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【食品工場長向けコラム】 通勤時の鞄、荷物について

2020/3/30 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「通勤時の鞄、荷物について」と題して、従業員の荷物検査や持ち込む鞄のルールづくりの重要性についてまとめました。

目次

  • 明確なルールが必要
  • 透明化が必要

明確なルールが必要

食品工場に出勤するときの鞄、荷物について、あなたの工場では、ルールを定めていますか。

作業着に着替えて製造現場に入るときの「私物持ち込み禁止」のルールではなく、自宅から工場に出勤してくるときに、どんな鞄に何を入れて出勤してきていいか、というルールです。

スーパー、百貨店などの小売企業では、出勤時、退勤時に、必ず、従業員通用門で、荷物検査を行います。検査方法は企業によって異なりますが、検査の厳しいところでは、リュックサックなどに入っている荷物をすべて机の上にあけさせて、荷物の検査を行います。

私も、アメリカの大手スーパーの打ち合わせに行った時には、大きなリックをすべて預けてから入場したほどです。

出勤時の検査は、食品などに混入させる事でお客様に危害を与えることのできる農薬などの化学薬品、針・画鋲などの物理的危害を与えるもの等を持ち込んでいないかの検査を行っています。

退勤時は、売り場の未精算の商品を持ち出していないかの検査を行っています。

あるスーパーでは、お客様の万引きの金額よりも、内部の方が持ち出す「内引き」のロスの方が多いとも言われています。

荷物検査を行う事は、作業性が悪く、机の上にすべて出すルールなどにすると、荷物検査待ちの行列が出来てしまい、出退勤の妨げになってしまいます。

この荷物検査の効率を上げるためには、持ち込んでいい鞄を決め、持ってきていい物を明確にする事で、効率良く荷物検査を行う事が出来ます。

従業員の荷物検査の重要性を説くと、「私の工場の従業員を疑うような事を言わないでくれ」等と言われることがありますが、作業着に着替えた後、作業場の入場口で、ポータブル型の金属検出器で検査を行うと、小銭、アクセサリー、鍵など、ルールでは持ち込んでならない物を持ち込んでいる従業員を多く発見することが出来ます。

工場から持ち出された物でも、唐揚げ、プリンなどの工場の製品から始まり、ゴミ袋、包材、キャンペーン用のシールなど金券相当の物まで多数持ち出していることを、私は経験してきました。

スーパー勤務の時には、「まさかこの人が」と思えるような方が、ワイン、テレビなど大型商品を持ち出していた事を発見した経験があります。

もちろん、入場口に監視カメラを設置し記録することで、悪さを自粛させる事も出来ますが、その場で発見できずに内引きの成功経験を繰り返してしまうと、取り返しがつかなくなる事例が多数ありました。商品を持ち出せない環境づくり、悪意を持った物を持ち込めない環境作りが大切だと思います。

透明化が必要

持ち込む鞄を透明な鞄にします。工場で必要な私物は、小銭、飲み物、お弁当、手帳くらいです。メモ、筆記用具など工場で使用する物は、本来、工場から支給すべきもので、手帳に使用するボールペンは「支給品を持ち帰ってもいい」と言うルールでもいいかもしれません。ビニール製の透明な鞄に、透明な小銭入れ、弁当は社員食堂にすれば、従業員通用門で中身を鞄から出す事無く検査を行う事が出来ます。

鞄を透明化にすることで、従業員同士で、持ち込み禁止物を持ち込んでいる方を簡単に見つけ出すことができるので、「悪さ」を行おうと思わなくなります。

透明化で悪さの出来ない環境作りを行いませんか。

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食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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