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【食品ITフェア2024 オンライン】 OCRシステム導入4年後の効果をオタフクソース様が語る!
FAX受注業務改善の成功要因とは!

2024/4/5 [食品,セミナーレポート]

広島県に本社を構え、ソースや酢、たれなど各種調味料の開発、製造、販売を手がける老舗企業 オタフクソース様。FAX受注業務改善について、その背景やOCRシステム「AnyFormOCR」選定のポイント、そして導入後4年経過しての効果をお話いただきます。

オタフクホールディングス株式会社
IT推進部IT推進課
岩井 基 氏

株式会社ハンモック
宇田川 勝敏 氏

会社概要

宇田川様:本日は、オタフクソース株式会社様のOCRシステム導入による「FAX受注業務改善」プロジェクトについて、同社IT推進部IT推進課の岩井 基様よりお話を伺いたいと思います。まず、会社概要からお願いします。

岩井様:オタフクホールディングスは、広島市に本社があり、ソースなどの調味料の開発・製造・販売を中心とするオタフクソース株式会社、食酢を中心とするお多福醸造株式会社、お好み焼き関連材料のお好みフーズ株式会社、物品のパッケージング全般を扱うOPP株式会社、天かすを製造する株式会社ナカガワの5つの会社からなります。オタフクソース株式会社は、ロサンゼルス、青島、マレーシアにも工場を持ちます。

宇田川様:当社、株式会社ハンモックについても簡単に会社概要を説明いたします。本社は東京都新宿区にあり、名古屋、大阪、福岡にも事業所があります。当社はソフトウエアメーカーであり、AIデータソリューション、ネットワークソリューション、セールスDXソリューションの3つの事業体に分かれています。本日はAIデータソリューションの1つであるAnyFormOCRのメーカーとして、オタフクホールディングス様にお話を伺います。

OCRシステム検討のきっかけ

宇田川様:オタフクソース株式会社様のシステム導入前の運用フローは以下の図のとおりです。

システム導入前の運用フロー

そもそもOCRシステム導入のご検討のきっかけは何だったのでしょうか?

岩井様:2019年頃から受注業務の改革検討をスタートしました。システム担当の立場から業務課題を洗い出し、どの業務をシステム化できるか検討した結果、受注業務におけるFAX受注の負荷が高いことが明らかになりました。そこで、FAX受注の効率化に的を絞り、システムの検討を行いました。

宇田川様:業務課題は、受注部門から出てきたのでしょうか。経営層から出てきたのでしょうか。

岩井様:改革の指示は経営層からでしたが、キックオフしてからは業務部門を巻き込みながら現場レベルで実施していきました。

宇田川様:抽出されたのはどのような課題だったのでしょうか?

岩井様:食品業界は皆同じだと思いますが、受注業務は、その日に受注したものを翌日には出荷しなければならないため、スケジュールがとてもタイトです。毎日500枚の注文書がFAXで届き、それを20人でさばいて午前11時には処理が終わっていなければなりません。短時間で集中的に作業が発生するために多くの人員が必要ですし、ダブルチェックを行ってはいましたが、入力ミスも発生していました。

宇田川様:それでOCRシステムの導入を検討し始めたのですね。何社くらいのシステムを検討されましたか。そして採用の決め手は何だったのでしょうか。

岩井様:最初は5、6社から情報収集し、機能面を比較して2、3社に絞り検討しました。採用にあたって重視したのは、①精度の高い認識率、②ユーザーが使いやすいこと、そして、③スモールスタートで自分たちでもコントロールできるアジャイル思考のシステムかどうかでした。

宇田川様:御社ではクラウド製品ではなく、弊社のオンプレミス製品を選択されました。その理由は何でしょう?

岩井様:受注業務は当社にとって大変重要なので、止めるわけにはいきません。ネットワーク障害などのリスクを考慮すると、クラウド製品よりも、自分たちでコントロールできるオンプレミス製品が良いと考えました。

AnyFormOCRの特長

宇田川様:ここで、オタフクソース株式会社様が採用された、当社の「AnyFormOCR」について少し紹介いたします。

AnyFormOCRは2015年にリリースし、300社で導入していただいている製品です。9割がFAX業務で使用され、食品業界でのご利用が多いです。
特長の1つは、お客様側で帳票定義ができること。直感的に操作でき、プログラミングの必要がありません。また、帳票は無限に増やすことができます。

次に、高い認識精度です。活字認識、手書き認識、バーコード認識、手書き日本語認識ができる4つのOCRエンジンを搭載しています。活字認識エンジンは、2011年に特許を取得したWOCRという製品のエンジンを搭載しています。
また、マスター翻訳など、実践的機能も豊富で、他システムとの連携が可能な点もAnyFormOCRの特長です。

AnyFormOCRとは!

