HOME > U+(ユープラス) > 電子自治体の行政情報化ニュース > 自治体IT革命の今日、明日 第144回 国民ID制度と社会保障・税番号制度、その19『地方公共団体の税務システムのあり方に関する調査研究報告書、その4』
2012/11/12
「番号制度導入に係る地方公共団体の税務システムのあり方に関する調査研究報告書」からの解説の続きです。
○番号制度導入に係る地方団体の税務システムのあり方に関する調査研究結果報告書(平成24年3月30日)
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<目次>
1章 本報告の趣旨 ・・・ 略
2章 番号制度の概要 ・・・ 前々前回
3章 地方団体の税務システムの現況 ・・・ 略
4章 番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響 ・・・ 前々回
5章 システム改修要件 (市町村) ・・・ 前回
6章 システム改修要件 (都道府県) ・・・ 略
7章 地方税務分野における番号制度の導入に伴う費用に関する留意点
8章 地方税務分野における番号制度の導入に伴う便益 ・・・ 今回
(1) 添付書類 (所得証明書) の省略に伴う便益
(2) 行政サービスの質の向上 (窓口の待ち時間の解消など) に伴う便益
(3) 個人特定作業に係る便益
(4) 情報連携に係る便益等
(5) 法人特定作業に係る便益
9章 今後の検討課題
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(以上)
(前回より)
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○2章 番号制度の概要
(1)マイナンバーを利用する手続きの範囲
・番号を利用する機関、利用する事務を別表形式でマイナンバー法案に規定(第6条第1項、別表第一)
・地方団体が税・社会保障等の分野で条例で定める場合(第6条第2項)
・番号を利用する手続きにおいて必要となる書面の提出等、他人のマイナンバーを利用した事務を行なう場合(第6条第3項)
(2)情報提供ネットワークシステムを介した情報の照会・提供・(第17条第7号、別表第二):
・(別表第二第27号〜29号):
・(第17条第8号):
(3)今後のスケジュール
今後のスケジュールとしては、以下が予定されている。
・平成26年10月、マイナンバーを通知
・平成27年1月以降、マイナンバー、法人番号を利用開始
・平成28年1月、情報提供ネットワークシステムの運用開始(国の機関間)
・平成28年7月、同上(地方団体)
○4章 番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響
(1) 番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響の概要
(2) 対応の方向性
1.マイナンバー、法人番号を用いた地方税データの管理
(ア) マイナンバー、法人番号の取得
番号制度で導入されるマイナンバー、法人番号と既存の宛名番号との関係については、既存の宛名番号に追加してマイナンバー、法人番号を保有・管理できるようにすることが適当と考えられる。
2.情報提供ネットワークシステムによる照会・提供への対応
提供する情報については、個人住民税の税額、所得の額、控除額、扶養関係情報等が想定されており、データ項目としては、「地域情報プラットフォーム標準仕様書」を参考とする。
(3) 想定スケジュールと移行に係る留意事項
(4) 本ガイドライン案における記述の前提となる税務システムモデル
(市町村における税務システムモデル)
○5章 システム改修要件 (市町村)
(1) 宛名管理システム
(2) 個人住民税システム
(3) 法人市町村民税システム
(以下略)
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(以上)
今回は、8章 地方税務分野における番号制度の導入に伴う便益についてです。
○8章 地方税務分野における番号制度の導入に伴う便益
(1) 添付書類 (所得証明書) の省略に伴う便益
(2) 行政サービスの質の向上 (窓口の待ち時間の解消など) に伴う便益
(3) 個人特定作業に係る便益
(4) 情報連携に係る便益等
(5) 法人特定作業に係る便益
番号制度導入に伴う地方税務分野における便益は、住民の利便性の向上と地方団体の行政事務の効率化、コスト削減が基本となる。
1.住民側便益(住民の利便性向上)
(1) 添付書類(所得証明書) の省略に伴う便益
(2) 行政サービスの質の向上に伴う便益(窓口の待ち時間の解消など)
2.行政側便益(行政の事務効率化、コスト削減)
