保有機関のみで用いる『符号』を用いる」こととしている。

・(別表第二第27号〜29号):
 地方税に関しては、障害者手帳等に関する情報、生活保護受給に関する情報、扶養に関する情報など、地方税の賦課徴収に関する事務を行なうにあたって情報提供を受けることができる情報について定められているほか、数多くの社会保障分野の事務に対して地方税関係情報を提供することとされている。
 地方税関係情報として提供する情報は、個人住民税分野における所得情報や扶養に関する情報が想定されている。

・(第17条第8号):
 国税連携として所得税確定申告データが国税庁から地方団体に対して電子的に送付されているが、このような国税又は地方税に関する国税庁と地方団体間のやりとり等については、個人情報の安全を確保するために必要な措置として政令で定める措置を講じているときは、上記の情報提供ネットワークシステムを介さずにマイナンバーを付した情報の提供を行なうことができることとされている。

(3)今後のスケジュール
 今後のスケジュールとしては、以下が予定されている。
・平成26年10月、マイナンバーを通知
・平成27年 1月以降、社会保障・税分野のうち、可能な範囲からマイナンバー、法人番号を利用開始
・平成28年 1月、情報提供ネットワークシステムの運用開始(国の機関間)
・平成28年 7月、同上(地方自治体)

地方自治体における地方税(個人住民税、法人住民税など)においては、平成27年度から「マイナンバー」「法人番号」が利用開始される。平成27年冬の年末調整事務、平成28年春の申告事務からの利用が予定されている。

○平成24年度、地方自治体(市町村)の調査事項
1.マイナンバー利活用への調査の体制つくり
 ・「別表1」093 事務関係部署      −>「番号」活用事務
 ・「別表2」116 事務関係部署      −>「符号」連携事務
 ・条例事務関係部署           −>「番号」活用事務
2.「符号」連携 事務の整理
 FROM TO WHO/WHAT の整理
 1.FROMが地方自治体の事務           56事務(+09)
 2.TO が地方自治体の事務           71事務(+19)
3.情報システムのPG改修の調査
4.移行計画つくり
5.予算化
6.調達計画

平成24年8月9日 記

(注1)別表1 市町村関係(19事務)PDF

(注2)別表2 TOが市町村関連の事務  71事務(+19)PDF

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