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自治体IT革命の今日、明日
第147回 オープンガバメント、その1 『電子行政オープンデータ戦略』

2013/02/04

今回からは、オープンガバメントについてお話をしてゆきたいと思います。
一昨年8月に、オープンガバメント実現のための基本方針が公表されています。

○電子行政推進に関する基本方針(IT戦略本部、平成23 年08月03日)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pdf/110803_denshi.pdfPDF

(以下上記より抜粋・編集)
・電子行政推進の意義
 情報通信技術を活用した行政の電子化によって、行政サービスの利便性を飛躍的に向上させ、国民、企業等の権利の実現や利益の保護を図ることができる。また、行政事務の遂行に関しても抜本的な効率化が図られるとともに、行政の一層の透明化や国民参加の促進にも大きく寄与する。 ・・・
 技術革新による新しい技術やサービスの出現、行政の電子化に伴う高レベルのリスク管理の必要性の高まりなど様々な環境変化に適切に対応するとともに、サービスの安定的、継続的提供の観点等にも十分留意しつつ、国民と行政の新たな関係の構築と世界に誇れる水準の電子行政国家の実現を目指し、電子行政を強力に推進していく必要がある。・・・
・電子政府と電子自治体の連携
 利用者視点に立った電子行政サービスを効率的に実現する観点からは、行政サービスの提供主体として、国の電子政府の取組と地方公共団体の電子自治体の取組の間で連携を図り、一体的な取組を進めていく必要があるが、これまで、そのような連携・協力の観点からの取組を進めていく体制が十分整えられてきたとは言えない。マイナンバー制度の法案化と実現が求められるところです。
・民間との連携
 国と地方公共団体の間のみでなく、民間との連携を図る必要がある。電子行政サービス提供に必要となる資源のすべてを行政自らが確保するのではなく、サービスの内容等に応じて、民間企業等によって提供されている情報通信関係の先進的なサービスを活用して、行政サービスを提供していくことや、行政が2次利用可能な形式で公開・提供した情報を基に、民間が多様なサービスを提供していくことなどが考えられるが、従来、こうした民間との連携を図る視点が十分備わっていたとは言えない。
・目指すべき電子行政の姿
 言い古された姿ですが、電子行政を推進し、情報通信技術を活用した行政サービスの提供、業務の見直し等を行うことにより、(1)行政サービスの利便性の向上、(2)行政運営の効率化等、(3)行政運営の透明性の向上等

この中で、5つの重要施策の推進が謳われています。
1.政府におけるITガバナンスの確立・強化
(1)IT投資管理の確立・強化
(2)業務プロセス改革
(3)人材育成及び確保
(4)情報システムの運用継続
2.国民ID制度、企業コード等
(1)社会保障・税に関わる番号制度と国民ID制度
(2)企業コード
(3)文字情報基盤の活用
3.行政サービスのオンライン利用
4.行政サービスへのアクセス向上
(1)行政サービスへのアクセシビリティ向上とフロントオフィス改革の重要性
(2)行政キオスク端末のサービス拡大等に関する施策の推進
5.オープンガバメント
(1)基本的考え方
(2)行政情報の公開・提供
(3)国民の意見の収集と政策形成過程への参加
(4)推進体制
(以下略)

○オープンガバメントへ向けた行政改革へ
(1)基本的考え方
 行政の質の向上を図る観点から、社会に存在する有益な情報・知見等を政策に活用するため、国民との情報の共有化や政策形成過程の可視化を進め、国民が政策を検証又は提案し、政策形成過程に参加できるようにすることが求められている。
(2)行政情報の公開・提供
 行政機関が保有する情報については、各府省のホームページや電子政府の総合窓口(e-Gov)等を通じて電子的に提供されているが、国民に十分認知されていない、提供される情報が十分ではない、情報が提供されるまでに時間がかかる、提供される情報が分かりにくい、必要とする情報が探しにくいといった課題が指摘されている。国民が必要とする行政情報を容易に利用できるようにする観点から、利用者の属性、利用環境、利用目的等も考慮しつつ、提供する情報の拡充、迅速な情報提供、情報の分かりやすさや探しやすさの向上を図るとともに、統計情報、測定情報、防災情報等について2次利用が可能な標準的な形式での情報提供を推進する必要がある。 ・・・ 『電子行政オープンデータ』
 国民による政策の検証や政策形成過程への参加を可能とする観点からも、政策に係る各種情報の提供を推進する必要がある。特に予算編成過程の透明性が期待されています。
・実現する取組み
 1.各府省ホームページにおける情報提供の在り方の見直し
 2.電子政府の総合窓口(e-Gov)の抜本的な改善
 3.文書管理の電子化(ペーパーレス化)と電子決裁機能を使用した文書管理システム
  情報公開制度の基礎となる文書管理です。
(3)国民の意見の収集と政策形成過程への参加
 国民が政策を提案し、政策形成過程に参加するためには、そのための手段が用意されていなければならない。現在、国民の意見・要望・提案等を募集し、政策形成に活用するための各般の取組が行われているが、国民に十分認知されていない、意見等が十分に活用されていないといった課題が指摘されている。
 国民の意見を積極的に収集するとともに、国民が政策形成過程へ参加するための手段として情報通信技術を有効に活用する方策について検討する。
(4)推進体制
 政府CIO体制の下、オープンガバメント関連施策を府省横断的に強力に推進する。
(以下略)

さて、日本における公共オープンデータの現状は?

