食品業向けパッケージシステム導入事例
阪神低温株式会社 様
左から蓮沼俊一阪神低温代表取締役社長、中嶋正輝同執行役員経営企画室管理本部長、山下洋一同経営企画室システムソリューション課課長代理
共通言語で相互理解を
業種 | 冷凍食品製造業 |
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導入システム | スーパーカクテル |
阪神低温の前身は1552年、新潟県長岡市で産声をあげ、漁業・魚問屋としてスタートした。1967年に阪神低温が設立され、現在は農水産冷凍食品とドライアイス加工販売が主要な事業となっている。近年の世界的な漁獲高の減少で、阪神低温はBtoBの素材販売から、魚介類を中心に簡単便利に調理できる具材をセットにしたミールキットのBtoCへ大きく業務領域を広げた。コロナ禍における巣ごもり需要も取り込んで売上げも増加し業容を拡大している。さらに新潟の基幹工場(エス・ティ・フーズ)への投資も行われ、2023年10月に完成予定だ。内田洋行の「スーパーカクテル(スパカク)」を導入し、グループ内での共通言語の確立や部門間の相互理解を図るなど、効率化に取り組んでいる。
手組みで部分最適
以前のシステムでは、長年にわたり主にMS Accessを中心とした自社開発システムを使用してきた。蓮沼俊一代表取締役社長は「各部門で最適化されていたものの、経営全体を俯瞰することが困難であり、必要なデータを取得するためには現場に行く必要があり、非常に効率が悪い」と感じていた。日常的に使うデータは取り出しやすいが、営業や経営から都度対応するものは時間が掛かった。BtoBからBtoCへの業務切り替えや少量多品種の主流化に伴い、現場での二重入力業務の削減や標準化の推進を目指し、データ入力の一元化と分析を行うことで経営判断の迅速化を進めている。
阪神低温はグループ全体で年商130億円、従業員は約230人を擁している。東京、福岡、名古屋に支店があり、兵庫と岩手に工場を2ヵ所保有している。グループ会社としてエス・ティ・フーズ(新潟)を所有する。
阪神低温はグループ全体で年商130億円、従業員は約230人を擁している。東京、福岡、名古屋に支店があり、兵庫と岩手に工場を2ヵ所保有している。グループ会社としてエス・ティ・フーズ(新潟)を所有する。
システム課を新設
基幹システムの導入は5年前に始まる。導入に際して、経営企画室にシステムソリューション課を新設し、システムに精通する山下洋一課長代理を採用した。山下氏によれば「自社グループ内で要件を取りまとめながら食品業界に強みを持つ五つのベンダーを厳選し、社内で2社に絞り込んだ上であらためて最終審査を行った結果、最高評価がスパカクだった」と言う。蓮沼社長は現場の社員が日々システムを使用するため、社員の意見を優先させた。しかしながら、工場や社内イベントごとに、「会社が大きく変わる時期であり、ハードウエアとソフトウエアの両方が変わらなければならない」という点を繰り返し強調した。経営からのサポートを受け、社内も変化を受け入れる体制を整え、グループ全体での機運を盛り上げた。
要件取りまとめ(RFP整理)が19年4月に開始され、20年10月にキックオフした。コロナ禍の影響で予定通りに進まなかったものの、オンラインを中心にプロジェクトを進め、23年2月に本稼働に至った。システムソリューション課設置から導入までに5年を要したが、「さまざまな課題を克服し、ようやく本稼働を迎えた」という満足感がある。
要件取りまとめ(RFP整理)が19年4月に開始され、20年10月にキックオフした。コロナ禍の影響で予定通りに進まなかったものの、オンラインを中心にプロジェクトを進め、23年2月に本稼働に至った。システムソリューション課設置から導入までに5年を要したが、「さまざまな課題を克服し、ようやく本稼働を迎えた」という満足感がある。
将来の不安解消へ
過去20年、手組みのシステムを少しずつ変更・運用してきたため「社内には大規模なシステム刷新の経験がなく、何から手を付けたらいいのか、どのように進めればいいのかなど、未知の領域に対する不安や将来を予測する難しさがあった」(山下氏)。内田洋行のエンジニアや営業担当者と連携しながら不安を解消していった。
カスタマイズでは、各部署の利益を「部門間損益」として管理できるようシステムに反映させた。しかし、効果・効率の面で「もっと詳細に問題を明確にしたうえで仕様化すべきだった」という課題もある。また、受発注・入出荷では、上流の営業部門の影響が下流の物流・倉庫部門におよび、効果的な仕様に落とし込めなかった。「物流・倉庫業務周辺の検討が後手に回り課題が多く残されていて改善はまだ必要だ」(山下氏)と言う。
カスタマイズでは、各部署の利益を「部門間損益」として管理できるようシステムに反映させた。しかし、効果・効率の面で「もっと詳細に問題を明確にしたうえで仕様化すべきだった」という課題もある。また、受発注・入出荷では、上流の営業部門の影響が下流の物流・倉庫部門におよび、効果的な仕様に落とし込めなかった。「物流・倉庫業務周辺の検討が後手に回り課題が多く残されていて改善はまだ必要だ」(山下氏)と言う。
お客様プロフィール
企 業 名 | 阪神低温株式会社 |
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代 表 者 | 代表取締役会長 蓮沼俊一 |
設 立 | 1967年 |
資 本 金 | 79,100,000円 |
従業員数 | 227名 |
事業内容 | 農水産冷凍食品事業、ドライアイス加工販売事業 |
U R L | https://www.hanshinteion.co.jp/ |
本事例は日本食糧新聞の取材記事です。
記載内容は取材時の情報です。
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