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第269回 大地震の前触れ(?)におびえる

2012/03/05

3.11から丸1年が経過しようとしているが、最近の地震の頻発を思うと、あの悲惨な災害は、そこからの復旧や復興を目指す過去の出来事ではない。近い将来に再現する光景かもしれない。最近の地震を東日本大地震の余震だとは考えられなくなってきたからである。次の大地震の前触れに思えてならないのである。情報関係者の準備としては、首都圏に集中しているデータセンターや情報拠点のバックアップ体制の構築を猛スピードで推進しなければならないだろう。

東京で感じる最近の地震の震源地は千葉県、それも房総沖だけでなく、千葉県内陸部にまで広がっている。今後、予想される首都直下型大地震の震源域である。富士山の直下を震源にする地震も頻発している。まだ、震源はかなり深いので、噴火につながるような火山性の地震とは違っているが、震源が上昇してくるようならば、緊急事態である。新幹線や東名高速、東海道などの大動脈が使用不能になるような被害を伴うだろう。

東日本の経済、行政機構がマヒした場合に、ただちに西日本でその機能を代替しなければならないが、その機能の中で重要なものの一つが情報通信である。速やかに西日本で代替機能が動き出す体制を構築してもらいたい。

企業も同じである。東日本の本社機能がマヒしても、西日本や北海道でその機能を代替できるようにしなければならないし、最も重要な情報機能を複数化して、ただちに代替が機能し始めるように仕組みを作り上げておかなければならない。

余分な支出を伴うことは確かである。短期の業績を良くする上では、なるべく避けたいところだが、5年単位、おそらくもっと短く3年単位で考えれば、バックアップのコストは安かった、と実感するに違いない。短期の業績という「部分最適」を追うばかりに、長期の利益という「全体最適」を見失ってはならない。3.11以来、痛感してきたBCPの仕組みづくりに、本気で、急いで、取り組むべきだ。

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