S.K
ICTリサーチ&デベロップメントディビジョン
学びのコンテンツ&プロダクト企画部
学びのプロダクト課
2015年入社
理学研究科 物理学専攻 修了
理科教材に関わる仕事がしたくて入社しましたが、初めての配属先はSE職でした。ITシステムの基礎やプログラミングを学ぶ研修を半年ほど受けたのちに、担当することになった業務はビジネスアプリケーションの導入サポート。大手の民間企業をお客様に、要望や課題などを聞きながらアプリケーションの機能を設定し、関連するシステムとの調整などを行いました。IT分野は変化が速く、初めての社会人生活ということもあって無我夢中。けれども思い返すと、この時期に身につけたITの知識が現在の業務で大いに役立っています。プロジェクトのマネジメントを学ぶことができたのも大きな財産。しかし、理科教育への想いはずっと持ち続け、上長との面談など機会あるごとに自分の気持ちを伝えていました。
想いが叶って、理科教材を企画開発する部署に。製品の開発ばかりでなく、幅広い業務に携わることになりました。異動してきて最初に担当した業務は、1,000ページにも及ぶ理科教材カタログの編集。私がこの仕事にチャレンジしてみたいと思うきっかけになったカタログを、自分でつくることになったのです。カタログ製作の後は、新製品のオリエンテーションなど営業部門をサポートする時期があり、春に新学期が始まると、全国規模の展示会などで先生たちに商品を紹介する。大きくこんな業務サイクルをベースにしながら、並行して製品の企画開発に取り組んでいきました。慌ただしい日々でしたが、自分が想い描いていた仕事にチャレンジできて素直に嬉しかったですね。
私たちが携わる理科教育において、大きな転機となったのは2019年からスタートしたGIGAスクール構想。全国の児童・生徒1人に1台のコンピュータを整備するという施策です。デジタル顕微鏡など、このようなタブレット端末と連携する実験機器の開発に取り組みました。翌2020年にコロナ禍が拡大すると、タブレット端末の普及が加速し、同時に利用されるアプリケーションも多様化することに。このような変化に対応して、Webアプリと連携した実験機器を開発し、2021年には「Uchida Science Web 」を開設しました。これは、内田洋行の実験機器用のWebアプリを集めたポータルサイト。この頃から、理科教材でもデジタル化が大きなテーマとなってきました。
デジタル顕微鏡、実験用ミニコンロ、ダニエル電池、実物標本入りの元素周期表、布製のイカの解剖模型……。デジタル化が進むとはいえ、アナログ的なものも多く、先生たちの声を聞きながらこうした製品を企画開発する仕事は、何年やっていても面白いですね。自分たちがつくった教材を使って、子どもたちが楽しく学んでいる姿を見ると嬉しい。日本では子どもたちの理科離れがクローズアップされていますが、そうした課題に私なりに貢献していこうと考えています。この部署に異動してきて6年が経ち、現在は理科分野の主担当として意欲的に業務に取り組んでいますが、企画開発を円滑に進めるうえで必要になるマネジメントスキルなどまだ学ぶべきことも多いです。後進の育成を見据え、業務の属人化を減らしつつ、自分だからこそ生み出せる価値を追求したいと考えています。