「学び方変革」実現に向けて

「学び方変革」実現に向けて

内田洋行は、教え方や学び方の可能性を最大限に拡げる協働学習空間の設計や、児童・生徒の一人ひとりに最適化されたデータの活用方法に関する研究に取組んでいます。

文部科学省CBTシステム(MEXCBT)の取組み
〜内田洋行教育総合研究所〜

社会課題:「何ができるようになったのか?」子ども達の学習や生活等に係る状況を、今以上にきめ細かく子ども達自身や先生、教育委員会等が把握し、多様な子どもの一人一人の個性や置かれている状況に応じた個別最適な学びや指導を実現するため、教育データの効果的な利活用が重要になっています。令和5年度全国学力·学習状況調査の英語「話すこと」調査は、文部科学省が提供するCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」を活用し、児童・生徒1人1台の端末から、高速ネットワークを介して実施されます。

内田洋行の取組み:内田洋行教育総合研究所は、MEXCBTの開発·運営事業に教育関連企業や団体から構成される推進コンソーシアムの幹事企業として参画し、プロトタイプ開発から本格的な構築事業に携わっています。令和4年度はMEXCBTの継続利用や全国学力調査を実施するための機能改修について開発運営を行っています。内田洋行独自の取組みとして、MEXCBTに接続する学習eポータル「L-Gate(エルゲート)」の開発、提供も行っており全国では約700団体、約9,000校、約300万IDの導入、全国でトップシェアとなっています(2023年3月現在)。

コンピュータ利用テスト(CBT※)の取組み
出典:文部科学省令和3年度概算要求主要事項より抜粋
鴻巣市大芦小学校様 「L-Gate」のポータル画面。低学年でも見やすいアイコンで簡単に操作できる。
L-Gate「毎日の記録」管理画面
児童生徒の記録を即時に可視化。成長の見守りや予兆のみとり、早期支援につなげることが期待できる。
国際技術標準OneRosterを使用した名簿連携イメージ

さいたま市と教育データ活用基盤の事業連携を締結

さいたま市教育委員会様

社会課題:さいたま市教育委員会様では、GIGAスクール構想後の児童・生徒・教職員が「一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、新たな価値を創造していく力をはぐくむ教育の実現」を掲げ、「学び方」「教え方」「働き方」の3つの改革を進める「さいたま市スマートスクールプロジェクト」を立ち上げました。今後、学習履歴や稼働状況等のスタディログを分析することで、学校経営や児童・生徒毎に最適化された学習に役立てるなどが期待されています。さいたま市教育委員会様と内田洋行は、教育データ活用基盤の開発支援等で事業連携を締結いたしました。

内田洋行の取組み:教育データを可視化するスクールダッシュボードプロトタイプ開発の中心的な役割を担います。学習e-ポータルや統合型校務支援システム等とデータ連携し、生徒の個別学習や学級の状況、指導記録等の情報を集約して可視化します。短時間に多くの情報を俯瞰できるため、教職員の労働時間短縮や学びの深化に繋がると期待されています。

教育データ活用基盤の開発支援
教育長 細田 眞由美氏と内田洋行 代表取締役社長 大久保 昇
子どもの学びを活かすスクールダッシュボードのプロトタイプ開発(イメージ)
スクールダッシュボードの開発支援

鴻巣市と最先端の教育ICT空間を構築、事業連携を締結

鴻巣市教育委員会様

社会課題:鴻巣市様は、強固なゼロトラストセキュリティや教職員用のPC統合・テレワーク環境整備、フルクラウド化など国内最先端の教育ICT環境として内田洋行が総合的に構築を実施しました。令和6年度までの「鴻巣市学校教育情報化推進計画」では、『新しい時代で活躍するために必要な資質・能力』の育成を目指し、探求的な見方や自律的な考え方を働かせる総合的・教科横断的な学習を重視しており、様々な体験プロセスを学ぶ教室空間が求められていました。内田洋行は新たに鴻巣市様と学ぶ場の変革を推進するためにPBL型学習(Project Based Learning:問題解決型学習)と21世紀スキル育成に関する事業連携を締結しました。研究推進の場として、鴻巣市立鴻巣中央小学校に学習空間「のすっ子未来教室」を開設し、教育ICT人材育成の教員研修や授業デザインの開発などを行います。

