デジタルコンテンツカタログ 131

ウチダ デジタルコンテンツカタログ Vol.131


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スペシャルインタビューGIGAスクール構想ICT環境整備新学習指導要領ICT導入事例小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類教育課程内活動分類A学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの活動分類B学習指導要領に例示されていないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの12345算数第5学年B図形(1)正多角形プログラミングを通じて、正三角形の意味を基に正多角形をかく場面理科第6学年A物質・エネルギー(4)電気の利用身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通じて学習する場面総合的な学習の時間「情報化の進展と生活や社会の変化」を探究課題として学習する場面総合的な学習の時間「まちの魅力と情報技術」を探究課題として学習する場面総合的な学習の時間「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探究課題として学習する場面1234音楽第3学年〜第6学年様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通じて学習する場面社会第4学年都道府県の特徴を組み合わせて47都道府県を見付けるプログラムの活用を通じて、その名称と位置を学習する場面家庭第6学年自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える活動を通じて、炊飯について学習する場面総合的な学習の時間課題について探究してわかったことなどを発表(プレゼンテーション)する学習場面活動分類C教育課程内で各教科とは別に実施するもの活動分類Dクラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの教育課程外活動分類E学校を会場とするが、教育課程外のもの活動分類F学校外でのプログラミング学習機会東京学芸大学教育学部・准教授高橋純氏なぜプログラミング教育なのか、理科なのか文部科学省「小学校プログラミング教育の手引き(第二版)」よりプログラミング教育の必要性プログラミング教育の必要性は、世の中の変化と密接に関係している。例えば、今やスマートフォンは、ポケットに入るAI翻訳機として機能したり、今いる場所の数分後の降雨を伝えてくれたりする。電話機能も、数あるアプリ(ソフトウェア)の一つであり、複数の通話アプリが入っている人も多いであろう。つまり、スマートフォンという機器の役割も大きいが、ソフトウェアが一体的に存在していることが大きい。加えて、クラウドによって、インターネットの先にある巨大なコンピュータシステムも活用できる。話題のAIですら、クラウドがなければ、スマートフォンだけでは処理しきれない。つまり、こうしたコンピュータプログラムが支える新しい考え方によっても、世の中に変化がもたらされている。あらゆるモノがインターネットに接続することを表すIoT(InternetofThings)という取り組みも進んでいる。しかし、利用者の観点で考えれば、それほど驚くことではない。すでに自動販売機など日常的に活用する機器がインターネットに接続していて、知らず知らずに活用していることは多い。スマートフォンのカメラ機能も、インターネットによって写真の共有などがしやすくなった「ネット・デジカメ」と言える。今後、一層あらゆる生活場面で無意識に活用して行くであろうことが新しいのである。これらはいずれもコンピュータプログラムによって支えられている。利用者として無意識に活用しているものであっても、そうした考え方や仕組みを少しでも体験的に知っていることが、これからの社会で生きていくには重要である。何も知らなければ、ただただAI等の導入を感情的に恐れる人になってしまうかもしれない。これらに支配されるのではなく、使いこなしていく力量が必要とされる。さらに、専門的に情報通信技術に関する研究開発を目指す子供たちもいて欲しい。こうした動向に最も近接しているのは、小学校の学習で言えば、理科である。それだけに理科でプログラミングを学ぶのは重要と言えよう。理科でプログラミング教育を実施するために理科でのプログラミング教育には、PCと接続するセンサーや照明や、それらをPCとつなぐためのプログラミングスイッチなどの外部機器が必要となることに特徴がある。つまり、そうした外部機器を制御するプログラムを作成することを通して、電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習などが行われる。その際、贅沢を言うならば、先に述べたような世の中の変化を感じられるよう、未来感のある外部機器であると児童の興味関心も高まるのではないかと考えられる。それが無理だとしても、日常の生活経験からイメージしやすく、実際的な問題解決が体験できる外部機器であることが望まれる。前提として、トラブルが少ないこと、準備が楽であること、購入しやすいことなどの条件を満たしている必要もある。PCに外部機器を接続するということは、それだけで様々なトラブルも予想される。さらに、準備として、デバイスドライバといったソフトウェアのインストールや設定などが必要なこともあり得る。また、せっかく児童にとって興味深いロボット等であっても、1台しかなければ、学習としても成立しにくい。適切な台数が必要となる。つまり理科でもプログラミングの実施は、プログラミングだけでも初挑戦である事項が多い上に、外部機器を用意することに若干の難しさがある。以下に紹介する書籍「これが知りたかった!すぐにできるプログラミング授業実践小学校理科」では外部機器の選定や具体的な活用法についての説明を行っている。これからプログラミング教育について学ぼうとする教員にとって、必要な情報をわかりやすくまとめるとともに、専門的に学ばれている先生方にも役立つような根本的な内容も記述している。参考にしていただきたい。(「これが知りたかった!すぐにできるプログラミング授業実践小学校理科」より)書籍紹介プログラミング教育の「これが知りたかった!」を解決するために、理科教育の専門家による研究、実践やその成果を1冊の本にまとめました。「これが知りたかった!すぐにできるプログラミング授業実践小学校理科」編著:東京学芸大学教育学部・准教授東京学芸大学附属小金井小学校東洋館出版社刊高橋純三井寿哉教育用デジタルコンテンツカタログ202137


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