HOME > U+(ユープラス) > masaの介護・福祉よもやま話
- プロフィール
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菊地 雅洋
北海道介護福祉道場 あかい花 代表
登別市介護認定審査会 委員
北海道福祉教育専門学校 非常勤講師
2024/08/05
- 第147回 サイレント・ブレス
- 静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージした言葉が、「サイレント・ブレス」です。それは自分や誰かの人生の最終章を、大切にするという意味です。...【全文>>】
2023/11/20
- 第140回 愚かな介護助手議論
- 介護事業の生産性向上と人材確保に関連して、介護保険施設の配置基準を現行の3:1〜4:1に緩和しようとするモデル事業が、三重県津市の介護老人保健施設で実施されている。このモデル事業は、...【全文>>】
2022/10/17
- 第127回 老いる地方の街
- マスメディアを通して「格差社会」というフレーズが聴こえるようになって久しい。そうした格差は、現在進行形であるともいわれている。同時に格差社会で生まれた貧富の差は、...【全文>>】
2020/12/21
- 第110回 民度が低い介護業界の現状
- サービスマナー意識をもって、丁寧な対応を心がけるというのは、接客を伴う職業において極めて当然の常識である。しかし、介護事業者に勤める人たちで、このことを全く理解できていない人はかなり多い。自分たちの職業が接客業であり、...【全文>>】
2020/07/13
- 第105回 理想の介護・普通の介護
- 理想と現実は違うと言いながら、自分の現実の貧しさを直そうとしない人がいる。自分たちが行っている劣悪なケアの原因は、制度のせいであり、人手がないという事業者の体制のせいでしかなく、...【全文>>】
2019/08/26
- 第96回 介護の場でのボランティア活動に物申す
- 連日ワイドショー等で取り上げられている、「芸人」の裏営業問題・・・。その問題の本質は、裏営業と呼ばれる直営業問題ではなく、反社会勢力とのつながりの問題であり、事実を嘘で隠そうとした倫理上の問題なんだろう。それはどうでもよいとして...【全文>>】
2019/07/22
- 第95回 虐待の元凶は介護ストレスにあらず
- 介護事業者における虐待をストレスが原因と論調する向きがあるが、それは少し違うのではないかと考えている。仕事にはストレスがつきもので、介護の職業が他の職業に比して特別にストレスが大きいという根拠はない。人と向かい合う仕事だから、...【全文>>】
2019/06/10
- 第94回 看取り介護での安楽支援のために
- 死の直前に必ず現れる状態の一つに、下顎呼吸(かがくこきゅう)がある。これは酸素の取り込みが少なくなることで、顎と喉の筋肉を動かして酸素を取り込もうとする呼吸状態で、あえぐような状態になる。そのため下顎呼吸を一度も見たことがない人は、...【全文>>】
2019/03/25
- 第91回 国の考える施設業務の切り分けとは
- 厚生労働省は来年度から、特養や老健などの施設で介護職員が担っている業務を整理・分類する取り組みを本格化させるそうである。その構想とはベッドメイキングや清掃・配膳など、必ずしも高度な専門性を必要としない業務を切り分け、...【全文>>】
2019/02/25
- 第90回 サービスマナーを浸透させないバリアは、寛容心
- 今後のわが国では、後期高齢者の数が増え、それに比例して介護サービスを使う人の数も増えていくが、社会保障費財源には限りがあるとして、その自然増を抑える政策が強化されていく。そうなると必然的に介護保険の給付単価は低くならざるを得ない。そんな中で介護事業経営を考えた場合、...【全文>>】
2018/11/26
- 第87回 自立を生きる目的にしてよいのだろうか
- 6/15に閣議決定された骨太の方針2018には、「診療報酬や介護報酬においては、適正化・効率化を推進しつつ、安定的に質の高いサービスが提供されるよう、ADLの改善等アウトカムに基づく支払いの導入等を引き続き進めていく。」と明記されている。この方針に伴って2021年度の介護報酬改定では、...【全文>>】
2018/06/11
- 第82回 旅立つ瞬間を看取る意味
- 我が国において現在、「孤独死」の明確な定義はない。一般的に孤独死とされているものは、事件・事故以外の病死・自然死等で、「自室内で、誰にも看取られず孤独のまま死亡すること」と解釈されている。だが孤独死の法的な定義が存在しないため、...【全文>>】
