HOME > U+(ユープラス) > 奇論・暴論 > 第296回 二足のわらじ
2013/04/01
才能というのは、すごい。プロ野球、日本ハムの大谷翔平選手である。「選手」というのも適当かどうか。守備のポジションに応じて、投手は「投手」、後は「選手」と呼ぶことが多いが、大谷「選手」は「投手」でもあり、「野手」でもある「二足のわらじ」で、「投手」と呼ぶか、「選手」とするか、出場日によって呼び分けなければならない。ここでは、いささか失礼ながら「君」と呼ばせてもらう。
高校卒業後、米国大リーグ入りを目指していたが、ドラフトでくじを引き当てた栗山監督の熱心な勧誘で、日本のプロ野球入りを決断させた。
オープン戦をみる限り、投手としても打者としても優れた素質を感じさせる。元々、高校野球では、エースで4番打者というパターンが多く、プロ野球入りの際に、おなじような悩みに直面した。そのままプロ投手で大成功した名投手も数多いが、打者に転向して歴史に名を刻んだ王選手やイチロー選手もいる。しかし「二足のわらじ」の成功例は聞かない。
筆者の期待をいえば、160キロという史上最速のスピードボールでバッタバッタと打者を打ち取る大谷投手を見たい。恵まれた身体を活かして、三振の山を築く大谷投手を見たい。
スポーツ界には次々と期待を担う若者が育ってくる。同様に、コンピューターソフトの世界にも優秀な若者が育っているはずだが、いかんせん、ソフトの世界は、開発者の名前が表に出ない仕組みで、優秀な若者がいるのかどうかもわからない。
ソフトにもしっかり署名をして優秀な技術者がクローズアップされる仕組みに変えられないものか。そういう仕組みができれば、素質を持った若者が集まってくるのではないか。