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第159回 生産性向上に繋ぐ5S活動〜会議室をラウンジに変えよう

2025/11/17

介護人材不足が叫ばれて久しい介護業界。それでも介護保険制度が始まった2000年から2022年までは、毎年介護職員の数は、前年より増加し続けていた。ところが、2023年10月10日時点の介護事業者に所属する介護職員数が、約212.6万人となり、前年比で2.9万人減少したと、昨年12/25に厚労省が発表した・・・介護関係者にとっては、なんともショックで哀しい、クリスマスプレゼントとなったわけである。

全産業で、労働力不足が叫ばれている我が国の現状から考えると、介護職員数減という状況が、劇的に改善される見込みはない。そのような中で要介護者数は、2042年頃まで増え続けるのである。その為、介護DXの推進により、生産性向上が急がれる介護事業である。
(※介護DXとは、介護の仕事もICTやAIロボットを活用した新しい形を模索するという意味)

だが、人の手に替わることができない部分が多い介護の仕事では、テクノロジーを導入するだけだと、生産性向上の効果はあまり期待できない。だからこそ仕事の流れを見直して、どの部分にムリ・ムダ・ムラがあるかを洗い出す5S運動が、介護生産性向上の肝になる。

5S運動とは、今さら言うまでもなく整理・整頓・清潔・掃除・躾のことである。介護業務を気持ちよく行うためには、介護支援の場を清潔に保つために、掃除を習慣づける躾は重要である。それだけではなく、介護職の仕事もきちんと整理整頓して、介護職には、専門職でなければできない仕事に注力させるために、バックオフィスでできる仕事は、そちらに回していくという考え方が必要だ。

しかし、生産性向上を優先するあまりに、従業員の働く環境が悪化すれば、従業員は定着しない。介護生産性向上の最たるものは、介護スキルの高い職員が定着し、後進を育てながら、質の高いサービスを、利用者に提供することなのだから、働きやすい職場環境の向上は、欠かすことができない要素である。そうした視点から5S活動を考えたとき、例えば会議室に集まって行う話し合いは、やめるということも必要になる。特に広域型の介護施設など、職場面積が広ければ広いほど、介護のために集まる時間が、かかってしまうことになる。それは非常に無駄な時間だ。だからこそ、リモート会議のための環境・設備を整え、どうしても必要な会議・話し合いは、介護実務の場から離れずに、行うという意識改革も必要だ。

そのような会議が習慣化すると、従業員専用の会議室が要らなくなる。そこを従業員専用のラウンジに改装して、無料のフリードリンクサーバなどを設置し、休み時間に従業員がゆっくりと、くつろぐことのできる空間を創ることが重要だ。

かつての介護施設等は、従業員が昼食をとる場所もなく、休み時間に慌ただしく、利用者の生活空間で、食事を摂るということが当たり前であり、その際には利用者対応も同時に、行わねばならないことが多々あった。そのため十分な休息時間を取ることが難しかったり、はばかられたりした。今後の介護事業者では、そのような環境で人材が張り付くことも、定着することもないと云える。休み時間は、従業員専用ラウンジでゆっくりとくつろぎ、十分な休息をとって、休み時間を終えたら、パフォーマンスの高い仕事をするという、スタイルが望ましい。

そういう空間があることで、従業員の心に余裕も生まれ、休み時間に従業員同士で話が弾んだ結果、介護サービスの質の向上につながる、アイディアも生まれるという可能性だって考えられる。介護事業経営者は、こうした空間づくりは、将来的に必要不可欠になると考えて、ここに投資すべきだ。それが、人材確保と定着の近道となり得るのである。

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