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第369回 マイナンバーカードをキャッシュ・クレジットカードに利用へ

2016/01/18

高市総務大臣は「持ち歩く個人のカードは全部マイナンバーカードに統合」と将来方針を表明しているが、さっそく、キャッシュカードやクレジットカードをマイナンバーカードに収容する具体案が総務省から発表された。

1月8日の日本経済新聞によると、総務省はマイナンバーカードに搭載している「公的個人認証サービス」機能を民間にも開放し、その利用金額を大幅に安くする方針である。銀行、クレジットカード会社、生命保険会社などがこの機能を使ってカード利用者の本人確認ができるので、登録すれば、マイナンバーカードがそのままキャッシュカードやクレジットカードのように使えることになりそうな記事である。

マイナンバーカードには全国の自治体が共同で運営する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の公的個人認証サービス用のICチップが搭載されている。ICチップは空き領域があって、社員証や学生証など他の証明書情報を記録して、マイナンバーカードを社員証や学生証代わりに利用することもできるようになる。

しかし、この「公的個人認証サービス」を利用するというケースは、新聞記事から読み取る限りでは、どうやらちょっと中身が違うようだ。

マイナンバーカードの公的個人認証サービスで口座を開設する時に本人を認証すると、このマイナンバーカードで本人であることが確認されるので、マイナンバーカードそのものがキャッシュカードになる、というように読める。ICチップの空き領域など利用しないで、マイナンバーカードが直接にキャッシュカードになる仕組みのように見える。使うたびにマイナンバーカードの個人認証をJ-LISに問い合わせて確認することで、キャッシュカードとして機能するように考えられる。

こうなると、1つの銀行では口座は1つしか作れなくなる。しかし、後で名寄せして情報が一元化してしまうのなら、これからは2つも口座を作る意味がないので、これで悪くないのかもしれない。銀行の間では競争が厳しくなって、他のサービスとの複合や預金期間、利息などを変えて、商品に違いがある。個人個人は複数の銀行に口座をもつことになるが、それもすべてマイナンバーカード1枚で十分ということになるのだろう。

この場合、利用者がマイナンバーカードを使うたびにJ-LISに本人確認の参照手続きが生じる。これまでは1回ごとに22円を徴収しているが、このサービスでは利用者1人につき、年22円の定額と言うので、ただ同然である。マイナンバーカードのメリットをアピールして普及に弾みをつける、とうのが総務省の狙いらしい。

これは新聞報道から読み取る内容で、実際はどういう風になるのか。もう少し詳しく知りたいところだが、マイナンバーがどんどん進化して行くのは確かで、これからが楽しみである。

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