HOME > U+(ユープラス) > 奇論・暴論 > 第396回 SNS利用の注意点
2017/02/13
日常生活にすっかり溶け込んだSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)だが、利用するにはいくつか注意が必要だ。親しい知人の間の閉鎖的な空間だと思っている記事の書き込みも、実は、そのサーバーが置かれている国の治安機関が傍聴(盗聴?)しているのではないか、という不安がぬぐえない。だから、実態を詳しく知る関係者からは、外に漏れてはいけないビジネス上のデータはSNSを使うな、という忠告を受ける。
そういう忠告を受けている中で、SNSとして日本では圧倒的に普及しているLINEが「法人向け」の情報共有・交換のサービスを始めたというニュースに接した。法人向けなので、共有・交換する情報内容はビジネスに関わるものが中心である。サーバーの置かれている韓国は休戦中とはいえ、北朝鮮との戦争状態にある。私権が制限されるのは当たり前で、SNSも当然、傍聴されていると考えてよい。こういう日本のユーザーの不安心理はサービス提供側も十分に認識しているので、サーバーは日本国内に置く、と配慮して不安の払しょくを図っているようだ。不安さえ払しょくできれば、便利さが優先というユーザー側の心理で、業務効率化の道具として人気を呼んでいるらしい。
ビジネスに関係なければ安心か、というと、別の不安がある。
ロシアの情報セキュリティ会社「カスペルスキー研究所」の発表である。SNSのユーザーに対するアンケート調査で、「他人の楽しい投稿に嫉妬する」という人が「半数以上いる」という。楽しい情報を投稿して閲覧者とともに幸福感を共有しているつもりなのだが、閲覧者の側ではこうした投稿に「不愉快」と感じているらしい。
同研究所によると、世界18か国でアンケート調査(日本での回収1000人)を実施した結果、「不愉快」に感じる内容のトップは「他人が自分より良い人生を送っていることを知った(結婚、子供、旅行、休暇)」というもので、54%と、半分以上に上った。この感情がそこで止まっていればよいのだが、「妬み」「嫉妬」「やっかみ」などに発展し、「他人の幸福を妨害しよう」という強い感情にまで進まないとも限らない。
さらに自分の投稿に「いいね!」があまり付かなかった場合に「不愉快を感じる」人が42%いて、不愉快に感じるだけでなく、自分の投稿への「いいね!」を得るために、「友達や同僚の恥ずかしい情報や秘密を公表してもいいと考える人が「2〜4%いた」というから恐ろしい。
SNSでは投稿者の意識と閲覧者の意識のギャップが大きい。この現実は知ったうえで、投稿する際には一度、立ち止まって考えるべきだろう。