HOME > U+(ユープラス) > 奇論・暴論 > 第314回 フリー無線LANの時代
2013/12/09
先日出張で沖縄に出向いた。まず、那覇市でびっくりしたのは、那覇市全域のフリー無線LANサービスである。無料でWIFIが使えるのである。パスワードは「78787878(那覇那覇那覇那覇)」と覚えやすい。送信も受信もサクサクと動いた。感動である。
さらにびっくりしたのは、北部、基地移転で話題の辺野古の対岸にあるリゾートホテル「カヌチャベイ」の無線環境である。カヌチャの白石社長によると、80万坪のリゾート地域の半分、40万坪をカバーして無線LANの電波を飛ばすインフラを整えたそうだ。目的は、アジア地域からの観光客を迎える装備である。もちろん無料で使える。
沖縄には中国、台湾、韓国、タイなどからの観光客が急増しているが、そのほとんどが当たり前のようにスマホを持って来ている。国際ローミングでは料金が高いが、無線でインターネットにつなげば、原則は追加料金なしでネットにつながる。サービスが展開されている地域なら、LINEも使って通信コストは大幅に節約できる。
日本よりも、アジア地域はスマホ利用が浸透している。内地からの観光客の要求とは違う無線LANの要求に応じて無線LAN環境を整備したというのである。日本が光ファイバーを張り巡らせて「ブロードバンド大国だ」などと自負しているうちに、アジアは無線ブロードバンド大国に突き進んでしまった。そのギャップを埋めるのに、那覇市もカヌチャも独自の対応策を講じているのである。
2020年に東京オリンピックが開催されることになって、外国から観光客がどっと押し寄せる。その前から観光客が増えるだろう。その「おもてなし」の必須の前提条件の一つが情報インフラの充実である。「井の中のかわず」で、日本は情報インフラの先進国だと一人合点してきたが、沖縄での体験からすると、少なくともスマホの利用環境は今一歩、努力が必要である。2020年をターゲットに、情報インフラの飛躍的充実を目指して欲しい。