○電子行政オープンデータ戦略(平成24年07月04日) ・・・ <概要 参照>
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pdf/120704_siryou2.pdfPDF

・オープンガバメントの推進に当たっては、公共データは国民共有の財産であるという認識の下、公共データの活用を促進するための取組に速やかに着手し、それを広く展開することにより、国民生活の向上、企業活動の活性化等を図り、我が国の社会経済全体の発展に寄与することが重要であるため、公共データの活用促進のための基本戦略として、「電子行政オープンデータ戦略」が策定された。
・意義・目的
1.透明性・信頼性の向上
 公共データが二次利用可能な形で提供されることにより、国民が自ら又は民間のサービスを通じて、政府の政策等に関して十分な分析、判断を行うことが可能になる。それにより、行政の透明性が高まり、行政への国民からの信頼を高めることができる。
2.国民参加・官民共同の推進
 広範な主体による公共データの活用が進展し、官民の情報共有が図られることにより、官民の協働による公共サービスの提供、さらには行政が提供した情報による民間サービスの創出が促進される。これにより、創意工夫を活かした多様な公共サービスが迅速かつ効率的に提供され、厳しい財政状況、諸活動におけるニーズや価値観の多様化、情報通信技術の高度化等我が国を取り巻く諸状況にも適切に対応することができる。
3.経済の活性化・行政の効率化
 公共データを2次利用可能な形で提供することにより、市場における編集、加工、分析等の各段階を通じて、様々な新ビジネスの創出や企業活動の効率化等が促され、我が国全体の経済活性化が図られる。
 また、国や地方公共団体においても、政策決定等において公共データを用いて分析等を行うことで、業務の効率化、高度化が図られる。
・基本原則
 我が国において公共データの活用の取組を進めるに当たり、次の1.から4.までを基本原則とする。
1.政府自ら積極的に公共データを公開すること ・・・ 本質的には原則公開!
2.機械判読可能な形式で公開すること ・・・ 2次利用が安易!
3.営利目的、非営利目的を問わず活用を促進すること ・・・ 利用制限をつけず!
4.取組可能な公共データから速やかに公開等の具体的な取組に着手し、成果を確実に蓄積していくこと ・・・ まず実施!
(以上)

・「オープンデータ流通推進コンソーシアム」の設立(総務省、平成24年7月27日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000047.html

 総務省は、関係府省等とも連携しつつ、各分野内で閉じた形でのみ利活用されているデータを社会で効果的に利活用することのできる環境の整備に向け、「オープンデータ戦略」を推進しています。本日(7月27日)、オープンデータの流通を促進する環境を整備するため、産官学が共同で取り組む活動母体として「オープンデータ流通推進コンソーシアム」が設立されましたので、お知らせします。

・白書や統計などの公表データがより一層活用しやすくなります〜オープンデータ実証用サイト「Open DATA METI」(β版)の公開〜(経産省 13/01/28)
http://www.meti.go.jp/press/2012/01/20130128006/20120128006.html

 以下に、地方自治体におけるオープンデータ活用事例がまとめられています。
・自治体におけるオープンデータ活用事例(itmedia 13/01/10)
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/01/post-97ab.html

 この中で先駆的な地方自治体の一つが鯖江市の「データシティ鯖江」です。
・データシティ鯖江(XML,RDFによるオープンデータ化の推進)
http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=11552

 鯖江市では、ホームページで公開する情報を多方面で利用できるXML,RDFで積極的に公開する”データシティ鯖江”を目指しています。 近年、欧米各国を中心として、電子行政の新たな手法として、行政機関がウェブを活用して積極的にデータの提供や収集を行うことを通じて、行政への国民参加や官民協働の公共サービスの提供を可能とし、促進して行こうとする「オープンガバメント」の運動が起こってきています。日本でも経済産業省が、「オープンガバメントラボ」というサイトを設け、開かれた政府(オープンガバメント)の実現を目指し、実証を行っています 鯖江市でもこの方向性を受け、できるところから、取り組んでいきます。

 また、01月25日には、千葉市、福岡市、奈良市、武雄市の4市長がオープンデータ活用推進協議会を立ち上げたところです。
・武雄・千葉・奈良・福岡の4市がオープンデータ活用推進協議会(日経BP 13/01/28)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130128/452381/?mln

次回以降、各国政府におけるオープンデータ、国内オープンデータ事例などについて。

平成25年01月31日

<参照 概要>
・電子行政オープンデータ戦略の概要
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pdf/120704_gaiyou.pdfPDF

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