HOME > U+(ユープラス) > 電子自治体の行政情報化ニュース > 自治体IT革命の今日、明日 第249回 「テレワーク、その3『新型コロナウィルスと在宅勤務』」

U+(ユープラス)

U+のTOPへ

電子自治体の行政情報化ニュース

コラムニストの一覧に戻る

自治体IT革命の今日、明日
第249回 「テレワーク、その3『新型コロナウィルスと在宅勤務』」

2021/06/07

 6月「水無月」、5日は24節季の「芒種」です。「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、稲などの穀物の種をまく時期という意味です。田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期。梅雨入りも間近で少し蒸し暑くなってくる頃です。
 ・・・ 暮らし歳時記 ・・・

(前回より)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎「テレワーク、その1『テレワークとは』」
「テレワーク、その1『テレワークとは』」 | U+(ユープラス) 電子自治体の行政情報化ニュース | 内田洋行 (uchida.co.jp)

◎「テレワーク、その2『チャットとビデオチャット』」
「テレワーク、その2『チャットとビデオチャット』」 | U+(ユープラス) 電子自治体の行政情報化ニュース | 内田洋行 (uchida.co.jp)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(以上)

 テレワークとは、勤労形態の一種で、情報通信技術を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語。在宅勤務、モバイルワーク、リモートワーク、フレキシブルワークプレイスとも呼ばれる。また、テレワークで働く人をテレワーカーと呼ぶ。 一般的にはこう理解されている。

〇「在宅勤務」と「テレワーク」は密接な関係にある概念であるが、両者には違いがある。
・テレワーク
 中央に配置された作業スペースの外で行われるあらゆる種類のテクノロジーを利用した仕事(自宅で行われる仕事、外線通話などを含む)は、テレワークとみなされる。
・在宅勤務、
 従来のオフィスを維持し、通常は週1日から3日の間、別の勤務地で仕事をすることが多い。在宅勤務とは、より具体的には、通勤時間を短縮できる場所で仕事をすることを指す。このような場所には、ブロードバンド接続、コンピュータや電話回線、そして相互作用やコミュニケーションに使用されるその他の電子メディアを介して促進される、家庭内やその他の遠隔地の職場がある。

〇「テレワークの4つの側面」
1.中央集権的な組織の職場以外であればどこでもよいという勤務地
2.テレワークを技術的にサポートするためのICTの利用
3.従来の職場で置き換えられていた時間の配分
4.雇用主と被雇用者の間の雇用関係の多様性(契約労働から従来のフルタイム雇用まで)

〇在宅勤務のルーツ
 1970年代初頭の技術にある。当時は電話回線をネットワークブリッジとして使用したダム端末を使って、サテライトオフィスと都心のメインフレームをリンクさせた。後に継続的かつ指数関数的にテレワークのコストが低下し、同時にパソコンの性能と使いやすさが向上したことで、オフィスを自宅に移す道が開かれていった。
 1980年代初頭までには、支店や在宅ワーカーは、パソコンや端末エミュレーションを使って組織のメインフレームに接続することができるようになった。テレワークは、グループウェア、仮想プライベートネットワーク、電話会議、ビデオ会議、バーチャルコールセンター、Voice over IP (VOIP)などのツールや、高品質のノートパソコンの低価格化によって促進されている。ブロードバンド・インターネットは、労働者が長距離の通信を可能にし、移動時間とコストを大幅に節約できるため、企業にとって効率的で有用なものとなる。
 ブロードバンド・インターネット接続が一般的になるにつれ、自宅でこれらのツールを使用して企業のイントラネットや社内電話ネットワークに接続するための十分な帯域幅を持つ労働者が増えてきている。
 ローカル・エリア・ネットワークの採用により、リソースの共有が促進され、クライアント・サーバ・コンピューティングにより、さらに大きな分散化が可能になった。
 今日では、在宅勤務者はノートパソコンを持ち歩くことができ、オフィスでも自宅でも、ほぼどこでも利用することができる。クラウドコンピューティング技術とWi-Fiが利用できるようになり、持ち運び可能なハードウェアとソフトウェアを組み合わせてリモートサーバにアクセスすることが可能になった。
 さらに、技術の向上と普及に伴い、スマートフォンはテレワークにも広く使われるようになってきている。スマートフォンは、労働者の移動性と組織との連携の度合いを大幅に向上させる。携帯電話やパーソナルデジタルアシスタント、パーソナルデジタルアシスタントデバイスの技術は、テキストメッセージ、カメラの写真、ビデオクリップを介して、いつでもどこからでもインスタントコミュニケーションを可能にする。

