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自治体IT革命の今日、明日
第149回 オープンガバメント、その3 『日本におけるオープンガバメントの取組み』

2013/04/01

(前回まで)
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○電子行政推進に関する基本方針(IT戦略本部、平成23年08月03日)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pdf/110803_denshi.pdf
・電子行政推進の意義
・電子政府と電子自治体の連携
・民間との連携
・目指すべき電子行政の姿
・5つの重要施策
 1.政府におけるITガバナンスの確立・強化
 2.国民ID制度、企業コード等
 3.行政サービスのオンライン利用
 4.行政サービスへのアクセス向上
 5.オープンガバメント
 (1)基本的考え方
 (2)行政情報の公開・提供
 (3)国民の意見の収集と政策形成過程への参加
 (4)推進体制

○米国政府におけるオープンガバメントの取り組み
1.政府のクラウド戦略
2.「Open Government Initiative」
・2009年1月20日、オバマ大統領、透明性とオープンガバメントに関する覚書の「Transparency and Open Government」(3つの基本原則)を発表。
 (1) 透明性
 (2) 市民参加
 (3) 官民連携
とオープンガバメントに関する3つの基本原則を表明。
・各省庁への「オープンガバメント指令」
・「オープンガバメント・ダッシュボード」
・国民によるオンライン嘆願受付「We the People」
・Digital Government
3.米国政府におけるオープンデータの取り組み
・オープンデータ
・「Data.Gov」 http://www.data.gov/
・「Data.Gov」から提供されるデータ
・米国における情報公開法と著作権
情報公開法
・1966年、「情報自由法(FOIA)」
・1996年、「電子情報自由法(EFIA)」
 電子情報を対象とし、公開可能なものは全て電子化
 請求者の望むフォーマットで提供
著作権
 米国政府が作成した情報(オープンデータ)は、著作権法の保護対象外
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(以上)

○日本におけるオープンガバメントの取組み
 (itmedia 13/01/29) http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/01/post-905c.html

(以下、上記より抜粋編集)
1.オープンガバメント
・2010年05月11日、IT戦略本部
 「新たな情報通信技術戦略」を発表し、「オープンガバメント等の確立」を謳う。

2.経済産業省の『アイデアボックス』と他省庁への展開
 2009年10月14日から11月14日まで、電子政府の取組に関して、国民から広く意見を募る「電子経済産業省アイディアボックス」を開設し、ネットを通じた意見募集システムの可能性についての実証実験を実施した。
・2010年2月23日から2010年3月15日、経産省
 「経済産業省アイデアボックス」を実施。
・2010年6月22日から7月22日、観光庁と経済産業省
 「休暇分散化アイデアボックス」を実施。
・2010年9月24日から10月14日、内閣府の行政刷新会議
 「国民の声アイデアボックス」を開設
・2010年4月17日、文科省
 「文科省政策創造エンジン 熟議カケアイ」 を開設
・2010年7月29日、経済産業省
 『オープンガバメントラボ』開設 http://www.openlabs.go.jp/
 オープンガバメントに関するさまざまな情報の収集、提供も行っている。
 「アイデアボックス」のほか、「オープンガバメント Wiki」、
 2010年9月には行政統計利活用サイト「データボックス」などを開設している。
「データボックス」は、統計情報の公開だけでなく、統計情報の利活用のために、データグラフ化機能やファイル形式の多様化に対応。
・2011年4月11日、経産省
 『情報分析ツール活用ガイド』の公開
 テキストマイニングなどの分析ツールを活用するための「行政機関における情報分析ツール活用ガイド」を公開。
・2011年7月4日、経済産業省の電力データの公開
 『節電.go.jp』 http://setsuden.go.jp/
・2011年7月4日から7月31日、資源エネルギー庁の『節電スマートフォンアプリ大賞』
・2012年1月17日、「復旧・復興支援データベース」
 http://www.r-assistance.go.jp/
 政府の「生活再建ハンドブック」、「事業再建ハンドブック」をはじめ、岩手・宮城・福島など、510を網羅する支援制度情報が登録されており、日本初の省庁・自治体横断型サービス。
 提供されるデータを収集する際に、データの二次利用を認める扱いとすることを明示的に確認できるようにし、外部サービスで利用するためのAPIを提供。

3.その他「電子行政オープンデータ戦略」へ
・2012年1月31日、IT戦略本部
 「オープンガバメントに関するTF提言構成案」
・2012年7月、IT戦略本部決定の電子行政推進に関する基本方針
 『電子行政オープンデータ戦略』

