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第326回 マイナンバー制度の利用範囲拡大

2014/05/26

役員を務めている団体の入退室管理用のIDカードを支給されていたが、月に1回か2回しか顔を出さないので、そのたびに持参し忘れて、扉の前から職員の方に電話して入室するのが習慣になっていた。ところが、IDカードの方法が変わった。普段利用している交通ICカードに入室管理用のID情報を入れることができるようになった。筆者もさっそく手続きをして、電車の駅の改札口を通過するのと同じように入室できるようになった。1枚に統合されればこんなに便利なことはない。

IT総合戦略本部の新戦略推進専門調査会「マイナンバー等分科会」は「中間とりまとめ(案)」をまとめたが、その中でICチップが埋め込まれた個人番号カードでは、健康保険証、地方公共団体の印鑑登録カードや施設利用カードなどの「各種カード類の個人番号カードへの一体化/一元化」を掲げている。マイナンバー制度の利用範囲の拡大である。

ぜひ進めて欲しいものである。現在はいろいろなカードで定期入れはぱんぱんである。紙のカードによる証明証もある。これが1枚のカードに統合できれば、マイナンバー制度のメリットが実感できる。

銀行のキャッシュカード、各種のクレジットカードも定期入れや財布を分厚く膨らませる原因になっている。こういう民間が発行するカードについても、個人番号カードに一体化する検討がなされているようだ。その際には、個人を偽る犯罪に利用されることがないように、「公的個人認証サービス」を利用する。公的個人認証サービスは民間開放がされる方向だが、これに合わせて、個人番号カードとの一体化、あるいは連携などを進めるということである。

個人番号カードがそういう多様な利用が可能になればメリットは大きい。住民基本台帳ネットワーク施行に合わせて発行された住基カードは、使用機会が限定されていて、ほとんど意味がなかった。利用者にメリットが十分に感じられる制度にして、今度こそ、成功させてほしい。

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