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you me(ユメ)ワインナビ

製品概要

you me(ゆめ)ワインナビは、キリンビール株式会社様、メルシャン株式会社様、株式会社イズミ様と内田洋行で共同研究開発したワイン検索システムです。

you meワインナビのターゲットユーザーである主婦層にとって「購入の決め手」となる要件を導き出した結果、「具体的な味のイメージができる」、「価格に納得がいく」、「他人の評価が良い」という3点の情報を的確に提供することがシステムのコンセプトになっています。
タッチパネルを活用した検索に加え、付属のバーコードリーダーにワインのバーコードをかざすことで、そのワインの詳しい情報を得られる「ダイレクト検索」も可能です。難しく感じられがちなワイン選びを気軽に楽しむ手助けをします。(左写真3枚目)

開発の背景と流れ

キリンビール株式会社様、メルシャン株式会社様、株式会社イズミ様と内田洋行で共同研究開発を進めていたワイン検索システムのバージョンアップを図るため、ユーザー中心設計のプロセスを取り入れ、デザイン改善を行いました。ターゲットとコンセプトを明確にするフェーズを重視し、それらを画面フローやレイアウトに的確に反映することを試みました。

知る、つくる、評価する
  • 巷にある小売店でお客様のワイン選びの行動を観察しました

  • 観察結果からターゲットユーザーを定義し、ユーザー要求をシステムに反映していきました

  • プロトタイプシステムを開発し、実際の小売店で数週間実証実験を行いました

ユーザー中心設計を用いて実現した機能

料理からワインを選ぶ

「さわやかな酸味とほどよいコク」などの言葉はよく耳にしますが、こうしたコメントでは具体的なイメージを持ちにくいというのが、フィールド観察調査から得た結果でした。一方で、「濃厚ソースのハンバーグに合うワイン」や「トマトの冷製パスタに合うワイン」と言われれば、少しワインの味がイメージできるのではないでしょうか。ターゲットが主婦層ということもあり、料理から味をイメージしてワインを選ぶという行為が自然に当てはまると考えられたため、コンセプトを実現する機能として「料理から選ぶ」検索を採用しました。

  • ユーザーの要求
ユーザー中心設計の取り組み

プロトタイプシステムを用いた実証実験から仮説を導き出し、仮説をシステムに反映させるためのフィールド観察調査を行いました。

ユーザー中心設計活動写真

プロトタイプシステムを実際に使用したユーザーに対してアンケート調査を実施したり、店舗の担当者に対してインタビュー調査を行ったりしました。そのような実証実験から得られた仮説をシステムに反映させるために、ワイン売り場でのユーザーの行動を観察するフィールド観察調査を行い、その文脈にもっとも適したシステムのあり方を考えていきました。プロジェクトメンバーの間で観察のポイントを共有し、メンバーそれぞれが、大型スーパーの酒売場付近で買い物をするユーザーの行動を細かく観察・記録し、調査を進めました。フィールド観察調査で得られたデータは、付箋紙を使ったカードマッピングで分析を進めました。

価格からワインを選ぶ

ワイン売り場によくある価格順に並んだ陳列棚の前でのユーザーの行動を観察すると、多くが自分の中での価格の基準を持っており、その範囲内で移動しながら商品を選ぶということがわかりました。このことから、システムの中でも希望の価格帯のワインにスムーズにたどり着くことができ、その価格帯の中を行き来しながら吟味できることで、「価格に納得できる」ワインを選べると考え、そのような振る舞いを「こだわり検索」画面に反映しました。

  • ユーザーの要求
ユーザー中心設計の取り組み

フィールド観察調査の分析結果からターゲットユーザーの定義を行いました。

ユーザー中心設計活動写真

フィールド観察調査からユーザーに女性が多く見られたこと、また夫婦など2人で来店している場合も、購入の決定権は女性が持っていることが多かったことなどから、メインユーザーは女性とし、セグメントの横軸には年齢層を設定しました。さらに、ワインに対する知識の度合いによって売り場での行動が大きく変わると考えられたため、セグメントの縦軸にワインに対する知識の度合いを設定しました。この二軸からターゲット層は、ワインに興味があり、家庭で気軽に楽しみたいが一人で選ぶにはやや敷居が高いと感じてしまったり、たくさんのワインの中からひとつを選びきれず結局いつものビールを買ってしまったりするワインにあまり詳しくない30〜40代の主婦層と設定しました。