内田洋行の取組み:遠隔地との等身大サイズでダイナミックな授業を行える大型スクリーン等のフレキシブルな教室デザインとICTを導入。積極的な創作を支援するため、高性能パソコンとモニターを配備し、デジタルコンテンツ動画制作やプログラミングなど協働した学びを作品化し、意欲的に発信を行う環境としています。全国3万校に向けたポストPC教室のリノベーション提案として、他自治体への横展開を見据えた新たな需要開発に取り組みます。

「のすっ子未来教室」発表ステージの場。積極的な創作活動を発信。
リアルサイズで投影できるリアルサイズプレゼンターでコウノトリの羽を広げた大きさを確認。
左から、永塚 壽一氏(鴻巣市立鴻巣中央小学校 校長)、齊藤 隆志氏(鴻巣市教育委員会 教育部部長)、高橋 大造氏(インテル執行役員)、大久保 昇(内田洋行 代表取締役社長)、望月 栄氏(鴻巣市教育委員会教育長)、並木 正年氏(鴻巣市長)

京都大学学術情報メディアセンターとの教育データ活用にかかるAI技術共同開発
〜内田洋行教育総合研究所〜

社会課題:児童・生徒1人1台の端末整備が加速し、テスト等をコンピュータで実施するCBT も行われる等、データを蓄積できる環境やデータを生かすAI 活用の研究も進んでいます。ただ、学校教育現場では、AI が解析したデータに学習者が納得できなければ、主体的な意欲を引き出せないという課題があります。

内田洋行の取組み:内田洋行教育総合研究所と京都大学学術情報メディアセンター緒方広明教授は、単に問題が自動的に提示されるだけではなく、学習者がより納得して課題に取り組めて、先生が児童・生徒のつまずきを把握して適切な指導を行えるよう、より学習・指導に有効な分析データを導き出す「説明できるAI」の開発を行っています。京都市教育委員会・滋賀県教育委員会等と連携し、指定校にて実証研究を推進しています。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託研究として採択されました。

京都大学による教育用説明生成AIエンジンによるデータに基づく教育改善のイメージ
滋賀県教育委員会・京都大学・内田洋行による三者連携協定の締結(2021年2月)

東京大学とネーミングプランの協定を締結

東京大学様の駒場アカデミック・ライティング・センター内の空間設計とICT機器の導入を行うとともに、東京大学様とその教室を対象としたネーミングプランに関する協定を締結し、「内田洋行 Future Class Room Laboratory」として教室をオープンしました。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部の学生が活用する教室でも中心的なものとなり、学生面談や論文執筆の個別指導の教室として活用を行うとともに、今後は全学生を対象としたワークショップや研究発表会も開催予定です。

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部、駒場アカデミック・ライティング・センターでの締結式の様子。
教室内は可動式ファニチャーで、目的に応じながらグループワークを行い、躍動感のある議論を醸成する。

流山市・東京理科大学・ソニー・インタラクティブエンタテインメントとの産官学連携プログラミング教育へ参画

千葉県流山市様は、内田洋行、東京理科大学、ソニー·インタラクティブエンタテインメントの産官学での協力のもと、小学校から中学校まで9年間を対象としたプログラミング教育を開始しました。内田洋行はその計画策定に協力し、子どもの創意工夫を引き出すロボットトイ「toio™(トイオ)」を用いた、児童・生徒の発達段階に応じた教科横断的なカリキュラム及び指導案、オリジナル教材開発等を行いました。全小中学校27校に導入し、既に約9,600人の児童が授業を受けています。生活や算数、英語に加えて、2023年度には国語や社会などにも拡大していく計画です。

左から、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 伊藤 雅康副社長、内田洋行 大久保 昇社長、流山市教育長 田中 弘美氏、流山市市長 井崎 義治氏、東京理科大学 副学長 井手本 康氏、滝本 宗宏教授
流山市立東小学校で、3年生と5年生のプログラミングの公開授業が開催されました。