(3) 個人特定作業に係る便益
(4) 情報連携に係る便益
(5) 法人特定作業に係る便益
1.住民側便益(住民の利便性向上)
(1) 添付書類(所得証明書) の省略に伴う便益
住民側の便益としてまず挙げられるのは、行政機関間のバックオフィス連携の実現による所得証明書等の添付書類の省略である。
(2) 行政サービスの質の向上に伴う便益(窓口の待ち時間の解消など)
住民側の便益として行政サービスの質の向上が挙げられる。
2.行政側便益(行政の事務効率化、コスト削減)
(3) 個人特定作業に係る便益
・申告書等の処理における個人特定作業負荷の軽減
1.確定申告書
2.給与支払報告書
3.公的年金等支払報告書
4.住民税申告書
・固定資産税、軽自動車税(個人)の課税資料作成処理における個人特定負荷の軽減
1.固定資産税
登記所(法務省)から送付される「登記済通知書」をトリガとして課税管理システムのデータ整備を行っている。
2.軽自動車税
軽自動車検査協会を経由して送付される「軽自動車税申告書」をトリガに課税管理システムのデータ整備を行っている。
(4) 情報連携に係る便益
・添付書類 (所得証明書) の省略 (市町村−他の行政機関)
住民からみた、添付書類(所得証明書など)の省略に係る便益は、(1)のとおりであるが、地方団体側でも窓口での対応が減少することで、証明書交付事務等が減少する。
(5) 法人特定作業に係る便益
・申告書等の処理における法人特定作業負荷の軽減
・固定資産税、軽自動車税(法人)の課税資料作成処理における法人特定作業負荷の軽減
9章 今後の検討課題
以下は今後の検討課題です。
1.情報提供ネットワークシステムとの接続関連
1.情報提供ネットワークシステムとの接続仕様
2.符号の取得、保有、管理
3.照会用データの仕様(項目、データ形式等)
2.法人番号の仕様、取得方法の具体化を踏まえた地方団体の利用
3.マイ・ポータルで提供する情報、提供に必要な対応等
4.システム改修費用抑制のための方策
5.個人情報保護対策、セキュリティの確保
6.本人確認のための方策
7.宛名管理システムのあり方について
8.住基ネット、既存住基システムの仕様
・・・活用事例や活用の方向性を参考に、地方公共団体が活用方法等について議論する契機となることを期待するものである。今後、番号制度が定着していくことで、行政サービスの向上や行政事務の効率化等に寄与する活用方法が実現していくことを期待する。・・・
○地方公共団体における番号制度の活用に関する研究会(第4回)(総務省 12/06/27)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/bangou_katsuyou/02gyosei02_03000046.html
1.地方公共団体における番号制度の導入ガイドラインについて(案)
2.地方公共団体における番号制度の活用について(案)
・・・ガイドライン第1章です。
3.番号制度導入に係る地方団体の税務システムのあり方に関する調査研究 報告書
・・・ガイドライン第2章です。
○地方公共団体における番号制度の導入ガイドライン <参照>
マイナンバー法案の先行きが不明な状況です。が、9月には「地方公共団体における番号制度の導入ガイドライン(中間とりまとめ)」がまとまっております。
総務省に設置した「地方公共団体における番号制度の活用に関する研究会」(座長:須藤 修 東京大学大学院情報学環長・学際情報学府長)での議論を踏まえ、地方公共団体における番号制度の活用可能性や、番号制度に対応したシステム構築に関するポイントなどを取りまとめている。
また、第2章第2節については、総務省が主宰する「番号制度に係る地方税務システム検討会」での議論を踏まえ、地方公共団体における税務システムの改修に関する実務上の課題などを取りまとめている。
<参照>
○地方公共団体における番号制度の導入ガイドライン(中間とりまとめ)(平成24年9月)
第1章 地方公共団体における番号制度の活用について
<目次>
1 はじめに
2 地方公共団体における番号制度の活用について
(1) 番号制度の導入により実現すること
1 番号制度の仕組み
1−1 個人番号の付番
1−1−1 個人番号の定義
1−1−2 個人番号の付番
1−2 個人番号の利用
1−3 情報連携
1−4 個人番号カードの交付
1−5 マイ・ポータル
2 番号制度の導入により実現すること
3 地方公共団体における番号制度の利用
3−1 地方公共団体における特定個人情報の利用
3−2 個人番号カードの条例利用
3−3 マイ・ポータル
(2) 番号制度の活用の具体的なイメージ
1 先進的取組事例
1−1 住民情報を庁内組織横断的に共有している団体
1−1−1 総合窓口サービスの取組
1−1−2 福祉保健総合相談室
