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第372回 インターネットの落とし穴

2016/02/29

おや? と思うニュースに出会った。

経済産業省はクレジットカード会社や大手流通企業と協力して「クレジットカードの加盟店がカード情報を保存しない仕組みを作る」とともに「電子商取引サイトで買い物をする際に本人を認証する専用番号の入力を求める」などのセキュリティ強化策を促がす、という。

加盟店にカード情報を残さないという意味が詳しく書かれていないので想像するしかないのだが、加盟店のサーバーに買い物情報を残さないという意味のように思える。サーバーがインターネットにつながっている場合、外部から入り込むウイルスに感染して、サーバー内の顧客情報をクレジット情報ごと盗み取られるリスクがある。

サーバーに保管した買い物情報は集積すれば、ビッグデータとして価値のあるマーケティング情報を引き出すことができるはずだ。匿名化などの加工を施して統計データとして利用するのだが、匿名化するまでに一時保管している時間が魔の時間になるわけだ。

似たような事件が最近、発覚した。国立大学の複合端末での事件である。コピー機能、プリンター機能、ファクス機能を一台でこなす便利な機械だが、インターネットにつながっているのがリスクである。複合機は読み取った情報、送信されてきた情報、送信すべき情報などを一度記憶して、それからプリントアウトするなり、送信する。一定期間蓄積、保管する。複合機がウイルスに感染して、この蓄積情報が外部に流出してしまったのである。

プリンターに使うならコンピューターを利用するので、ウイルスに慎重になるが、コピーした際には、まさか複合機がウイルスに感染するなどは思い浮かばない。しかし、高機能機はインターネットにつながったコンピューター端末である。ウイルス感染を警戒すべきだが、これまでその意識が希薄だった。

ウイルス感染は、パソコンだけの問題ではない。

インターネットにつながっているすべての端末で安全措置をとらなければならない。そのことを教えてくれるニュースである。

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