語り手 : 佐藤 将一郎経営・人事・総務グループ統括
兼 経営企画部長
兼 広報部長
私たちの歴史で受け継がれてきたものは創業者の挑戦意欲を掻き立てる「フロンティア精神」でした。1910年(明治43年)、創業は南満洲鉄道への測量・製図器械の取り扱い専業にはじまります。
測量・製図器械とは満鉄の業務に欠かせないものでした。そこからどうしたら満鉄の業務能率・生産性を高められるかを考えて、のちに欧米のタイプライターなど先進的な事務器械の貿易商社として発展しました。世界恐慌を契機に輸入が困難になると、貿易商から国産品の卸業に注力し、技術者必携と言われたブランド力のある「ヘンミ式計算尺」の取扱をスタートし、「ケント」「トーホー」といった内田洋行が品質を保証する独自のブランドも創っていきます。しかし、終戦を迎えると満州の事業もすべて失いました。日本社会全体が産業を一から立て直さなければならないとして、産業の担い手を育てようと科学教材販売の事業を始めます。
そして産業が勃興しはじめたころ、日本企業の欧米に負けぬ能率の向上を果たすには機械化、自動化が必要と考え、小型の自動計算機、のちにオフィスコンピューターの製造販売に進出します。労働人口が急増してくると社員の働きやすいオフィスづくりにも進出。1990年前後からは教育のICT化を本格化しました。
このように、内田洋行は、測量・製図器の専業から、貿易商となり、ブランドをもち、学校教育に寄与し、コンピューターなど先進技術を取り入れ、そしてICT、データ活用へと、次々に事業を変えています。しかし、それはフロンティア精神をもって、常に「働く」を進化させていくこと。そのために人の「学ぶ」を進化させていくこと。満鉄の専業の頃から一貫してつづけてきた結果なのです。世の中の流れは変わっていきますから、これからも変化するでしょう。しかし、私たちは、「働く」「学ぶ」をもっと良くしていくという会社であることは変わりません。
1910
1925
1948
1957
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2020
2023〜