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自治体IT革命の今日、明日
第223回 「IoT、ビッグデータ&AI、その3『IoT、生活の4大変化と変わる産業構造』」

2019/04/08

 4月5日は24節気の「清明」でした。“万物がけがれなく清らかで生き生きしているという意味。花が咲き、鳥は歌い、空は青く澄み、爽やかな風が吹き、すべてのものが春の息吹を謳歌する頃。各地でお花見シーズンを迎えます。”

(前回より)
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〇自治体戦略2040構想研究会の報告書
◎IoT、ビッグデータ&AI、その1『IoTとは!?』」
〇技術分野のトレンドマップ
 縦軸「将来性」が高い技術
  =AI、IoT、ブロックチェーンなど
 横軸「現時点での経済インパクト」が高い技術
=スマートフォン、クラウド、AI

 出典
“日経クロストレンド「トレンドマップ 2018夏」を発表 AI、デザイン思考、シェアリングサービスなどの将来性を評価”
日経BP社 https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20180808/(参照 2019-02-07)

 一番上にあるのは「AI」。将来性スコアは4.70となった。研究開発はディープラーニングの登場で一気に進み、ビジネス面でも画像認識技術を用いた分類や異常検知などが実用段階に入ったため、経済インパクトスコアも4.40と高く評価されている。
 「IoT・AIの活用が進展することによる市場規模(実質GDP)の押し上げ効果は2030年で132兆円」との予測もある。
〇2019年のIoT分野の予測
・インテリジェントホームが主流に
・どこにでも配達が可能に
・医療サービスの充実
・スマートシティーの実現で、収益や市民生活が向上
・効率化の進むスマートビルディング
〇IoTとは? IoTの本質を15の図で学ぶ!
 https://xera.jp/entry/iot
1.IoTとは?
  読み方は「アイ・オー・ティー」、意味は「IoT = PtoP × M2M」
2.2020年のIoT市場を読み解く3つの数字
 1.市場成長率:年率30%
 2.市場規模:3兆ドル
 3.デバイス数:208億個
3.IoTが注目されている3つの背景
 背景1.【技術】アイテムが小さく・安くなった
 背景2.【市場】既存のICT市場が成熟し飽和状態
 背景3.【社会】設備も人も老朽化・高齢化
4.IoTを構成する4要素
 1.デバイス
 2.各種モジュール(センサー、メーター、ビーコン)
 3.アプリケーション
 4.ネットワーク
5.IoT発展の鍵を握る2つの無線技術
 無線技術1. 無限にIoT化されるモノを同時接続できる「5G」
 無線技術2. バッテリー寿命を長く保ち、遠くまでデータが届く「LPWA」
6.IoTの二類型「クローズIoT」と「オープンIoT」
 企業内で完結する「クローズIoT」
 近年のIoT「スマートハウス」はまだまだ序章
 全てのモノが繋がり、誰でも自由に利用できる「オープンIoT」
7.「IoT」と「AI」「ビッグデータ」の関係性
8.IoTが抱える主要3課題
 課題1.【プライバシーの課題】データの所有権は誰のもの?
 課題2.【法律の課題】データの使用権は誰のもの?
 課題3.【責任所在の課題】3Dプリンタ製品で怪我したら?
9.IoT活用事例10選
10.IoT社会の未来の1日
11.まとめ:IoTが実現してくれる未来は明るいか?
〇IoT活用事例
【ウェアラブル】服につけるだけで心拍数・筋肉・体温がわかる −> Apple
 http://www.hitoe-toray.com/
【ウェアラブル】血糖値を管理できるコンタクトレンズ −> Google
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO09596110W6A111C1000000/
【スポーツ】加速度センサー付きのサッカーボールで「キックスピード」「回
転数」「飛行軌道データ」等を可視化
【ライフスタイル】加速度センサー付きのベッドでパートナーの浮気を検知し
スマホで通知
【スマートシティ】自動販売機を監視カメラ化 地域の防犯・防災強化
 http://jaoc.jp/examples/
【スマートシティ】駐車場の空き情報を教えてくれてる「Streetline」
【介護】加速度センサーでドアの開閉を検知 高齢者の安否確認も可能
 https://iotnews.jp/archives/50982
【医療】遠隔地とつながる医療現場
 http://sk-kumamoto.jp/expert_blog/2012/12/-3d-3d-10-3.html
【農業】レーダー付きドローンで農薬が必要な箇所を自動認識&散布
 https://www.dji.com/jp/mg-1s
【自動運転車】ドライバーレスな社会
 https://iotnews.jp/archives/53200
◎IoT、ビッグデータ&AI、その2『IoT、4つのキーワード』」
〇IoT、4つのキーワード
(「IoTビジネス入門」 20p〜)
1.センサー:モノから情報を収集する
 「センサー」には、温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、人感センサー、音声を取得するもの、静止画や動画を取得するものなど様々な種類があります。これらによって、モノから情報を取得することがIoTのスタートです。
*IoT無線タグ:センサーの無線化
 IoTでは主にモノにワイヤレスセンサー、例えば小型のコイン型電池を使用した「ワイヤレスタグ」を装着することによりネットワークに接続する。
タグに搭載されたセンサーによりモノの状態を知ることができる。
 IoT無線タグは小型、省電力で電池が長持ち、十分な通信距離が要件とされる。
*IoTの実現に適した無線方式
 長距離ナローバンドのLPWA(Low Power, Wide Area)は通信速度を極限まで落として長距離通信を実現したものでNB-IoT、LoRaWAN、SIGFOX等の通信規格がある。
 −> 10年、10km
2.クラウド:インターネットを経由してデータを蓄積する
 インターネット上にはサーバというコンピューターがあり、クラウドとは、これ全体を指す概念。クラウド上にデータを保存しているため、パソコン、スマホなど様々な機器で情報を出し入れできる。
3.人工知能(AI):クラウドに蓄積されたデータを分析する
4.アクチュエーション:モノがヒトにフィードバックする
 モノから得た情報を分析して、モノが作動してヒトに最適なフィードバックをすることである。
 分析結果に応じた情報がスマートフォンに表示される、分析結果に応じてモノが動作する(温度、湿度、外気温などの情報を分析し、エアコンが最適な状態を保つなど)といったことが挙げられます。
*IoTにおける3種類のアクチュエーション
(「IoTビジネス入門」 31p)

