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第291回 汎用機と専用機の競合

2013/01/21

様々な機能を一台の装置に取り込む汎用機と単一の目的のために効率的に設計された専用機〜〜どちらにも一長一短があるので、興亡、盛衰が繰り返される。現在、IT分野では多目的型の汎用機である「スマート端末」がデジタル専用機の分野を侵食し、一挙に製品地図を塗り替えつつある。

つまり、スマホやスマートタブレットである。スマホは、「スマートフォン」というので本来は電話機。それに他の機能がどっさりと追加されて、「フォン」の機能はワン・オブ・ゼムに後退してしまって、多機能を意味する「スマート」が商品の魅力になった。領域を侵食されつつあるジャンルは、実はすでに携帯電話の多機能化で領域を失いつつあった商品だ。

代表的なのがデジカメ。携帯電話のカメラ機能は、当初は画素数が少なくて画質が悪かったが、急速に改良されて競争力を持ったばかりでなく、そのまま通信で相手に送れるという便利さがあって、圧倒的にデジカメを追い込んだ。しかしスマホでは、さらにツイッターやフェースブックにそのまま投稿しやすいメリットがあって、デジカメの寿命を縮めた。後は列挙してゆくと、会議や会話の記録をとるICレコーダー、携帯型音楽プレーヤー、ワンセグテレビ受像機、電子辞書、ゲーム機、さらにGPSと連動したデジタル地図やカーナビゲーションもターゲットに入ってきた。市場がようやく開き始めた電子書籍リーダーもスマホに市場を奪われそうだ。

かつて、パソコンがソフトを変えれば、さまざまな機能をもつ汎用機として登場したが、日本では一時期、使い勝手が上回る専用のゲーム機、専用の日本語ワードプロセッサーが登場して、ある程度の市場を築いた。しかし、インターネットが登場すると、パソコンの方の適応性が高く、日本語ワープロは一挙に衰退した。ゲーム機はインターネットとは特色の違うソフトを投入して生き延びてきたが、スマホがゲームアプリを取り込んだことでその寿命にも陰りがみえている。今回は専用機を凌駕して汎用製品が市場を獲得しそうだ。

この汎用製品の一角を崩す専用機は出て来ないものか。それを発掘すれば、市場はまた、別の活況を呈することができるのだが。

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