導入時の苦労

宇田川様:AnyFormOCRの導入はスムーズでしたか。

岩井様:わずか半日の研修で現場の担当者が自分で帳票を定義して修正もできるようになりました。簡単な操作性が魅力ですね。また、認識精度もかなり高い。
最初にまず1帳票から作ってみて、徐々に追加していくという方法で導入しましたが、自社のペースでプロジェクトを推進できる柔軟性も非常に良かったですね。

宇田川様:導入後の作業フロー図を以下に示しました。

システム導入後の運用フロー

FAXで受け取った注文書をAnyFormOCRでデータ化し、人によるOCR結果の確認・修正を経て、基幹システムに受注データとして取り込むというフローになっています。ダブルチェックも不要ですし、受注データを基幹システムに入力するという作業も不要です。

岩井様:明らかに、受注作業の負荷は減少し、作業工数も削減できました。その分を別の業務に充てることができるようになりました。

宇田川様:導入時のご苦労や、現場の声はどのようなものでしょうか。

岩井様:導入が決まった時は、これまでの業務が変わることに対する現場の不安は大きかったですね。受注業務は大変重要で、現場の従業員もトラブル0を目指してがんばってきましたから、新しいシステムを導入することで何か不具合が生じるのではという漠然とした不安があったようです。現場の担当者に寄り添い、1つずつ丁寧に説明しながら進めていくことが苦労した点です。

宇田川様:現場の理解を得るためにどんな工夫をされましたか。

岩井様:最初は一気にシステムを導入できると思っていましたが、現場の不安の声が大きかったため、より慎重に検討を行い、さまざまな運用フローを想定し、リカバリープランも入念に考えました。万一不具合があった場合はこうすればいいと、シミュレーションをして見せることで、現場の人たちの不安を解消しました。

AnyFormOCRの導入効果

宇田川様:現在、導入4年目ですが、どのような効果を感じていますか。

岩井様:導入後1年でFAX受注の15%がOCRになり、受注の処理量が従来の3倍になりました。ダブルチェックが不要になり、チェック要員は1人に減少。また、受注ミス率も10%減少しました。現在は、FAX受注のOCR化は33%まで増加しており、業務効率もさらに向上しています。

宇田川様:当初は帳票の定義をIT推進部のほうでされたと聞いていますが、今はどうですか。

岩井様:最初はIT推進部が帳票定義をしてからリリースしましたが、安定稼働してからは、ユーザーである業務部門がその作業を行っています。
最初は過去に経験のない作業なので不安が大きかったのだと思いますが、説明を聞いた後は、現場で積極的にOCR化を進めているようです。実際にやってみて「思ったほど大変ではなかった」とわかったからでしょう。IT部門にサポートを求められることもなく、比較的簡単に取り組めたと思います。

宇田川様:基幹システムとの連携で工夫された点はありますか。

岩井様:FAX受注の情報をOCR処理した後、弊社の基幹システムに取り込むため、基幹システムのフォーマットに合った形でデータをエクスポートするよう、AnyFormOCR側の機能で定義をしています。

宇田川様:一般的に、お客様からの注文書にはお客様側の商品コードが書かれていて、基幹システムにデータを取り込むためには自社のコードに書き直すなどの作業が生じます。しかし、AnyFormOCRのマスター連携機能を使えばこの作業が自動化できます。属人性も排除でき、有効な機能だと考えています。

他に導入効果はありますか?

岩井様:今回の導入が2019年。その1年後、新型コロナウイルスの影響で、出社して業務をすることが難しくなり、リモートワークを余儀なくされました。業務のやり方を大きく変える必要がありましたが、AnyFormOCRの導入で、変化への耐性ができていたためか、前向きに変化に対応していこうという姿勢が見られました。これは副次的なメリットかと思います。

宇田川様:今後、AnyFormOCRをどのように活用していこうとお考えですか。

岩井様:パソコンで起票した注文書は高い精度で読み取れるのですが、当社独自の注文書にお客様が手書きで記入する当社の”自社帳票“の読み取り精度が低く、OCR化が進んでいません。そこが次の課題ですね。

宇田川様:最新バージョンに搭載されている手書き日本語の読み取りエンジン(AIOCR)の利用を是非ご提案させていただければと思います。
今後もAnyFormOCRの機能をブラッシュアップしお客様により満足いただける製品にしていきますので、よろしくお願いいたします。

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