・モノへのアクチュエーションやヒトへのフィードバックまでを考え、どういう社会問題を解決するか、誰の課題を解決するかを考える必要がある。
〇IoTと生活の4大変化
 インターネット社会では、Googleの検索窓が入り口となる。が、IoT社会では、モノが入り口となる。
*モノが「つながる」メリット
 −> IoT社会の入り口は、Googleから「モノ」へ  ・・・  <参考>
1.IoTで変わる家ナカ
 −> インテリジェントホーム
2.IoTで変わるクルマと社会
 −> 自動運転、どこにでも配送が可能
3.IoTで変わる医療とヘルスケア
 −> 遠隔地とつながる医療現場
4.高齢化社会とIoT
 −> 介護・見守り
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(以上)

◎IoT、ビッグデータ&AI、
     その3『IoT、生活の4大変化と変わる産業構造』」
(参照 「IoTビジネス入門」小泉耕二著、「世界をつなぐ100の技術」日経BP)

◎IoTと生活の4大変化
1.IoTで変わる家ナカ
〇ペット用の自動給餌器
 スマートフォンとWiーFiを連携させ、外出先からでも、適した時間帯にペットに自動で水や餌をやることが可能。獣医師監修の元、餌の適量を指示してくれたり、ペットが餌を残すと健康状態の異常と判断し、飼い主に通知してくれる。
〇カメラがインターネットと繋がっており、部屋の中の様子をスマホやタブレットに通知。
 顔認証センサーが付いているものもあり、対象となる家族を設定することができる。外出中でも、家族に異常がないか確認することが可能。
 似たようなシステムで、防犯カメラもあり、家族以外の人間を認識すると、スマホやタブレットに通知がくるというもの。より一層暮らしやすい家づくりに、IoTが活躍している。
〇IoTで離れたモノを操作
 エアコンの電源を入切する。照明の制御をする。
 IoTで照明機器やエアコン、ヘルスケア機器やその他の家電をインターネットに接続したり、給湯器、風呂釜などの家電以外の機器の状態モニターやリモコン制御等をすることも可能。更に工場内、ビル内、店舗内、病院内、学校内や屋外等あらゆる場所に設置された様々なセンサーの情報を取得することも可能。

