HOME > U+(ユープラス) > 電子自治体の行政情報化ニュース > 自治体IT革命の今日、明日 第211回 「2018年7つのICTトピックス、その1『働き方改革と業務効率改革』」

U+(ユープラス)

U+のTOPへ

電子自治体の行政情報化ニュース

コラムニストの一覧に戻る

自治体IT革命の今日、明日
第211回 「2018年7つのICTトピックス、その1『働き方改革と業務効率改革』」

2018/04/09

 新しい年度(平成30年度)に入りました。異動などであわただしいことと存じます。

 5日は24節気の「清明」です。“万物がすがすがしく明るく美しいころ。”と言われてます。

〇2018年7つのICTトピックス
 http://www.keyman.or.jp/at/it_topics_2018/
1.働き方改革
 労働人口の不足や、G7中最下位といわれる日本の生産性の低さ、長時間労働の是正の波を受けて働き方改革が叫ばれる。目的と取組み内容の違いがあり、特に小規模組織と大規模組織の二極化が目立つ。
2.改正個人情報保護法とGDPR対策
 匿名加工情報の流通、利活用が可能。自治体は情報開示請求を受けた時は、情報に匿名加工を施して開示の必要性がある。
3.Windows10導入など
 Windows7の利用は6割強存在。サポート終了は2020年1月。
4.セキュリティ対策
 セキュリティ対策もヒトとカネ
 大組織と小組織の二極化
5.業務効率改革(RPA導入など)
 働き方改革を実現する手段として業務効率化ツール(業務の自動化など)に注目。RPA、チャットボットなどが中心。
 ー> 浦安市税務部門 他
 −> 横浜市資源循環局(ゴミの分別案内チャットボット) 他
6.デジタル変革
 −> 官民データ活用推進基本法(2017/04)
     https://hjid.ext.hitachi.co.jp/cc/0nH57vs0xiRRiFFS2
 −> デジタル・ガバメント実行計画(2018年2月13日)
     https://hjid.ext.hitachi.co.jp/cc/0nH57vt0xiRRiFFS3
 CDO設置要請
7.AI活用
 1.「人間を超える知識量」からの最適解
 2.ビッグデータ解析に活用しイノベーションを!
 AlphaGo(囲碁)やPonanza(将棋)などエキスパートシステムの隆盛。「機械学習(マシンラーニング)」を活用し、手法の一つである「深層学習(ディープラーニング)」の技術を導入する。
 課題は、
 1.AIの活用とビジネス的視点の両方を持つ人材不足
 2.AIの活用のための体制・組織が未整備

 今月号からは、7つのICTトピックス中、下記4つのテーマについて話を進めます。
 1.働き方改革
 4.セキュリティ対策
 5.業務効率改革(RPA導入)
 7.AI活用

まずは、
〇働き方改革 ・・・ 1
「働き方改革関連法案」または「働き方改革一括法案」
 2018年の第196回国会に上程が見込まれ審議が行われている、8本の労働法改正案の総称、通称。政府が改正を目指す8つの労働法は、以下の通り。
 1.労働基準法
 2.雇用対策法
 3.労働安全衛生法
 4.労働者派遣法
 5.パートタイム労働法
 6.労働契約法
 7.労働者時間設定改善特措法
 8.じん肺法

・「働き方改革関連法案」の3つの柱
 1.時間外労働の罰則付きの上限規制
 2.同一賃金同一労働の導入
 3.高度プロフェッショナル制度(高プロ)

・「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」の要旨
1.働き方改革の総合的かつ継続的な推進(雇用対策法改正)
2.長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現等(労働基準法等改正)
(1)時間外労働の上限規制の導入
(2)長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策
(3)フレックスタイム制の見直し
(4)企画型裁量労働制の対象業務の追加 ・・・ ×
(5)高度プロフェッショナル制度の創設
(6)勤務間インターバル制度の普及促進(労働時間等設定改善法改正)
(7)産業医・産業保健機能の強化(労働安全衛生法・じん肺法改正)
3.雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
(1)不合理な待遇差を解消するための規定(パートタイム労働法・労働契約法改正)
(2)派遣先との均等・均衡待遇方式か労使協定方式かを選択(労働者派遣法の改正)
(3)労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
(4)行政による履行確保措置と裁判外紛争解決手続(行政 ADR)の整備

<参考1>
・「働き方改革」一括法案、高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設
・厚労省のデータねつ造(不正データ)
 −> 裁量労働制の対象を拡大する法案は断念
     企画業務型裁量労働制の対象業務に、
     (1)裁量的にPDCAを回す業務、
     (2)課題解決型の開発提案業務――の二つを追加予定でした。
<参考2>
○テーマ別・働き方改革成功事例
 https://bizhint.jp/report/98789
1.非正規雇用者の処遇改善
 イケア・ジャパン株式会社
 コストコホールセール・ジャパン株式会社
2.賃金引き上げや労働生産性の向上
 アステラス製薬株式会社
 東レ株式会社
3.時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正
 味の素株式会社
 日本電産株式会社
4.転職・再就職支援、人材育成、教育問題
 エヌビーエス株式会社
 増木工業株式会社
5.テレワーク、副業・兼業などの柔軟な働き方
 カルビー株式会社
 ジョブサポートパワー株式会社
6.女性・若者が活躍しやすい環境整備
 株式会社ふくや
 株式会社資生堂
7.高齢者の就業促進
 株式会社みずほフィナンシャルグループ
 本田技研工業株式会社
8.病気の治療と仕事の両立
 東京ラインプリンタ印刷株式会社
 株式会社サイバーエージェント
9.外国人材の受入れの問題
 株式会社リンク・ソリューション
 有限会社長沼製作所