2018/05/28
- 第81回 自立型介護施設で暮らしたいですか
- 人は生きるためには自立する必要があるのかもしれない。でもそれは生きるための目的や目標ではないはずだ。心身に何らかの障害を抱えている人であれば、日々の暮らしを営むためには、その障害を克服して自立することが目標の一つになるのだろう。しかしながら、...【全文>>】
2018/04/23
- 第80回 不寛容な時代に持つべきプロの矜持
- 現代社会は不寛容な社会だ。そしてその不寛容さがピークに達しているのが今という時代ではではないだろうか。誰もが自分以外の他人を許そうとしない。ネット上では、いつも過度な言葉狩りが行われており、一言の失言も許されないかのようだ。失言を狩る人間の、...【全文>>】
2018/03/26
- 第79回 介護の職業を底辺化する要因
- 介護の仕事が社会の底辺であると言われることがある。給与をはじめとした待遇の悪さ。〇〇Kと呼ばれるような就労環境の悪さ。職員間の人間関係を良好にする難しさなどの職場環境の問題。人が足りないことで過酷となる労働環境や、...【全文>>】
2018/02/26
- 第78回 介護ロボットの現状
- 人材不足が深刻な介護現場で、職員の負担軽減につながると注目される「介護ロボット」。今年4月からの報酬改定議論でも、当初から話題になったのは、この介護ロボットの導入に向けた報酬誘導策であった。そこでは介護ロボットを導入して...【全文>>】
2017/09/19
- 第73回 強化されるサ高住への締め付け
- 2013年3月に、地域包括ケアシステム研究会がまとめた「地域包括ケアシステムの構築における今後の検討のための論点」では、「地域包括ケアシステムでは、生活の基盤として必要な住まいが整備され、そのなかで高齢者本人の希望にかなった住まい方が確保されていることが前提になる。」と解説されている。つまり...【全文>>】
2017/08/21
- 第72回 気づきは才能ではない
- 対人援助の場は、人の感情が様々に交差する場所である。そこで僕達は、うごめく感情の渦に巻き込まれないように冷静に対処すると同時に、そこで行き交う感情に敏感になり、見えない涙を見逃さないようにしなければならない。人は誰も、自分がいる場所に、...【全文>>】
2017/04/10
- 第68回 介護の職業を選んだ人たちへのエール
- 希望を胸に、社会人として飛び立とうとしているあなた。どうぞその希望を達成するために、前を見続ける人になってください。時として、あなたのバリアは先輩職員かもしれません。しかし低き意識に迎合したり妥協する必要はないのです。そんなものに...【全文>>】
2017/01/30
- 第65回 喜怒哀楽を包み込む居住系施設
- 居住系施設のホームページなどに、「明るい笑顔があふれる施設」などという表記がされていることがある。しかしそれは嘘だ。そのような明るい笑顔ばかりがあふれている施設は存在しない。施設の中には、笑顔のほかにも、...【全文>>】
2016/10/17
- 第62回 介護業界版、牛丼戦争が始まる
- 安倍内閣は、毎年1兆円程度ずつ増える社会保障費を半減させ、増加額を5千億円に抑える内容の、「骨太の方針」を閣議決定している。力の強い政権は、このことを着実に実行していくのだろう。ところでこのことについては、二つの意味があるということを介護事業者は考えなければならない。...【全文>>】
2016/09/20
- 第61回 地域包括ケアシステムに潜む盲点
- 介護保険制度のキーワードは、地域包括ケアシステムであるかのような印象が強くなった今日この頃である。これは今後の高齢社会を考える上で、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるために地域包括ケアシステムの構築が必要不可欠であるとされているからであろう。現に...【全文>>】
2016/08/22
- 第60回 みにくい衝動を正当化する論理を許すな
- 社会福祉実践は「人間尊重」の視点を基盤とするものだ。人間尊重とは、人がどのような能力を持っているか、どのような状況に置かれているかに関係なく、人として存在していることそのものに価値があるという人間観だ。それは決して建前ではなく、...【全文>>】
2016/03/14
- 第55回 BPSDという表現をやめよう
- 認知症に関する研修会で、講師がさかんにBPSDという言葉を発するのを聴くことがある。しかし、きちんとその意味を説明していない講師がいたりして、そのことに対し苦々しい思いを持ってしまう。そもそもなぜBPSDなどという...【全文>>】
2015/12/21
