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自治体IT革命の今日、明日
第237回 「IoT、AI&5G、その3『5G(第5世代移動通信システム)』」

2020/06/01

 6月「水無月」。5日は24節気の「芒種」です。
 「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、稲などの穀物の種をまく時期という意味です。田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期。梅雨入りも間近で少し蒸し暑くなってくる頃です。 ・・・ 暮らしの歳時記より ・・・

(前回より)
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〇技術分野のトレンドマップ
<2019/02調査>
〇技術マップ
・縦軸「将来性」が高い技術 =
  5G、AI、キャッシュレス決済、IoTなど
・横軸「現時点での経済インパクト」が高い技術 =
  スマートフォン、クラウド、AI、IoTなど

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以下「IoTとは?今さら聞けないIoTの本質を15の図でスッキリ学ぼう!」より抜粋編集
  https://xera.jp/entry/iot
〇IoTとは?
1.IoTとは?
 「IoT = PtoP × M2M」
2.2020年のIoT市場 3つの数字
 1.市場成長率:年率30%
 2.市場規模:3兆ドル
 3.デバイス数:208億個
3.IoT 3つの背景
 1.【技術】アイテムが小さく・安くなった
 2.【市場】既存のICT市場が成熟し飽和状態
 3.【社会】設備も人も老朽化・高齢化
4.IoT 構成する4要素
 1.デバイス
 2.各種モジュール(センサー、メーター、ビーコン)
 3.アプリケーション
 4.ネットワーク
5.IoT 2つの無線技術
 1. 無限にIoT化されるモノを同時接続できる「5G」
 2. バッテリー寿命を長く保ち、遠くまでデータが届く「LPWA」
6.IoT 二類型「クローズIoT」と「オープンIoT」
 企業内で完結する「クローズIoT」
 全てのモノが繋がり、誰でも自由に利用できる「オープンIoT」
7.「IoT」と「AI」「ビッグデータ」の関係性
8.IoTが抱える主要3課題
 1.【プライバシーの課題】データの所有権は誰のもの?
 2.【法律の課題】データの使用権は誰のもの?
 3.【責任所在の課題】3Dプリンタ製品で怪我したら?
〇IoT、4つのキーワード
1.センサー:モノから情報を「収集」する
 「センサー」には、温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、人感センサー、音声を取得するもの、静止画や動画を取得するものなど様々な種類があります。これらによって、モノから情報を取得することがIoTのスタートです。
*IoT無線タグ:センサーの無線化
 IoTでは主にモノにワイヤレスセンサー、例えば小型のコイン型電池を使用した「ワイヤレスタグ」を装着することによりネットワークに接続する。
タグに搭載されたセンサーによりモノの状態を知ることができる。
 IoT無線タグは小型、省電力で電池が長持ち、十分な通信距離が要件とされる。
*IoTの実現に適した無線方式
 長距離ナローバンドのLPWA(Low Power, Wide Area)は通信速度を極限まで落として長距離通信を実現したものでNB-IoT、LoRaWAN、SIGFOX等の通信規格がある。
 −> 10年、10km
2.クラウド:インターネットを経由してデータを「蓄積」する
 インターネット上にはサーバというコンピューターがあり、クラウドとは、これ全体を指す概念。クラウド上にデータを保存しているため、パソコン、スマホなど様々な機器で情報を出し入れできる。
3.人工知能(AI):クラウドに蓄積されたデータを「分析」する
4.アクチュエーション:モノがヒトに「フィードバック」する
 モノから得た情報を分析して、モノが作動してヒトに最適なフィードバックをすることである。
 分析結果に応じた情報がスマートフォンに表示される、分析結果に応じてモノが動作する(温度、湿度、外気温などの情報を分析し、エアコンが最適な状態を保つなど)といったことが挙げられます。
〇IoT、生活の4大変化
 インターネット社会では、Googleの検索窓が入り口となる。が、IoT社会では、モノが入り口となる。
*モノが「つながる」メリット
 −> IoT社会の入り口は、Googleから「モノ」へ
1.IoTで変わる「家ナカ」
 −> インテリジェントホーム
2.IoTで変わる「クルマと社会」
 −> 自動運転、どこにでも配送が可能
3.IoTで変わる「医療とヘルスケア」
 −> 遠隔地とつながる医療現場
4.IoTと「高齢化社会」
 −> 介護・見守り
◎「IoT、AI&5G、その2『公共IoT −地域を創るIoT投資−』」
〇公共IoT −地域を創るIoT投資−
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 日本の成長基盤となるSociety5.0
 公共IoT:Society5.0の地域モデル
 井熊均、井上岳一、木通秀樹 著
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〇Society5.0
・AI・IoTで先行する米国
  GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)
・追随する中国
  BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)&ファーウェイ
・インダストリー4.0で存在感を示す独国
・日本 第4次産業革命技術がもたらす変化/新たな展開
 日本再興戦略(2015年)
  ー>「未来投資戦略2017」 = Society5.0
   −>「未来投資戦略2018」 5つの戦略分野
    1.「生活」「産業」が変わる
    2.経済活動の「糧」が変わる
    3.「行政」「インフラ」が変わる
    4.「地域」「コミュニティ」「中小企業」が変わる
    5.「人材」が変わる
〇第4次産業革命技術がもたらす変化/新たな展開
1.「生活」「産業」が変わる
  ・自動化
  ・遠隔・リアルタイム化
2.経済活動の「糧」が変わる
  ・エネルギー・ファイナンス 弱み克服
  ・良質な「リアルデータ」
3.「行政」「インフラ」が変わる
  ・アナログ行政から決別
  ・インフラ管理コストの劇的改善
4.「地域」「コミュニティ」「中小企業」が変わる
  ・地域の利便性向上
  ・町工場も世界とつながる
5.「人材」が変わる
  ・AI・ロボットが肩代わり
  ・働き方改革
〇革新技術社会 Society5.0
1.狩猟社会   Society1.0
2.農耕社会   Society2.0
3.工業社会   Society3.0
4.情報社会   Society4.0
5.革新技術社会 Society5.0
〇公共IoTの投資モデル
1.教育
*義務教育コスト 約10兆円(内人件費 4.5兆円)
  −> IoT活用により30%の効率化
   −> 経済効果は、 1.2兆円
*1学校への投資額 2200万円
  −> 30000校への投資額は、7000億円
*投資効果 5000億円
2.介護サービス
*ケアマネージャー60万人の人件費  2.4兆円
  −> IoT活用により25%の効率化
   −> 経済効果は、 6000億円
*高齢者100万人への投資額 * 16万円、
 ケアマネージャー60万人への投資額 * 20万円
  −> 合計の投資額は、3000億円
*投資効果 3000億円
3.地域医療
*茨城県並みの医療費へ、30.7万円* 1.3億人 = 4.7兆円 の削減効果
 医療関係者の人件費20兆円
  −>20%の効率化 −>5兆円 の削減効果
   −> 合計の経済効果は、 約9.5兆円
*通院頻度の高い患者1000万人*22万円、
 健康意識のある人6000万人*9万円
  −> 合計の投資額は、 2.1兆円
*投資効果  7.4兆円
4.防災     略
5.上水道    〃
6.廃棄物    〃
7.インフラ管理 〃
8.施設運営   〃
9.農業     〃
10.観光サービス 〃
*IoT投資の効果とコスト(単位 億円)