1−2 住民情報を時系列で共有している団体
1−2−1 Web健康手帳
1−2−2 生活習慣病予防
1−3 住民情報を地理空間的に共有している団体
1−3−1 被災者台帳
1−3−2 統合型GIS
2 先進事例における番号制度の活用可能性についての考察
2−1 個人番号を活用した、より正確で確実な情報管理
2−1−1 継続的な状況把握
2−1−2 より効率的な名寄せ
2−1−3 他市町村の住民への展開
2−1−4 新たな情報収集による政策の高度化
2−2 他団体等との情報連携によるサービスの向上
2−2−1 さらなる添付書類の削減
2−2−2 さらなる手続ワンストップ
2−2−3 事務の効率化
2−2−4 情報連携による政策の高度化
2−2−5 情報連携による共同処理への活用
2−3 個人番号カードを活用したより確実な本人確認
2−3−1 より正確かつ円滑な本人確認
2−3−2 より安全なログイン
2−3−3 電子申請の利用増加
2−3−4 個人番号カードの条例利用による行政サービスの向上
2−4 プッシュ型のお知らせ
2−4−1 必要な手続についてのプッシュ型お知らせ
2−4−2 審査等のステータスについてのプッシュ型お知らせ
2−4―3 マイ・ポータルとの連携による相乗効果
(3)地方公共団体における番号制度の活用の方向性
1 窓口の総合化
2 書類審査から現場へ
3 政策の質の向上
第2章 番号制度に対応したシステム構築について
<目次>
第1節 住民基本台帳システムの構築に係るガイドライン
1 基本要件
(1) 番号制度における住民基本台帳システムの役割
(2) 世帯情報の提供方法
(3) モデルとしたシステム構成
(4) スケジュール
2 システム改修要件
(1) 施行日(平成26年10月)前から施行日にかけての個人番号の指定(初期一斉指定)等
(2) 施行日以後符号一斉取得日までの住民に対する個人番号の指定等
1 出生等
1−1 個人番号の指定等
1−1−1 出生
1−1−2 海外からの転入等
1―2 個人番号の変更
2 転出
3 転入
4 転居
5 死亡等による消除
6 国籍変更
(3) 第4号施行日(平成27年1月)以後の個人番号カードの交付等
1 個人番号カードの交付
2 個人番号が記載された住民票の写しの交付
(4) 符号一斉取得日における住民に対する符号一斉取得
(5) 符号一斉取得日における住民以外の者に対する符号一斉取得
(6) 符号一斉取得日以後の住民に対する個人番号の指定等
1 出生等
1−1 個人番号の指定等
1−1−1 出生
1−1−2 海外からの転入等
1―2 個人番号の変更
2 転出
3 転入
4 転居
5 死亡等による消除
6 国籍変更
(7) 符号一斉取得日以後の住民以外の者に対する符号の取得
第2節 地方税務システムの構築に係るガイドライン
1 基本要件(番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響
(1) 番号制度導入による地方税に係る業務・システムへの影響の概要
(2) 対応の方向性
(3) 想定スケジュールと移行に係る留意事項
(4) 本ガイドライン案における記述の前提となる税務システムモデル
2 システム改修要件(市町村)
(1) 宛名システム
(2) 個人住民税システム
(3) 法人市町村民税システム
(4) 固定資産税システム
(5)軽自動車税システム
(6) 収滞納管理システム
3 システム改修要件(都道府県)
(1) 宛名システム
(2) 個人事業税システム
(3) 自動車税システム
(4) 法人都道府県民税・事業税システム
(5) 不動産取得税システム
(6) 収滞納管理システム
第3節 情報連携のための中間サーバの構築に係るガイドライン
1 基本要件
(1) 中間サーバの必要性
(2) 中間サーバの基本的な考え方
(3) モデルとしたシステム構成
(4) スケジュール
(5) 効率的な導入に向けて
2 システム構築要件
(1) 符号の取得
1 住民
1−1 符号一斉取得日における住民に対する符号一斉取得
1−2 符号一斉取得日以後の住民に対する符号の取得
1−2−1 出生
1−2−2 海外からの転入等
1−2−3 転入
2 住民以外の者
2−1 符号一斉取得日における住民以外の者に対する符号一斉取得
2−2 符号一斉取得日以後の住民以外の者に対する符号の取得
(2) 情報連携
1 情報照会者になる場合
2 情報提供者になる場合
(3) プッシュ型のお知らせ
3 非機能要件等留意すべき事項
(1) 規模
(2) 可用性要件
(3) セキュリティ要件
(4) 運用に関する要件
第4節 その他の業務システムに関する留意事項
例1 児童扶養手当の認定請求における地方税関係情報の確認について
例2 別居児童における児童扶養手当の認定請求における住民票関係情報の確認について