〇職務特性理論
 在宅勤務のメリットとデメリットのいくつかは、仕事の特徴やタスクそのものが従業員の仕事に対する態度や行動に影響を与えるという職務特性理論によって説明することができる。
・5つの職務特性
 1.技能多様性、
 2.タスク完結性、
 3.タスク重要性、
 4.自律性、
 5.フィードバック
 仕事に5つの特性があれば、その仕事に就いている従業員は、仕事に対する内発的なモチベーション、自己成長の機会に対する満足感、仕事に対する全般的な満足感、仕事のパフォーマンスの向上、欠勤や離職の減少などを経験することになると考えられている。
 多くの研究で、仕事の特性が従業員の行動や態度に影響を与えるという根拠が示されている。さらに、職務特性は個人差と相互作用して、労働者の態度や行動に影響を与える。
 これら5つの職務特性のうち、テレワークは特に対面での仕事と比較して自律性とフィードバックが変化するため、従業員の行動や態度に影響を与える可能性がある。職務特性理論によれば、自律性とフィードバックの変化は、技能多様性、タスク完結性、タスク重要性の変化よりも、仕事の行動や態度に影響を与えるとされている。

・自律性
 自律性は経験豊富な責任に影響を与え、仕事が自由、独立性、スケジュールの柔軟性をもたらしている場合、その人は自分の仕事の結果に責任を感じるはずである。テレワークは、オフィスの外にいることで労働者に多くの選択肢を与えてくれるので、スケジュールの柔軟性と自由をもたらす。テレワーカーはオフィスでのルーチンに固執する必要はなく、一日のうちのさまざまな時間帯に仕事を移すことが可能である。テレワークによって、従業員は最高の仕事ができるように、働く場所、働く時、そして働くために着るものさえも自由に選ぶことができる。テレワーカーは、自分の仕事をコントロールし、説明責任があると感じる程度には、より多くの責任を経験することができる。また、テレワークの自律性により、仕事と家庭の対立が少なくなる。テレワークは、家族との衝突を避けるために仕事を自由にアレンジすることが可能である。人生の要求に対するコントロール性が高まることは、テレワークの主な魅力の一つである。従業員が感じるテレワークの自律性のレベルは、スケジュールの柔軟性や家庭の規模など、さまざまな要因に依存している。仕事と家庭の衝突が減るだけでなく、レクリエーション活動との衝突も減る。時間制限の自由度の増加と減少は、労働者が社会的や物理的なものであるかどうかにかかわらず、より多くのレクリエーション活動に参加することができるようになる。
・フィードバック
 職業の特性の次元であるフィードバックは、結果に関する労働者の知識を増加させる。フィードバックは個人が仕事の活動に関連した自身のパフォーマンスについての直接的で明確な情報を受け取る程度を指す。フィードバックは、従業員が自分のパフォーマンスについて継続的に学ぶために特に重要である。テレワークでは、テレワーカーのための手掛かりが少ないため、情報を解釈して得ることが難しく、その後、フィードバックを受け取ることが難しくなる可能性がある。労働者がオフィスにいない場合は、割り当てや期待など、限られた情報とより大きな曖昧さが見られる。役割の曖昧さは、状況に対して労働者が何をすべきか不明確な期待を持っているときに、より大きな競合、フラストレーション、そして疲労につながる可能性がある。
 フィードバックの相互作用には、個々のニーズに合わせたコミュニケーションが重要である。人は、性格や気質の違いにより、コミュニケーションの必要性や環境との社会的なつながりのレベルが部分的に異なる。テレワーカーではコミュニケーションのレベルが低下することがあるが、在職期間が長く、社会的関係ではなく機能的な関係を持っている人など、一部のサンプルでは、コミュニケーションのレベルに対する満足度が高くなることがある。フィードバックやコミュニケーションは、マネージャーの勤務地によっても影響を受けることがある。マネージャーがテレワークをしていると、明確さ、応答のスピード、コミュニケーションの豊かさ、頻度、フィードバックの質が低下することがよく見られる。

2021年06月02日

上記のコラム購読のご希望の方は、右記の登録ボタンよりお申込みください。

登録はこちらから