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(以上)

〇5G(第5世代移動通信システム)
 5Gは、10Gbpsを超える「高速・大容量」に加え、通信の遅れは1000分の1秒と限りなくリアルタイムに近い「低遅延」、それが1平方キロメートル当たり100万台以上の端末に「多接続」できるようになる。4Gがスマートフォンの時代とすれば、5GはあらゆるモノがつながるIoTの時代とみられている。

〇概要
 3G時代から移動体通信の標準化を行っていた3GPPではRelease15以降に5Gの仕様を含めている。
 Release15は2018年6月に要求を確定し、2019年10月頃に細部を含めた仕様が確定した。Release16は2019年末の要求の確定を目指している。
 導入は、6GHz以下の周波数帯を使って、LTE/LTE-Advancedと互換性を維持しつつ、6GHzを超えた帯域を使って、新しい無線通信方式を導入、基地局に計算資源を備えることにより、端末に近い場所で処理する事で、センターのサーバーへ伝送するデータ量を低減して、遅延を減らす「モバイルエッジコンピューティング」の導入などが想定される。
 5Gでは、急増し続ける通信トラフィックへの対応が課題となっており、無線周波数帯の確保が重要視される。また、通信スピードの大容量化のためにより高い周波数帯を用いる予定であるため、マイクロ波の採用により、電波の直進性が極超短波より高まることから、携帯電話基地局の影では電波が届きにくくなり、多数の携帯電話小型基地局(マイクロセル)を数十メートル単位で設置する必要がある。
・状況
 日本国内では、2014年(平成26年)09月に、企業74社や専門家14人で構成される「第5世代モバイル推進フォーラム (5GMF The Fifth Generation Mobile Communications Promotion Forum)」が設立され、5Gの技術開発や標準化に取り組んでいる。

〇5Gの要求条件
 〜高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性などを検討
 https://5gmf.jp/about-5g/

 既に複数の5G研究団体、学会、移動通信関係各社で5Gのユースケースや要求条件が検討されており、白書として数多く発表されている。5G関係者の多大なる尽力により、複数の5G研究団体間で、大枠としてほぼ共通のユースケースと要求条件が見いだされるに至っている。

