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第319回 急ぐべし、「環境」の監視

2014/02/17

冬とは思えぬ高温に汗をかいたすぐ後には記録的な降雪である。もちろん、日本だけではなく、米国では寒波と洪水。イギリスでも欧州各地でも洪水のニュースである。この異常現象は、地球温暖化の進行過程で起きる異常気象として予測されていた通りのことである。厳しい寒さをもってして、地球は温暖化していないと勘違いの声も聞こえるが、繰り返して言うが、この異常気象は温暖化の過程で予測されたそのままの現象である。

冬になると北半球では北極を中心にヒトデのような寒気団ができて、それが回転する。大きく出っ張った部分に入ると北極並みの寒さに見舞われ、引っ込んだ部分に入ると今度は冬にもかかわらず高温状態になる。このヒトデ状の寒気団の円周の凹凸が異常に大きくなっているので、寒気は南に大きく張り出すし、逆に高温部が大きく北まで入り込んでいるのである。

この寒気団の異常は、地球温暖化のために海面の温度が上昇し、上昇気流の力が大きくなって大気流が乱されて引き起こされているらしい。海面の温度が上昇したために大気中に水蒸気が大量に供給された結果、局地的な豪雨が降り注いで各地に洪水を引き起こしてもいる。竜巻などが頻繁に発生し、台風が大型化しているのも同じ原因だといわれる。

温暖化の原因となっている炭酸ガスの排出量の削減を急がなければならない。我々の社会生活や産業が電気に依存しているのは避けられないにしても、電力を節約して生活水準を維持することは不可能ではない。省電力の家電製品や燃費が良い自動車など、次々と登場してきている。情報通信技術を使ってエネルギーの最適管理を徹底することもまだ、十分には行われていない。

社会の基盤をなす、情報通信システム自体でも工夫の余地は十分にある。個々の企業で情報システムを運用するよりも、専門のクラウド事業者に委託して効率よく運用するのもこれからは重要になるだろう。情報システムは電力を多消費する環境負荷の大きな装置である。企業の環境報告書などで、情報システムのエネルギー消費が効率的に使われているかの評価を義務付けるなど、もっと厳しいルールを作るべきではないか。

個々の企業の自由な活動を許しておけない時期が、もうそこまでやってきているような気がする。「環境」の監視は、これまでのような生ぬるさではなく、厳しい罰則を伴う制度にしなければ、地球は壊れてしまう。

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