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■第166回 制度の根幹を揺るがすケアマネジャー高齢化問題

2026/10/05

介護労働安定センターが7月29日にマスコミ向けに公表した、「令和7年度 介護労働実態調査結果」では、介護支援専門員(※以下、ケアマネジャーと略)の高齢化が一段と進んでいる実態が明らかになった。
ケアマネジャーの平均年齢は、介護に携わる職種の中で最も高い55.1歳。前年度の54.3歳から0.8歳上がった。ホームヘルパーの平均年齢は、51.1歳で、ケアマネジャーはこれを4歳も上回っている。ケアマネジャーの年齢構成をみると、60歳以上の割合は35.4%。前年度の31.5%から3.9ポイント上昇し、全体の3人に1人を超えるに至っている。

このようにケアマネジャーの3人に一人が、65歳以上であるという現状を鑑みると、自分より年下の利用者を、担当するケアマネジャーも居たりすることが不思議ではなくなる・・・年齢を重ねても元気に現役として、働くことが出来ることは良いことだろうが、ケアマネジメントのごく間近の将来像を見据えると、この状況は深刻な問題を招きかねない。

既に全国各地で、ケアマネジャー不足が深刻化しつつあり、特に小さな町村では、居宅サービスを利用しようとする人が、町村内の居宅介護支援事業所から、キャパオーバーという理由で支援を断られ、町村外の居宅介護支援事業所を、探さざるを得ないケースも増えている。そもそも、町村内に一人親方の居宅介護支援事業所が、1か所しかない地域も増えている。そのような状況であるにもかかわらず、ケアマネジャーの平均年齢が55歳を超えている現状は、数年内に多くのケアマネジャーが現役を退き、ケアマネジャー不足に拍車をかけ、ケアマネジャー不在の空白地域が、爆増する懸念が生ずる。

実際にベテランケアマネジャーと呼ばれる人で、引退を口にする人も数多く見受けられる。それは自分の年齢を考慮しての判断というより、「ケアマネジャーを募集しても応募がないから、新しいケアマネジャーが入ってこない。これ以上、自分だけで頑張り続けられない」という理由を口にする人が増えている。ケアマネジャー不足が、更なるケアマネジャー不足に拍車をかけているのだ。

そんな風に、ベテランケアマネジャーが勇退していくと、大量のケアマネジメント難民が発生することになるが、その対策はほとんど取られていない。しかも来年度は、登録制となる有料老人ホーム利用者のケアプランを担当する、相談支援の新類型として、「登録施設介護支援」が創設され、そこにもケアマネジャーを配置せねばならない。そこに新たに配置できるケアマネジャーは、どこに居るのだ・・・居たとしても、それによって居宅ケアマネジャーは、さらに減るのではないのか。

仮に担当ケアマネジャーが見つけられずに、かつセルフプランも建てられないとしても、償還払いで介護保険の居宅サービスは利用可能だ。だがそうなるケースが増えると、サービスを計画利用することで、効果的・効率的に自立支援を図り、国民の福祉を向上させようという介護保険制度の理念から外れざるを得ず、介護保険制度の根幹を揺るがしかねない問題である。

それに対する唯一の処方箋は、若い人がケアマネジャーになりたいと思える、仕事に見合った報酬を得られるようにすることだ。そしてその報酬とは、ほぼ100%公費なのだから、国が主導して、居宅介護支援費を大幅に引き上げるなどの決断が必要である。ちなみに介護労働安定センターが、公表した近直のケアマネジャーの平均月収は259.950円で、看護職員より3万円以上低くなっている。他産業平均とは6万円以上低い数字だ。若者がこぞって目指したくなる職業ではないことが、この数字からも見て取れるだろう。

ケアマネジャーの待遇改善は待ったなしである。

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