(1)高速・大容量化 ・・・ 10Gbps以上の速度
 現在、LTEの普及が世界的に進み、LTE-Advancedの導入も一部地域で開始されている。これらシステムにより、移動通信システムの高速化、大容量化が図られ、スマートフォンの普及に伴うトラヒックの増加に対しても、当面はユーザーニーズを満たすことができると考えられる。しかしながら2020年代を考えた場合に、ウェアラブルデバイスの本格的な普及や4K/8K動画に代表される動画コンテンツの大容量化、娯楽や宣伝のみならず、セキュリティ、医療、教育も含め、高精細静止画・動画コンテンツのニーズはより一層高まると予想される。これらのユースケースを想定すると、2020年代のトラヒック量は、2010年のトラヒック量から1000倍に増加すると予想されており、5Gシステム容量はこれをサポートすることが大容量化の要求条件となっている。また、これらの大容量コンテンツをユーザーが快適に利用できるようにするために、高速化の要求条件は10Gbps以上の速度を達成することが要求条件となっている。

(2)超多数端末接続 ・・・ 100倍以上の端末接続
 現在、人と人の通信やサーバー上のコンテンツを人が利用する人と物の通信が主要な通信形態であるが、IoTやM2M(Machine to Machine)通信に代表される、物対物の通信に対する期待が高まっている。
・電力・ガスなどのメーターに対する通信モジュールの設置
は現在、普及段階にあり、
・農業、畜産業、建築物に対するセンサーの設置
に対する要求も高まっている。
2020年代には、これらの普及がより一層進むと考えられ、さらに、多種多様なものに通信モジュールを設置することで、ユーザーに対する利便性の向上、セキュリティ向上、コスト削減などの効果が期待できる。
・自動車や電車などの輸送機器に対する移動通信
の期待は高く、自動運転含むドライバーのサポートや、娯楽、安全性の向上等のユースケースがよりいっそう重要視される。
・家電や家屋、オフィスに対する遠隔制御やセキュリティ確保
もより普及すると考えられる。また、
・ウェアラブル端末のような人に対する通信手段
も多様化すると考えられる。眼鏡型端末が代表例としてあげられるが、2020年代には触感通信も実用化されると考えられており、触感を利用したサービスの普及も予想される。また、ヘルスケアのために衣類などにセンサーと通信機能をもつデバイスを設置するというようなユースケースも考慮されている。
 これらユースケースの多様化を考慮すると、現状と比較して極めて多くの端末が存在すると考えられており、5Gに向けては現状の100倍以上の端末接続をサポートすることが要求されている。

(3)超低遅延、超高信頼性 ・・・ 1ミリ秒以下、99.999%の信頼性
 LTE / LTE-Advancedにおいても、数十ミリ秒程度の低伝送遅延を実現できているが、2020年代に向けては、触感通信など、ユースケースによってはさらなる低遅延が要求される。さらに、低遅延かつ高信頼性が求められるユースケースも挙げられている。
・車対車通信による事故回避
・ロボットの遠隔制御等
が高信頼性のユースケースとして挙げられている。
これらのユースケースを踏まえ、遅延に関してはend-to-endでミリ秒オーダーの低遅延が要求され、特に無線区間においては1ミリ秒以下の伝送遅延が要求される。更に高信頼性に関しては、99.999パーセントの信頼性が求められる。
 ただし、これら低遅延、高信頼性の実現を常にどこでも実現することは、技術的には可能であっても、ネットワーク構築費用的には非現実的であり、特定のユースケースでのみ実現可能とする等の考慮が必要とされている。

(4)省電力化、低コスト化
 省電力化の要求はあらゆる産業や社会に於いて重要視されており、ICT産業に於いても例外ではない。ICT産業の発展に伴い、ICT産業のしめる電力消費の割合は増加傾向にあり、無視できない状況である。更に通信事業者のシステム運用のコスト低減のためにも、省電力化は非常に重要な要求条件となっている。
 低コスト化については、過去あらゆる世代の移動通信システムで定性的な要求条件として考慮されており、5Gに向けても重視する必要がある。特に、トラヒックの延びが顕著な現状において、通信事業者の収入増加は逆に鈍化傾向にあり、5Gに向けてはより一層の低コスト化が求められる。
 現段階で、省電力化および低コスト化に関する要求条件として、その定義の仕方とともに具体的な要求条件の数値が世界的に明確になってはいないが、省電力化および低コスト化は5Gの重要な要求条件として考慮されている。

・5G無線技術
 〜高周波数帯の利用や超多素子アンテナ技術が有力候補に
(1)高周波数帯の活用
(2)超多素子アンテナ技術
・5Gモバイルネットワーク技術
 〜ネットワークのソフトウェア化を中心に検討

2020年05月28日

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