- 第52回 財源がないというけれど
- 国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がパリで行われ、日本の総理大臣も演説をしている。その中で温暖化対策として、2020年までに官民合わせて年間1兆円から1兆3000億円に増額することを表明している。これは...【全文>>】
2015/03/16
- 第43回 戦後70年の介護を考える
- 今年は、太平洋戦争の終戦から70年目を迎える年だそうである。終戦の日は1945年(昭和15年)8月15日。実際の戦闘行為はその後も続いていたが、その日が終戦記念日とされている。僕がこの世に生を受けたのは、...【全文>>】
2015/02/16
- 第42回 介護報酬−2.27%の影響
- 次期介護報酬は、H15年度の―2.3%の最大引き下げ率を「若干」下回る−2.27%で決着した。これによって収支差率が高いとされる特養や通所介護は、全体の中でさらなるマイナス査定となり、特養の処遇改善加算を除く本体報酬は、...【全文>>】
2014/12/08
- 第40回 心を語らないケアは空しい
- 僕の施設の一番大きな行事は、敬老の日がある週に行う、「緑風園まつり」である。そのお祭りの際に何年も続けて、寄付物品を持参してくださるご遺族がおられる。その時に緑風園を訪れる方は、寄付物品を置いて帰るのだけではなく、...【全文>>】
2014/11/10
- 第39回 介護事業者はもうけ過ぎなのか?
- 10/21に行われた経済財政諮問会議で、来年改訂の介護報酬について、財務省が6%の減額を勧告する資料を提出するとともに、安倍首相も「介護報酬適正化」を指示した。介護サービス事業者にとっては極めて厳しい逆風である。介護報酬を引き下げる理由について、...【全文>>】
2014/08/04
- 第36回 地域包括ケアシステムの盲点
- 介護保険制度のキーワードは、地域包括ケアシステムであるかのような印象が強くなった今日この頃である。これは今後の高齢社会を考える上で、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるためには、地域包括ケアシステムの構築が必要不可欠であるとされているからであろう。現に...【全文>>】
2014/07/07
- 第35回 栄養士の役割・食は人生改
- 議論で全ての問題が解決することはあり得ない。考え方が違う立場の人との議論は単なる言い合いに終始してしまうこともしばしばある。各論賛成、総論反対ということで結局何も変わらないこともある。職場内でもこうした例は数限りなくあるだろう。しかし我々の介護サービスは、...【全文>>】
2014/06/09
- 第34回 ご入居者はモルモットではないという叫び
- 全国老施協の主催する介護力向上講習会では、「水が細胞を活性化させ、身体と精神の両面を活性化させ、覚醒水準をあげ、尿意や便意を知覚することにつながる」等を理由に挙げて、食事以外に1日に1,500mlの水分摂取を促している。胃瘻の場合はその量を2,200mlに設定している。...【全文>>】
2014/04/28
- 第33回 早急なる認知症ドライバー対策を求めたい
- 今年1月6日付で公表された警察庁交通局交通企画課資料、「平成25年中の交通事故死者数」によれば、平成25年中の交通事故死者数(24時間以内)は、4.373人(前年比−38人、−0.9%)で13年連続の減少であったことが示されている。しかし同時に、...【全文>>】
2013/11/25
- 第28回 荒野を超えた先に虹は見えたか
- 誰にでも幸せになる権利はある。しかし、誰しもが等しくそのチャンスを持っているというわけではないような気がする。30数年前、僕が出会った少年・少女たちは、自らの責任ではないところで、重い十字架を背負わされ、過酷な運命から抜け出せないでいた。...【全文>>】
2013/09/30
- 第26回 彼らが輝くために
- 僕は介護施設と併設する居宅介護サービス事業所の総合施設長を務めながら、介護福祉士養成専門学校の非常勤講師も務めている。僕が担当しているのは「認知症の理解」という授業であるが、...【全文>>】
2013/08/05
- 第24回 介護職員の人材不足に無策は続く
- 資格取得講座運営会社「ヒューマンアカデミー」が2008〜2012年度の5年間に渡り、東京都に申請せずに旧ホームヘルパー2級の資格が得られる講座を開催して、受講者に偽造した修了証明書を発行していたことが今年6月に明らかされた。...【全文>>】
2013/07/08
- 第23回 問われるモラルハザードとは何か?
