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第328回 「国際テレビ電話」の効用

2014/06/23

私事で恐縮だが、細君が、ニューヨーク在住の娘の出産に立ち会いに行った。普段、自宅ではパソコンでメールの交換をし、インターネットを少し使う程度で済ませていたので、今回は、スマートタブレットを購入して持って行かせた。直前に操作法を教えた。メールをセットし、特にテレビ電話アプリの使い方を入念に練習してもらった。

その効果は抜群である。娘の家に着いて、カメラ、ビデオ機能を覚えて、出産前の娘夫婦の様子やアパート周辺の生活環境をメールに添付して送って来る。これを仲の良い親戚に転送して親戚間のメールの交換が一挙ににぎやかになった。

出産後、母子ともに元気な写真がメールに添付されてくる。すぐに親戚に転送する。数日経過して、自宅に戻った娘や、細君と、今度はテレビ電話である。目を開かない赤んぼうの映像がこちらのスマート端末の画面に踊る。毎日の変化が楽しみである。目が開いて、何かを追いかけるようになって、そしてかすかにほほが緩む。笑っているのか。

数日後、数週間後、どんどん表情が変わる。何か、声を出している。言葉にはならないが、高低差、音声が明らかに変化、多様化している。海の向こうで起きている赤ん坊の変化の様子が、毎日、生々しく伝わって来る。海の向こうであっても、隣の町の知り合いでも、変わりはない。インターネットは距離をなくす、と古くから言われたが、まったくその通りである。

娘の家は無線LANを装備している。日本側も無線LANである。普段からインターネットをこれで利用している。双方ともに自宅にデータ用の回線を引いて、普段からインターネットを利用しているが、テレビ電話機能の追加コストはゼロである。インターネットはいつも通りに使った上に、海を越えたテレビ電話の使用である。一時代前なら、電話だけでも1時間で数万円の料金を請求された。それが映像を含めて事実上無料である。

電話会社の嘆きも聞こえてきそうだが、これが技術革新というものだろう。

同じような利用法は普通になっているだろう。我が家は、時代にようやく追いついたところかもしれない。現在のインターネットの世界が進展してゆけば、世界は狭くなる。情報通信技術が世界を変える、というお経のような繰り言は、本当に進展しているのだ、と実感させられた。

医療に、教育に、行政に、国内でこうした機能が十分に利用されていないのはなぜなのか、改めて考え直さなければなるまい。

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