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ICT製品開発事例 > オイテミンホン

オイテミンホン

製品概要

ICタグが取り付けられた図書をかざすだけで、図書に関連する様々な情報が表示される「ICタグ連動型図書情報表示システム」です。

かざした図書が、どのような人に多く借りられているのか等の関連情報や、その図書に関連する図書を表示し、他にどんな図書がおすすめかをユーザーに紹介します。画面上の関連図書を選択することで、さらにその詳細を閲覧することができ、図書から図書へ連鎖的に読みたい図書を探すことができます。

(システム概要:左写真3枚目)
図書に取り付けれたICタグから図書情報を読み取り、その図書の関連情報をデータベースから受信し、画面に表示します。画面を操作して表示させた関連図書の基本情報や配架場所は、レシートプリンターで印刷することができます。

開発の背景と流れ

弊社では図書やCD・DVDなどにICタグを貼付し、貸出・返却・蔵書点検・盗難防止などの図書館の業務負荷を軽減し、図書館の運用効率アップのお手伝いをしてきました。このICタグを活用し、ユーザーにとってより便利なサービスの開発を目標として、プロジェクトがスタートしました。

知る、つくる、評価する
  • 図書館や書店で利用者が図書を探す様子の観察、図書館利用者へのインタビューを行いました

  • 調査結果から導いたコンセプトをもとに、プロトタイプを作成しました

  • プロトタイプをユーザーに実際に使ってもらい、修正・改善を繰り返しました

ユーザー中心設計を用いて実現した機能

図書に関する情報を見る

ユーザーは書架から図書を手に取ると、しばらくその場に留まることが分かりました。それは、まず簡単にその図書にまつわる情報を得たいからです。そこでICタグを使って、手に取った図書をかざせば、即座にその図書についての情報を表示するようにしました。

  • ユーザーの要求

関連図書を探す

図書館の観察調査から、ユーザーの図書の探し方は単調であることが分かりました。そこで、かざした図書に関連する図書情報を表示するようにしました。同じ著者の著書・同じテーマの図書のほか、おすすめの図書を知ることができます。表示されている関連図書をタッチすると、さらにその図書の関連図書が表示されるので、連鎖的に読みたい図書を探していくことができます。

  • ユーザーの要求
ユーザー中心設計の取り組み

様々な図書館で利用者が図書を探す様子を観察し、利用者の情報収集の仕方を調査しました。

ユーザー中心設計活動写真

利用者がどのような方法で図書を探しているのかを知るために観察調査を行いました。多くのユーザーは、(1)目当ての図書タイトルか著者が分かっている場合は、検索システムを使って図書を探す、(2)気になる分類の書棚に向かい、図書の背表紙を流し見する、のいずれかの方法でしか図書を探していないことが分かりました。また、いずれの方法でもユーザーは、書棚から目的の図書・気になった図書を取り出した後、パラパラと流し読みする、目次を眺る、著者の略歴を読むなどし、自分が本当に読みたい図書なのかを判断したいことが分かりました。一方、書店でも観察を行い、限られたスペースで図書へお客さんの関心を引きつける、陳列の仕方や手書きPOPなどの様々な方法を調査し、人と図書の出会いを促す図書検索のあり方を導き出しました。