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床、壁、天井ー空間全体にあふれる木の香りが、訪れる人を包み込む
国立研究開発法人森林研究・整備機構は、地球に優しい木材を利用する事業所として「建物、内装・外装、オフィス家具などあらゆる面での木材活用を最大限努める」、「モデル事業所として木材利用、地球温暖化防止の面で社会に貢献するよう努力する」こととして、平成27年9月14日に「地球環境に優しい木材利用モデル事業所宣言」を行いました。
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林整備センター(以下、「森林整備センター」)では、水源をかん養するため森林の造成を行い、水源かん養機能や地球温暖化防止等の、森林の有する公益的機能の維持増進のため業務を実施しています。
平成28年3月に森林整備センター(川崎市)においては同モデル宣言を踏まえ、受付、執務室、役員フロアの壁を木質化しました。また、さらなる木材の利用に向けて全国の各事務所で内装、オフィス家具などの木質化を推進しているところです。
受付の床を表情豊かな国産ナラ材のフローリング仕上げとし、壁にはシート状の杉の天然木突板を貼り、エントランス全体として、四方を木で囲まれたゲートのような木質空間を演出しています。木質化しない仕切りはシンプルなモノトーンで構成し、木質化の印象を際立たせました。
来訪者への情報(入札公告等)を掲示するスペースは黒地の壁とし、掲示物は角棒でピン留めされ、美しく整列された状態を保つことができます。
床には松の角材をそのまま使用したベンチを設置し、カウンターには杉の角材を採用、生木の温かみをもって来訪者をお迎えします。
ベンチや掲示板など、家具も木でまとめられている
事務室内の什器にいたるまで積極的に木材を使用
杉の木目がつくり出す天然のモザイクアート
役員室前通路の壁には、杉のスクエアウッズをパネル化し配置しました。杉の木目の表情がモザイクアートのような印象を与え、見る人を楽しませます。
職員が働く空間でも積極的に木材を活用しています。ローキャビネットの天板と側板は、杉の板で三方を囲むことにより清潔感ある木質空間を演出しています。この杉の板は、角材を製材した余り材を利用したエコロジカルな中空パネルを使用しています。見た目は無垢材のような自然素材の生きた木目の質感があります。
今後とも、森林・林業・木材産業に係わる研究と森林の整備を通じて、豊かで多様な恵みを生かした循環型社会の形成に努め、人類の持続可能な発展に貢献します。また、木材利用促進にあたっては関係法令等に則り、デザイン性や機能性が最大化するよう努め、非木造施設の木質化モデル事業所となるよう取り組んでまいります。
今回木材利用に取り組んだ当事務所以外の全国の事務所においても、可能な限り木質化に努めていきたいと考えています。
取材日:2017年5月。掲載内容は取材当時のものです。
※記載されている内容については、改善などのため予告なしに変更する場合がありますのでご了承ください。