北海道教育大学、宮城教育大学との包括的事業連携協定
〜内田洋行教育総合研究所〜

社会課題:GIGAスクール構想の進展に伴い、全国の小中学校に1人1台端末が導入されました。今後の教員養成では、ICT機器や環境を使いこなしながら、子どもたちの「情報活用能力」を発揮させる新たな教員像が求められています。これを踏まえ、各教員養成大学でも、資質向上のための様々な取り組みが必要とされています。

内田洋行の取組み:北海道教育大学と「先端のICT環境活用についての包括連携協定」、宮城教育大学と「情報活用能力育成に向けた包括連携協定」をそれぞれ締結しています。この中で、学びへのエンゲージメントを高めるICT活用に関する実証研究を実施するほか、情報活用能力の育成・発揮に関する研究、教員養成段階にある学生及び教員研修での新たな学修環境の在り方を検討します。

左から、北海道教育大学 蛇穴 治夫学長、内田洋行 大久保 昇社長(2020.12当時)
左から、宮城教育大学 村松 隆学長、内田洋行 大久保 昇社長(2021.3当時)
内田洋行フューチャークラスルームラボ(FCR Lab.)※宮城教育大学内

復興支援の取組み 被災地区で理科実験の出前授業を実施

内田洋行は東日本大震災直後から現在まで支援活動や復興に向けた取組みを行ってまいりました。

内田洋行は2011年より自然災害被災地区の小学校に向けて理科授業を行う公益社団法人日本理科教育振興協会の復興支援事業に協力しています。2022年は水害、土砂災害で被災された熊本県、広島県の教育委員会から応募のあった小学校9校が選定され、内田洋行は3校4回(91名)の理科授業を実施しました。

被災によって理科室が使えない、理科実験機器が消失してしまった小学校に機材を持ち込み、新学習指導要領に準拠した理科授業を実施しています。

2011年度からの実績

時期場所授業回数人数
2011年度宮城県、岩手県 10校17回578名
2012年度宮城県、福島県 7校12回410名
2013年度福島県 4校7回171名
2014年度岩手県、宮城県、福島県 8校13回312名
2015年度福島県、岩手県 4校10回216名
2016年度福島県、岩手県 5校19回481名
2017年度福島県、岩手県 5校11回252名
2018年度岩手県、宮城県、福島県 5校10回189名
2019年度宮城県、福島県 3校7回173名
2020年度岡山県、倉敷市 1校3回84名
2021年度熊本県、球磨郡球磨村 1校2回49名
2022年度熊本県、人吉市立、球磨郡球磨村 3校4回91名
熊本県人吉市立中原小学校
球磨村立一勝地小学校

国際教育支援

国際プレゼンテーション大会「ワールドユースミーティング(2022年第25回)」は、国内・海外高校・大学58校が連携し、SDGsをテーマにネットワーク活用による事前交流、来日後の英語プレゼンテーションを通しての協働作業、世界遺産見学、ホームステイによる異文化理解体験を推進しています。内田洋行は国際交流の主旨に賛同し継続した支援を行っています。

国際交流事業「中国大学生日本語プレゼンテーション大会(2022年第23回)」に賛同し、中国内陸部において日本語を学習する中国人大学生の日本語学習の促進と、優秀学生の訪日による日中相互の大学生同士の国際交流活動を支援しています。2017年度より日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)にカンボジア国内2地点と日本を繋いで日本開発デジタル教材を活用した日本型「指導要領」の実践を支援しています。シェリムアップ、プノンペンの国立教員養成校で日本の小学校英語デジタル教材による指導法研修や日本とカンボジア間の2つの教員養成大学でICTの英語授業を導入、コンテンツ開発等を実施しています。絵画制作を通じて日本と海外の学校の相互理解を支援する一般財団法人ジャパンアートマイルの活動にも賛同しています。

2022年 国際プレゼンテーション大会ワールドユースミーティング
中国大学生日本語プレゼンテーション大会
Teacher Training Center in Siem Reap Eduport事業でカンボジア シエムリアップに1人1台端末環境を支援

「学び方変革」に関するお問い合わせ先