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第391回 「日本発」のセキュリティ技術の急進展

2016/11/28

2020年のオリンピック・パラオリンピック大イベントは、同時に、世界のサイバー攻撃者たちの晴れ舞台の機会である。ハッカーは自己顕示欲が強いので、世界的なイベントであるオリンピック関連行事は攻撃対象として最高に気持ちを奮い立たせる。日本の行政も2020年までにサイバー防衛の装備を急ピッチに整えなければならない。20万人の技術者が不足で、緊急に人材育成策できるか、頭を悩ませているところだ。

東日本大震災の復興策の意味を込めて、政府の支援を受けて宮城県多賀城市に技術研究組合制御システムセキュリティセンターが動き始めているが、沖縄では、一般社団法人 重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS、徳田英幸会長、事務所=東京・目黒、沖縄・那覇)の動きが目立っている。「日本発」のセキュリティ技術の急進展に期待できそうな動きである。

同協議会は家電製品などの重要生活機器のセキュリティ技術についての調査研究やガイドラインの策定、標準化の推進を行う目的で、国内の各種電機メーカーや学者、研究者が結集している組織だ。IoTの仕組みでは接続する様々な電気製品についてセキュリティ上の脆弱性が問題になるが、その対策についてのガイドラインなどを着々と検討しているが、同時に、脆弱性を検証するための「ハッキングツール」も開発しているようだ。これはセキュリティ研修の道具になる。

12月1、2日、同協議会の主催により、沖縄県で「IoTセキュリティウィークin沖縄2016」が開催されるが、そこで、興味深いデモや発表がある。

内容は「車載機器(ボディ系ECU)向け静的脆弱性分析ツール・動的脆弱性評価ツール」「M2M/IoT向けセキュリティ検証ツール」「金融端末(ATM)向けUSB脆弱性検証ツール」「オープンPOS向け脆弱性検証ツール」「検証基盤システム」「CAN busとUSBのハッキングデモ」「オープンソースツールを使用したハッキングデモ」「IoT向け脆弱性検証ツールの詳細発表」「車載機器向け脆弱性検証ツール」「車載機器(ボディ系ECU)向け評価分析ツール(静的・動的)」「M2M/IoT向けセキュリティ検証ツール」「金融端末(ATM)向けUSB脆弱性検証ツール」「オープンPOS向け脆弱性検証ツール」「Can busとUSBに対するハッキング手法」「オープンソースツールを使用したハッキング手法」など、タイトルだけでも興味を起こさせる。

これまでのセキュリティ関連の技術は海外製品の湯汲がほとんどだったが、こういう発表を見ると、日本のセキュリティ関連技術も急速に向上しつつあるのがうかがえる。

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