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第1回 生まれ変わってまた生まれたい国を・・・。

2011/08/22

3月11日以来時間が止まったままの人がいる。無我夢中で過ごしてきてふと我に帰った時に、あらためて深い悲しみに沈んでしまう人々がいる。前を向いて懸命に歩いている人が、ふと立ち止まったときにどうしようもなく慟哭してしまう瞬間がある。我々が暮らすこの国で、この世の無常感に打ちひしがれて暮らしている人々がたくさんおられる。

 被災地で暮らしている人々のすべてが「なでしこジャパン」の活躍に勇気づけられているわけでなく、どこか別の世界の話と虚ろな瞳を向け、世間の喧騒を空しく感じている人もいるのも事実だ。その人達が再び明日を信じて希望を胸にするために、この国のすべての人々は知恵を絞り、汗を流さねばならない。新しい日本と地域社会をどう創って行くのかが一番の問題だ。

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県 石巻市立大川小学校では児童6人、教諭1人がいまだに見つかっていないそうだ。その大川小学校の遺体が見つかっていない6年生児童の37歳になる母お母さんが、「はやくおうちに帰してあげたい」と震災翌日からスコップを手にし、6月には重機のオペレーターの資格を得て、娘を捜す毎日であるという新聞記事を読んだ。言葉や文字では表現できない切ない気持になる。あの震災から4ケ月以上が過ぎようとしているが、傷は癒されるどころか一層深まっている人も多いのだろう。この人達に我々は何と声をかけ、何をすることができるのだろうか?何もできないというのが本当のところで、ただ遠くから涙し、心の中でエールを送ることしかできない。身内の方々や、親しい方々を失った人々の気持ちは想像できても、決してその気持ちと同じになることはできないのだろう。それらの方々の深い哀しみを理解しようとしても、それはやはり第3者の理解でしかないのだろう。

しかし我々は、あの大震災で失われたたくさんの尊い命や、その周りの人々の思いを考えながら未来に向かうしかない。我々に一体何ができるだろうか?震災以降そのことを考える瞬間が多くなった。でもその答えをまだ見出せずにいる。ただ今少しだけ考えていることは、あの震災で亡くなった人々に対する本当の供養とは、それらの人々が生まれ変わっても、また再びこの国に生まれたいと思える日本を創ることなのではないかということだ。 個人の力は小さいけれど、自分ができる範囲のことを実行する人がたくさん集まれば大きな力になるのではないだろうか。一人ひとりが「できる範囲」でよいから、この国の未来を明るく照らすための活動を地道に続けるしかないと思う。それが力になることを信じて。

その時、政治家をはじめとした権力者の人々に強く求めたいことがある。それは「どうか自分の地位や金や名誉のためではなく、どうぞ真剣にこの国の事を考えてください。」ということであり、そして「あの震災で亡くなった多くの方が、再び生まれ変わって住みたくなるような国を創ることを考えてください。」ということだ。

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