- 社会保障審議会の介護保険部会や、介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に対する検討会等では、モラルハザードと言う言葉が頻繁に使われている。具体的には、「モラルハザードが起きている」とか、「モラルハザードを防止しなければならない」などといったふうに表現されている。...【全文>>】
2013/05/27
- 第22回 要支援者の給付除外について
- こどもの日で祝日の5月5日、一部の報道機関によって厚生労働省が要支援者を介護保険サービスから外し、ボランティアなどを活用した市町村の事業で支援する方向で具体策を検討する方針であることが報道された。このような大改革の方針を、...【全文>>】
2013/04/01
- 第20回 大きな愛になりたい。
- 2年前のあの日から、3月という月は日本人にとって特別な月になったと思います。そして3月11日という日はすべての日本人が祈りを捧げる日だと思います。祈りの向かう先は、もしかしたら知らない誰かかもしれませんが、...【全文>>】
2013/03/04
- 第19回 ヨシさんの戦争体験
- 太平洋戦争は、日本時間の昭和16年12月8日の真珠湾攻撃で始まり、玉音放送のあった昭和20年8月15日を終戦の日としている。この3年9ケ月に満たない期間、その時代の人々は我々が想像もできない壮絶な体験をしているのだろう。...【全文>>】
2013/01/21
- 第18回 プロ意識を持つという意味
- 介護サービスに従事している職員が、利用者に対して「家族に成り代わる」気持ちをもって、親身になって関わろうとすることは大事だろう。しかしどんなに我々が親身になって関わろうとしたとしても、我々は家族そのものにはなれない。いやなってはいけないのである。...【全文>>】
2012/12/25
- 第17回 自分でなくなる哀しさ
- 人は脳によって、笑ったり、怒ったり、愛したり、恐れたり、憎んだり、昂ったり、わかったり、覚えたりするのである。脳がありとあらゆることを処理していく。そもそも脳とは、判断能力だけではなく、...【全文>>】
2012/10/29
- 第15回 深刻化する人員不足・人材枯渇
- 介護保険制度は第5期計画に入ったことで、さらにサービスの拡充を図り、箱物として介護保険施設やサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム等がすごい勢いで建設されている。しかしそこで提供されるサービスの基盤となる人材確保の対策は全くなされていないため、...【全文>>】
2012/06/18
- 第11回 カイゴのイノチ
- 我々の職業は、誰かに施す(あわれみの気持ちで、人が困っている状態を助けるような行為をする。)職業ではない。我々の仕事は単に行為を手助けする職業ではない。...【全文>>】
2012/05/21
- 第10回 呪文が通用しない認知症高齢者のケア
- 認知症高齢者の方々の「行動・心理症状」(BPSD)の原因は混乱である。今、自分が置かれている状況が分からないから、なぜそこに自分がいて、何をしてよいのか理解出来ない。どうしてよいかわからないから不安になる。その不安が...【全文>>】
2012/02/20
- 第7回 見えない経営戦略
- 1月25日の社保審・介護給付費分科会では、平成24年度介護報酬改定に係る諮問・答申が行われた。そこで示された介護報酬の新単価をみて、4月以降の事業経営に頭を悩ませている人が多いだろう。...【全文>>】
2012/01/23
- 第6回 特養の内部留保批判に応える
- 厚労省は、2011年3月末の段階での特養1.087施設の貸借対照表を分析し、その結果、内部留保の平均は一施設当たり3億782万円1000円となったと公表した。これは「政策事業仕分け」で指摘された、「職員の待遇改善は2兆円の内部留保で対応すべきであり、...【全文>>】
2011/12/26
- 第5回 いのち
- 2011年は日本人が忘れることのできない年になった。3月11日の震災で3万人近い人々の命が一瞬にして失われた。明日という時間を突然奪われた人々がいるという事実に直面して、残された我々は何をすべきなのか。それは命の尊さをもう一度問い直し、...【全文>>】
2011/09/20
- 第2回 そして誰もいなくなった、では済まない
- 下記の表は厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」という資料の「介護職員の実数の推移」というグラフである。この表のサブタイトルは「介護保険制度の創設以後、介護職員数は大幅に増加しており、倍以上になっている」である。つまり...【全文>>】