HOME > U+(ユープラス) > 奇論・暴論 > 第338回 火山列島は鳴動している
2014/11/10
多くの犠牲者を出した痛ましい御嶽山の噴火には驚かされた。
情報システムの関係者にとっても、火山活動への備えは大切だ。気になって気象庁の火山情報を見てみると、もっと驚いたことに、活発な活動を続けている火山が、まだ、ほかにもある。全国ニュースに流れていないので東京にいると気が付かなかったが、「火山列島」は鳴動しているのである。富士山が大きな噴火を起こせば首都圏も影響を受けて、日本経済は根底から揺さぶられると聞かされてきたが、決して遠い未来の話ではない、と身の引き締まる思いがする。
いま、最も活発なのが鹿児島県の桜島だ。11月4日16時10分発表の火山情報によると、11月2日に爆発的噴火が6回、ほとんど毎日爆発的噴火が繰り返されている。「弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達」するという状況が常態化している。大きな噴火時には噴煙の中を雷が走り、雷鳴がとどろく。降灰が激しいときには傘が必要だし、気管支の疾患にも注意をしなければならない。
地元の人は慣れてしまったようだが、初めて訪れる旅行者はびっくりする。噴火警戒レベルは3で入山規制が継続中だ。
このところ活発になっているのは阿蘇山である。11月4日の発表では、火山性地震がこの1週間で1日最大で11月1日の105回をはじめ、100回近く記録する日が続いている。10月初めには1日150回近くの火山性地震が観測されて、その後、増減を繰り返していて、警戒が必要だ。噴火警戒レベルは2で、火口周辺規制が継続中である。
同じ九州の霧島山(新燃岳)は1週間に数回の火山性地震が観測されて、噴火警戒レベルは阿蘇山同様2である。
噴火警戒レベル3の火山では、鹿児島県の口永良部島がある。噴煙は観測されていないが、白煙が上るのが遠くから望めるそうである。
伊豆諸島では、新島が成長中の小笠原村に西之島が活動中だが、小休止しているとはいえ三宅島も活動を警戒しなければならない。
関東では草津白根山である。噴火警戒レベルは2である。10月31日の発表では火山性地震は1日数回程度だが、8月中旬には1日100回近くの火山性地震が観測された。
東北地方、北海道の火山でも、噴火警戒レベルとは認識されてはいないが、火山活動をうかがわせる現象が最近は報告されるようになっている。
2011年3月11日の東日本大地震以来、日本列島は大きな活動期に入ったといわれている。
社会の重要インフラを支える情報通信システムの関係者は、心して、いざという時の準備をしておかなければなるまい。