 過去からのオープンガバメントを振り返ってみます。
○IT基本法
 2001年01月より「IT基本法」が施行されました。
・施策の基本方針
 1.世界最高水準の高度情報通信ネットワークの整備
 2.国民の教育・学習の振興及び専門的人材の育成
 3.規制の見直し、新たな準則の整備、消費者の保護を通じた電子商取引の促進
 4.行政の情報化の推進及び公共分野の情報化
 5.高度情報通信ネットワークの安全性の確保、個人情報の保護等
 6.研究開発の推進、成果の普及
・11条にて、電子自治体の実現が責務として謳われる。

○「e-JAPAN戦略」(以下、政府の情報戦略いろいろ)
 2001年03月に「e-JAPAN戦略」が公表されました。4つの戦略が謳われ、その一つが電子政府・電子自治体でした。

○電子政府・電子自治体と情報化
1.電子自治体、3つの情報化戦略
 1.顧客戦略     ・・・ 市民への行政サービス戦略
 2.パートナー戦略  ・・・ 市民との協働化(自助・共助・公助の実践)
               オープンガバメント!
 3.改革(商品)戦略 ・・・ 公文書の電子化
2.パートナー戦略、3つの情報化戦術
・情報民主主義 −> 電子公開、電子提供(広報)、電子相談(公聴)
 1.電子公開システム    ・・・ 公文書管理  −> オープンデータ
 2.電子広報・提供システム ・・・ Webサイト −> オープンデータ
 3.電子公聴・相談システム ・・・ SNS
3.改革(商品)戦略、3つのBPRと「文書管理システム」
 1.情報共有(ナレッジイノベーション)
 2.庶務事務システム
 3.文書管理システム
4.情報公開の電子化(電子公開)、「文書管理システム」3つの機能
 1.文書目録検索機能
 2.公開請求(電子申請)機能
 3.文書取得(電子交付)機能

 オープンガバメントの中核の制度は、やはり「情報公開法」です。
○情報公開法と公文書管理法
1.情報公開法
 2001年に施行された情報公開法は、国民が政府の施策に対して情報の開示を求めることができるようにした法律です。この法律は、政府、官僚側に対して「説明責任」を果たさなければならないという意識を植えつける意味でも重要な意味を持った。
 一方で大きな問題が持ち上がってきた。それは、「情報そのものが作られない」「情報を勝手に捨てて無かったことにする」という問題である。情報公開法はあくまでも「存在する公文書」に対する情報開示を求めるものである。つまり、実際の公文書がなければ、開示請求は意味をなさなくなるのです。

2.公文書管理法
 平成23年(2011年)04月に施行される。
・国民に対する説明責任
 「国民主権」ということから考える必要がある。国民が主権者であるということは、政府は国民から政治を委託されているという関係になる。そのため、政府の側は国民に対して、行った施策に対して説明責任を有することになる。
・未来に対する説明責任
  −> 国立公文書館(原則公開)
・理念
 この法律は、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。
 理念は素晴らしいが、以下のような課題も残る。
・「組織共用文書」という概念
 情報公開法の組織共用文書の定義を公文書管理法に適用することは
   ・・・ 正しい?
 「組織として共同利用した文書」ということは、
  −> 「決裁文書」だけ残っていれば問題ないという考え!
   ・・・ 途中の「政策過程」の文書は残ってこない!
・「記録保存型文書管理」の視点から文書管理を行うべき!
・公文書管理法の作成上で大きな問題は、
 「国立公文書館への公文書の移管が進まない」
 「公文書を勝手に各省庁が廃棄している」
 「移管したくないが故に勝手に保存年限を延長している」
ということが挙げられていた。

 地方自治体においても、「情報公開条例」の改正、「公文書管理条例」の制定が求められる。
 条例改正及び制定時には、以下の要件も考慮すべき。
 ・対象文書 不存在文書は? 政策過程文書は?
 ・請求権者 誰でも
 ・機械読取り可能な形式
 ・利用目的を問わず
 ・文書管理システムとの連動

 電子行政推進に関する基本方針(IT戦略本部、平成23年(2011年)08月03日)においては、以下のような理念が謳われている。
・オープンガバメント
(1)基本的考え方
 ・・・ 国民との情報共有化、政策形成過程の可視化
(2)行政情報の公開・提供
 ・・・ オープンデータ
(3)国民の意見の収集と政策形成過程への参加

 さて、情報公開制度、公文書管理制度にて、上記の理念が実行しうるのか?
 これらをクリアして初めてオープンガバメントそしてオープンデータ戦略も実行しうるのでしょう。 ・・・

平成25年03月28日

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