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自治体IT革命の今日、明日
第245回 「デジタルトランスフォーメーション、その5『DXレポート、2025年の崖』」

2021/02/08

 2月「如月」、3日は24節気の「立春」でした。
 二十四節気の最初の節気で、この日から暦の上では春となり、さまざまな決まりごとや節目の基準になっています。旧暦では立春近くに正月がめぐってきたので、立春は春の始まりであり、1年の始まりでもありました。まだまだ寒さは厳しいですが、立春を過ぎてから初めて吹く強い南風を「春一番」といいます。
 ・・・ 暮らし歳時記 ・・・

(前回より)
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◎「デジタルトランスフォーメーション、その1『DXとは』」
 「デジタルトランスフォーメーション、その1『DXとは』」 | U+(ユープラス) 電子自治体の行政情報化ニュース | 内田洋行 (uchida.co.jp)

◎「デジタルトランスフォーメーション、その2『DXガイドライン』」
 「デジタルトランスフォーメーション、その2『DXガイドライン』」 | U+(ユープラス) 電子自治体の行政情報化ニュース | 内田洋行 (uchida.co.jp)

◎「デジタルトランスフォーメーション、その3『市川市DX憲章』」
 「デジタルトランスフォーメーション、その3『市川市DX憲章』」 | U+(ユープラス) 電子自治体の行政情報化ニュース | 内田洋行 (uchida.co.jp)

◎「デジタルトランスフォーメーション、その4『DXの定義・背景・課題』」
 「デジタルトランスフォーメーション、その4『DXの定義・背景・課題』」 | U+(ユープラス) 電子自治体の行政情報化ニュース | 内田洋行 (uchida.co.jp)
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(以上)

・経済産業省が推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?
 https://www.softbank.jp/biz/future_stride/entry/column/20200226/

 DXとは、もともとは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念のことを指します。
 2004年、スウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマン氏によって初めて提唱されました。
 日本におけるDXは、2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を取りまとめたことを契機に広がり始めます。
 同ガイドラインでは、DXの定義を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と、より明確かつ具体的に示しています。

・「DXレポート」に書かれた衝撃の事実「2025年の崖」とは
 「DXレポート」には、ガイドライン策定の提案とともに、多くの企業において既存システムが老朽化したり、ブラックボックス化したりしている実態が報告されています。
 ブラックボックス化が起こる原因としては、システムを構築した担当者が退職でいなくなったことや、自社の業務に合う細かいカスタマイズを加えた結果、プログラムが複雑化したことなどが挙げられています。
 「DXレポート」は、このように老朽化・ブラックボックス化した既存システムが、環境変化や新たな事業に対応できない、保守・運用のためのコストがかさむといった問題を生み、DXの推進を阻んでいると指摘しています。
 さらに、既存システムの問題を解消できない場合、DXを実現できないだけでなく、2025年以降、日本経済には年間で最大12兆円の損失が生じる可能性があると警告。これが「2025年の崖」と呼ばれる問題です。

・DXが求められる理由
 企業にDXが求められている理由は、主に3つあります。

1.デジタル化によるビジネスの多様化
 今は、あらゆる産業でamazon.comのような新規参入者が現れ、次々と新たな製品やサービス、ビジネスモデルが生まれる時代。この流れについていくには、DXの推進が不可欠だと考えられています。
2.「DXレポート」でも指摘されている既存のITシステムの老朽化
 多くの企業で、既存システムは限界を迎えつつあり、既存システムのままでさらなる成長につながる新しい事業を始めることは難しくなってきています。
しかも、複雑化した既存のシステムを使い続けるだけで、高い維持費がかかります。また、システムが事業部門ごとに構築されていて、部門間の連携や企業全体でのデータ活用ができない状態になっているケースもあります。この場合、最先端のデジタル技術を導入しても、効果は限定的にならざるを得ません。
「2025年の崖」を目前に控えた今、新システムへの移行は企業にとって急務なのです。
3.消費者のマインドの変化
 近年では、消費者の多くが、製品を買って所有することよりも、楽しい体験で得られる満足感や生活を豊かにすることを重視するようになりつつあります。
つまり「モノ消費」から「コト消費」への移行が進んでいるのです。
 そのため企業側には、時代にふさわしい価値あるコトや体験を提供するビジネスモデルへの移行を目指して、システムはもちろん業務や組織全体を変革していくことが求められます。

・DX推進に必要なテクノロジー
IoT:
 「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」とも呼ばれます。
建物や車、機器など、これまでインターネットに接続されていなかった「モノ」をインターネットに接続し、モノや場所の状態、人間の行動といった情報を収集したり分析したりして、新たなサービスを生み出す技術です。
AI:
 学習や言語の理解、予測、問題解決など、これまで人間にしかできないと考えられていた知的な行動の一部を、コンピュータに行わせる技術を指します。
クラウド:
 メールソフトなどのソフトウェアやサーバ、ストレージなどのインフラを持っていなくても、インターネットを通じてそれらの機能を利用できる仕組みのこと。近年は、多種多様なクラウドサービスがあります。自社内にサーバなどを置いて管理するオンプレミス型のシステムを使う場合に比べると、システム維持費などのコストを大幅に削減できる可能性があります。
5G:
 「5th Generation」の略で、「第5世代移動通信システム」のこと。現在使われている4Gよりもさらに高度な無線通信システムです。4Gから5Gになることで、通信速度が約20倍になり、多数の端末への同時接続が可能になるといわれています。5GによりIoT化が加速するとも考えられています。

 否応なしに急速なデジタル化が進むなか、企業はそれに迅速に対応し、DXの取り組みを本格的に実践していかなくては競争力を維持することはできません。今後は自動車、金融、医療、製造など幅広い業種で加速度的に取り組みが進むでしょう。流れに遅れないためにも、まずはDX推進に向け企業が取り組むべき方向性を把握しておく必要があるでしょう。

2021年02月04日

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