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第316回 東京都知事選に考えること

2014/01/06

明けましておめでとうございます。本年は明るい話題多かれと、お祈り申し上げます。当コーナーもユニークなアングルから情報社会の諸相を抉ってゆきたいと思います。

さて、今年も、いろいろ願いがある。ソチ冬季オリンピックでの日本人選手のメダル大量獲得、消費増税の大波を超えて景気が順調に拡大してほしい、隣国との緊張緩和にめどをつけて平和へのシナリオを見せてほしい・・・と初夢に近い願いだが。

夢から覚めて、直近に控えている課題を直視すると、昨年、大きな横波を受けて転覆した「猪瀬丸」に代わる東京都知事選である。クセはあって好き嫌いの評価は分かれたが、ともかくも大量得票を得て都知事に当選して、都内交通機関の24時間運行などの新機軸を打ち出し、東京オリンピック招致に奔走し、まずまず、やることはやっている、という合格点の知事だった。徳洲会関連の選挙違反の捜査に随伴して出てきた資金の不自然な流れから一挙に火は燃え広がってしまった。

正直に言って、少し、惜しい気がする。政治家でないがゆえに、とはいえ、政府の委員として内部から政治の欠陥を摘出しながら斬新な視点で行政改革を目指していたように思える。変化させたくない抵抗勢力も多かったから、今回のような不祥事があれば一挙に潰しにかかってきたのは当然だろう。こんなに圧勝するのだったら、5000万円の借金(政治資金?)など必要はなかった、というのは後講釈である。

ただ、その代わりにだれを都知事に推すのか、ということになると、大した人物は出てこない。県知事やら国会議員やらを行き来する知名度抜群の人物やら大臣経験者の政治家、元オリンピック金メダリスト、大物の国政政治家など名前は上がるが、「都知事」という責務からいうと、どれもしっくり来ない。評論家出身とはいえ、硬派の論客で、かつ副知事として経験を積んだ猪瀬前知事の場合と比べると、違和感がある。

本当のところ、こんな不祥事がなければ、猪瀬知事の続投の方が良かったかな、との思いがよぎる。となれば、優秀な東京都の職員の皆さんが主導する都政を期待するほかないか。劣化する高速道路や橋、トンネルなどのインフラの改修、予想される大震災などの災害対応など、本来の行政課題には、強力なリーダーシップが必須条件なことが山積しているのだが・・・。

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