 次に、
○業務効率改革(RPA導入など) ・・・ 5
 働き方改革を実現する手段として業務効率化ツール(業務の自動化など)に注目。RPA、チャットボットなどが中心。

 ー> 浦安市税務部門(税業務のRPA活用) ・・・ BPO&RPA
 −> 横浜市資源循環局(ゴミの分別案内にチャットボット活用)
    http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/

○RPA(Robotic Process Automation)
 異なるシステム間のデータ転記作業などを「ミスなく、素早く、正確に行う」ことに加え、「比較的低価格で導入できる」「システム化からあぶれた小粒の作業にも適用できる」ことなどが注目。

*業務効率化 調査結果サマリー
・全体の約 5割が業務の自動化をしたいと回答した
・定型業務あるいは半定型業務において、自動化の需要が大きい
・「業務を自動化したい」と答えた人の割合に比べ、実際に製品やサービスを導入している企業は少ない
・AI技術や RPA、チャット botといった製品やサービスが業務効率化の改善につながるかという問いに対し、約 6割が「まあまあ」と回答 。
・全体の約 5割が業務の自動化をしたい「業務の自動化に取り組む意思があるか」という問いに対し、「業務の一部分だけでも自動化したい」と答えた方は48.4%、 「できる限り業務を自動化したい」と答えた方は45.5%という数字を示した。
 自動化する範囲はどうであれ 9割以上の方が「業務を自動化したい」と考えていると分かる。

・自動化したい業務
「転記作業(Excelへの定型入力)」(63.3%)、
「社内文書(日報、報告書など)の作成業務」(50.1%)、
「請求書などの作成や発送業務」(47.5%)
「集計作業やオペレーション作業といったルーティン化できる業務を自動化したい」
などが多くの票を集めた。

*自治体関連の事例(実証実験含む)
 ・総務省、RPA活用で免許申請業務を自動化--入力作業などをロボットで置き換え
(総務省 18/03/29)
https://japan.zdnet.com/article/35116888/?tag=zdnw&utm_source=zdnet&utm_medium=newsletter&utm_campaign=newsletter
 ・自治体のRPA活用推進に向けた共同研究を開始
  〜つくば市でRPAの適用業務や効果を検証し、自治体での働き方改革の推進を目指す〜
https://www.jip.co.jp/news/20180111/
 ・浦安市税務部門(税業務のRPA活用) ・・・ BPO&RPA

○チャットボット
・クラウドベンダーによる自然言語認識AIサービスの提供。
 自然言語認識AIサービスは米アマゾン ウェブ サービス(Amazon Web Services、AWS)、
米マイクロソフト(Microsoft)、米 IBM、米グーグル(Google)などの主要なクラウド事業者が提供している。

*対話を行うロボットの歴史
・1960年代、 ELIZA(イライザ)は人間が入力するテキストに対して自動で回答を行うことができる簡易的なチャットボット
・マイクロソフトがOffice97のExcelに「オフィスアシスタント」と呼ばれるチャットボットが搭載されます。「カイル」という名前のイルカ
・2011年に「iPhone 4s」に搭載された「Siri」。Siriは人間が入力する音声に対して、回答をするスタイルのチャットボット
・2017年はAmazon、Google などがAIスピーカー

メリット
 1.カスタマーサポート業務の効率化
 2.顧客接点の増加
 3.検索疲れの抑制

*自治体関連の事例(実証実験含む)
 ・横浜市資源循環局(ゴミの分別案内チャットボット) 2017/08〜
     http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/
 ・川崎市・掛川市 「住民問合せ対応サービス」 2016/09〜
            音声認識+FAQDB
 ・大阪市 戸籍関連事務 「職員の知恵袋」  2017/秋〜
            2018/04〜 浪速区・東淀川区にてスタート

○その他AI
*自治体関連の事例(実証実験含む)
 ・千葉市 道路管理サービス(マイシティレポート) 2017/02〜2019/03
       公共インフラの点検・管理
 ・さいたま市 「保育施設割り振り」   2017夏
       30人*50時間 −> 数秒!

 今後の大きなテーマとなるであろうAI技術は、働き方改革そして業務効率化に大きく貢献するでしょう。次回以降もこのテーマを続けます。

平成30年04月05日

上記のコラム購読のご希望の方は、右記の登録ボタンよりお申込みください。

登録はこちらから