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| 内田洋行の初めてのオフコン「USAC3010」が誕生した昭和36年（1961年）、それは日本のオフコンの歴史の幕開けの年でもありました。 |
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昭和35年11月1日、当時はまだ冬が厳しい石川県能登半島の宇ノ気町に、日本初の国産小型コンピュータを開発する合名会社ウノケ電子工業（現在の株式会社PFU）が誕生しました。
昭和35年つまり1960年代は、｢大きいことはいいことだ｣というテレビ・コマーシャルにも象徴されるようなメガトレンドのなかで、ウノケ電子工業は「スモール・イズ・ビューティフル」という当時では異端的な発想を持ち、敢然とその開発にチャレンジしていました。
昼夜を問わずに開発を行い、ようやく翌年昭和36年11月の終わりに「USAC5010」という第1号機が誕生し、同年暮れに第2号機である「USAC3010」が誕生しました。
昭和37年2月16日〜18日、金沢大和デパートで開催されたウノケ電子工業｢展示実演会｣にて、弊社とUSACが出会い、両社の製造・販売に関する提携がなされました。 |
昭和37年7月23日、まだ高速道路もない時代に、石川県のウノケ電子工業株式会社から東京の弊社大森営業所まで、実用第1号機を運ばねばなりませんでした。
2台のライトバンに慎重に積まれた「USAC3010」は、舗装のされていない当時の国道をできる限り平坦な道のりということで、選択した米原経由の西回り琵琶湖の東岸を縫うように走る「塩の道」を一日近くかけて越えてようやく浜松に辿り着きました。
一夜明けて最大の難関である天下の剣である「箱根路」の幾重にも重なる坂道峠を越えて東京に着いた時には午後8時にもなっていました。辛苦の船出だったのです。 |
昭和37年9月1日、弊社に電子計算機事業部（現在の情報システム事業部）が発足し、同年9月7日に東京商工会議所の一室を借りて初めての展示会を開催しました。お客様からの評判も上々で、この展示会をきっかけにして東京都内の大手タクシー会社より給与計算コンピュータをご発注いただき第1号の契約を果しました。
当時は、発注を受けてからお客様の要望に応じてプログラム（ソフトウエア）開発とハードウエアの改良を同時に行っていたため、納入するまでには非常に時間が掛かりました。このとき、大手タクシー会社にコンピュータを納入できたのは昭和38年10月のことでした。 |
昭和38年夏、納入第1号に決まったのが、株式会社庄内計算センター（現在の株式会社山形日情システムズ）で、酒田市に本拠を置く会計事務所が中心となり、顧問先の10数社と資金を出し合って設立された会社でした。
当初、量産型として4番目の「USAC3010」が、直江津から新潟経由で酒田市に運び込まれ、まずは加盟会社4社の業務計算のソフトウエアを作りあげて稼動を開始しました。ところが、加盟会社10数社の要望を全て細かいところまで満たさねばならず、ソフトウエアの改良に多大な時間が掛かってしまいました。そして、このまま改良を続けるのか、コンピュータを引き上げるかという決断を迫られました。
最終的には、｢お客様に完全に満足していただいてこそ内田洋行である｣との経営判断が下され、ついに無念の引き上げを行うこととなりました。このように、電子計算機事業部は順風満帆なスタートでは無く、苦しみながらの船出だったのです。 |
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