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自治体IT革命の今日、明日
第231回 「ブロックチェーン、その1『ブロックチェーンとは』」

2019/12/02

 12月「師走」、7日は24節気の「大雪」です。
“山の峰々は雪をかぶり、平地にも雪が降る頃です。本格的な冬の到来で、動物たちも冬ごもりを始めます。年末に向け、お正月の準備も始まって、何かとあわただしい時期でもあります。” ・・・ (暮らしの歳時記より)
(暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/index.html

 「ブロックチェーン国家」と言われるエストニアは、2007年のサイバー攻撃をきっかけに「データの完全性」を国家の存在価値と位置づけました。2011年に「KSIブロックチェーン」を導入、一秒ごとにデータの完全性を証明するしくみとした。
 今回から、ブロックチェーンをテーマにお話を続けます。

(以前より)
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(以前略)
 6.データの完全性(KSIブロックチェーン技術)
5.「ブロックチェーン国家」と呼ばれる理由
・2007年のサイバー攻撃
  −> データの完全性
・2011年(ガードタイム(2007年設立)社提供)
  ブロックチェーン導入(KSIブロックチェーン)
  −> 「1秒ごとにデータの完全性を証明」
6.データとは誰のものなのか
・GDPR(一般データ保護規則)(2018年5月25日施行)
・データ個人主権
7.テクノロジーを使いこなし自由に生きる
(以降略)
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(以上)

・インターネットに次ぐIT革命
 ブロックチェーンという共通の台帳をネットワークの参加者全体で管理するシステムは、インターネットに次ぐIT革命であると言われており、世界中に大きなインパクトをもたらしている。

〇ブロックチェーン
 ブロックチェーンとは、P2P方式の通信によって繋がるネットワークの参加者たちが、共通の台帳を管理することで、様々な取引を実現する仕組みです。
一定時間毎にトランザクション(取引)をネットワーク上に書き込み、一塊のデータとして承認する。トランザクションにいくつかの必要事項を追加したデータの一塊が、ブロックチェーンにおけるブロックです。ブロックの中のデータはハッシュ化と呼ばれる操作を加えられ、その結果であるハッシュ値という形で次のブロックに継承されます。すべてのブロックのハッシュ値が次のブロックへのハッシュ値へと継承されていくため、どのブロックも最終的にはジェネシスブロックと呼ばれる一番最初に生成されたブロックまでの情報を有していることになります。データの塊であるブロックがハッシュ値によってチェーンのようにつながっていくため、ブロックチェーンという名前がつけられました。

 ブロックチェーン上に書き込まれたデータは特定の1つのサーバーではなく、ネットワークに参加するすべての人のデバイスに存在します。そのため、特定の誰かがデータを操作することはできません。データに関する権限がネットワークの参加者全員に平等に存在するのです。これがブロックチェーンが自立分散的な技術であると言われる所以であり、ブロックチェーンのセキュリティ、非改ざん性を担保しています。
 特定の管理者を必要としないブロックチェーン上でのやり取りは、ネットワークの参加者全体によって検証されます。ブロックチェーン上でのやり取りは、特定の誰かを信頼する必要がなく、トラストレスなやり取りであると言われています。
 共通の台帳管理によってやり取りを記録していくブロックチェーンは、価値の移転、価値の記録、自立分散的なアプリケーションなどといった、複数の分野に応用され得ると、仮想通貨に限らず様々な応用法が検討されています。

〇ブロックチェーンでセキュリティが担保される仕組み
・ハッシュ関数
 ブロックチェーンを繋いでいくハッシュ化という操作があります。実はこのハッシュ化がブロックチェーンの改ざんを防いでいるのです。ハッシュ化には、入力される情報が少しでも異なると出力される暗号が全く異なったものになるという性質があります。ブロックのハッシュ値には過去のトランザクションの全てが組み込まれているので、もし過去の一時点におけるトランザクションの情報を操作すると、その後全てのブロックにおけるハッシュ値と辻褄が合わなくなります。このような仕組みを用いてブロックチェーンは改ざんを防いでいます。

・公開鍵暗号方式
 この仕組を成立させるための技術が秘密鍵と公開鍵という暗号方式です。これらは、公開鍵によって変換された暗号はそのペアとなる秘密鍵によってのみ解読できるという性質を持っています。AさんからBさんに送金する場合は、AさんがBさんの公開鍵を使って暗号化することで、Bさんにしか使用できないトランザクションを生み出しているのです。こうして、トランザクションを他者が不正に利用できない仕組みが成立しています。

令和元年11月28日

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