<参考>

・アドレス空間
Ipv4:32ビット、43億個アドレス
Ipv6:128ビット、340澗(かん)約340兆×1兆×1兆個
・日本の標準世帯では、家庭内のモノの数は、1600個と言われている。全てのモノを識別するには、
 1600個/世帯 * 4900万世帯 = 784億個!
784億個のセンサーが必要である。
 Ipv4での43億個アドレス空間では不足する。自ずと、Ipv6の世界が必要とされる。

2.IoTで変わるクルマと社会
〇自動車のIoT化
 世界の自動車メーカーが「自動運転可能な自家用車」の実用化を急いでいる。
センサーを搭載した自動車が、「走る」や「止まる」の動作を、自動で行うというもの。
すでに、自動ブレーキを搭載した自家用車の実用化は進んでいるが、それこそが自動車のIoT化の始まりともいえる。
〇車×IoT 自動運転システム
 今注目を浴びている自動運転システムもIoTによって展開されている。
IoTと聞くと、身近なモノとして家電など小型な物を想像する方もいるかもしれない。
でも、確かに車の製造において、IoTは今やなくてはならないものとして開発が進められている。
〇バス・地下鉄×運行状況
 京都市のバス会社や東急バス、東京メトロ
バスや電車にIoT導入のための装置を設置することで、利用客はいつでもリアルタイムでバスや地下鉄などの運行状況を知ることができる。
 天候や事故などによる遅延はもちろんのこと、乗り過ごしや乗り遅れなどに合った場合にも、すぐに次の電車やバスを探すこともできる。また、乗り継ぎなどにも便利なサービスと言える。
〇農業×自動システム
 ある果樹園では作物の管理のために、IoTを活用している。
 設置したセンサーから気温や湿度、土の状態など様々なデータを収集することができ、そのデータを元に作物の管理に役立てている。
 IoTの導入によって、水や肥料やりや土の状態や日光の量などによって与えるタイミングも自動システム化している。これにより、高齢化している農家の人たちの負担を減らし、作業効率をアップさせることができる。
〇除雪車の自動運転(衛星測位システム「みちびき」利用)

3.IoTで変わる医療とヘルスケア
〇Apple×IoT 体調管理
 「Apple Watch(アップルウォッチ)」。液晶画面の腕時計というだけでも世界中に大きな衝撃を与えたが、その機能は驚くべきものである。
 機能の1つに、腕時計という枠組みを大きく外れた体調管理をできる機能が挙げられる。腕時計に搭載されたセンサーによって、体温や心拍、睡眠状態などをデータ収集してくれる。
〇Google×IoT 血糖値の管理
 Google社ではなんと!「血糖値の管理が可能なコンタクトレンズ」を開発することが発表されている。
 涙腺から分泌された涙の成分に含まれる血糖値を測定でき、糖尿病を患っている人の体調管理に役立てることができる。また、コンタクトレンズにカメラを搭載させるといった特許を申請する企業もある。
〇初期診断の「Clinic Cloud」

 体温計、聴診器、発心の撮影など様々な情報をセンシングし、初期診断を実施する。必要に応じて医師がインターネット診断。

4.高齢化社会とIoT
〇高齢者×IoT 安否確認
 一人暮らしの高齢者の生活に役立つモノがサービスとして展開されてきている。
 コーヒーメーカーやポットなど使用する度に、そのデータが離れて住む家族の元に送信される。コーヒーやお茶を飲む行動の回数などを家族が確認できることで、高齢者を遠く離れた場所からも安否などが確認できる。
〇IoTで介護、見守り
「ココファン藤沢SST」(サービス付き高齢者向け住宅)

 IoTで離床を確認する。
 IoTでドアの開閉を確認する。
 IoTで室内の温湿度を確認する。
 IoTで落下や転倒を確認する。

◎IoTで変わる産業構造
1.進むセンシング技術の向上
〇マルチコプターによる点検
〇壁面を移動する点検ロボット

平成31年04月04日

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