食品業向けパッケージシステム導入事例
カンロ株式会社 様

取締役 常務執行役員 CFO財務・経理本部長 兼CIO デジタルソリューション本部長 佐藤 様、デジタルソリューション本部 副本部長 廣田様、デジタルソリューション本部 情報システム部長 明石様
現場主導のデータ活用を実現した新システムの裏側
| 業種 | 菓子、食品の製造・販売業 |
|---|---|
| 対象業務 | 販売管理、生産管理、原価管理、在庫管理 |
| 導入システム | スーパーカクテルCore FOODs販売 スーパーカクテルCore FOODs生産 スーパーカクテルCore FOODs原価 |
カンロ株式会社様は、新基幹システムにスーパーカクテルCore FOODsを採用し、2025年7月に稼働に至りました。導入経緯やプロジェクトの進め方、導入効果について取締役 常務執行役員 CFO財務・経理本部長 兼CIO デジタルソリューション本部長 佐藤 様、デジタルソリューション本部 副本部長 廣田様、デジタルソリューション本部 情報システム部長 明石様にお話をお聞きしました。
導入前の課題&導入効果
販売系、生産系データの分断
必要なデータをすぐに取り出せない環境が、データ利活用を阻害
現場ごとに独自管理、運用の広がり
旧システムの技術者不足による、安定運用への不安
データ一元管理とリアルタイムな状況把握が可能に
ユーザー部門が自ら正しいデータを扱える環境により、データ活用を促進、効率化
教育コスト、負担の軽減
一貫した保守、サポート体制の確保
- システム全体構成図

導入経緯と選定理由
20年以上使い続けた基幹システム刷新を決断
スーパーカクテルを軸にRFPを作成し、最適なシステムを選定
刷新にあたっては、まず社内で要件整理を行い、RFP(提案依頼書)を作成しました。現行業務の棚卸しに加え、今後のデータ活用のあり方も見据えながら、自社に最適なシステム像を明確にしていきました。その検討の中で、当社の業務に適合しやすい製品として中心に据えたのが「スーパーカクテル」です。既存の業務プロセスとの親和性に加え、食品メーカーの業務に対応した機能が標準で備わっている点を評価し、スーパーカクテルをベースとしたRFPを作成しました。調査段階を含め、8社のベンダーから提案を受け、比較検討を実施しました。複数の提案を精査し、最終2社の比較となりましたが、機能面や導入支援体制、将来的な拡張性などを総合的に評価。その結果、スーパーカクテルの採用を決定しました。
また、AS/400 における技術者不足といった課題も踏まえ、内田洋行さんから一貫した保守・サポート体制を提供いただける点も重要な評価ポイントとなりました。
分科会による全社横断体制でプロジェクトを推進
今回の基幹システム刷新では、業務領域ごとに「分科会」を設け、部門横断の体制でプロジェクトを推進しました。生産、営業、SCM、経理、自社開発・データ移行、システム運用設計といった領域ごとにメンバーを集め、最終的には6つの分科会に集約し、検討を進めました。体制の構築にあたっては紆余曲折もありましたが、業務ごとに責任を持って検討できる形に整理したことで、現場の実態に即した議論ができるようになりました。
一方で、要件定義のフェーズでは苦労も多くありました。長年同じシステムを使い続けてきたこともあり、当初は「今と同じことができればよい」という意見が多くありましたが、検討を進める中で「やはりこれができないと困る」といった要望も出てきました。また、システムの具体像が見えてきた段階で「思っていたものと違う」といった声が上がる場面もあり、認識のすり合わせには時間を要しました。さらに、インボイス制度対応など他の業務対応とも重なったことで、プロジェクトの進行には一定の影響もありましたが、こうした課題に一つひとつ向き合いながら要件を整理していきました。
導入効果
稼働が2025年7月だったため、1〜6月は旧システム、7〜12月は新システムという運用形態となりましたが、無事に12月の決算を終えることができ、ひとまず安心しています。できて当然のことではありますが、安定して業務を継続できたこと自体が、今回の刷新の大きな成果の一つだと感じています。現在は全社で約100名が新システムを利用しています。安定した稼働状況を前提に、データ活用の面でも大きな変化がありました。
データ活用の高度化と業務効率の向上を実現
基幹システム刷新後は、これまで課題となっていたデータの分断が解消され、販売・生産の情報を一元的に把握できるようになりました。必要なデータをタイムリーに確認できるようになったことで、正しいデータをもとに業務を進められる安心感が生まれ、データ活用の効率化にもつながっています。
また、帳票として出力できるデータはすべて Excel 形式で取り出せるため、データの確認や加工が容易になりました。これにより、ユーザー部門が自らデータを扱える範囲が広がり、これまで発生していたシステム部門へのデータ抽出依頼も削減されています。
さらに、自由帳票機能を活用することで、システム部門だけでなく現場ユーザーでも帳票を作成できるようになりました。少しITリテラシーがあれば現場でも対応可能であり、簡易的な帳票であれば現場主導で作成できる環境が整っています。システム部門への依頼や負荷も軽減され、業務全体の効率化につながっています。また、従来は新入社員に AS/400 の操作を習得させることに一定の時間を要していましたが、現在は Windows の基本操作の延長で利用できるため、教育面での負担も軽減されています。
今後の展望
データ基盤を活かし、さらなる価値創出へ
今回の基幹システム刷新により、全社で共通のデータを活用できる基盤が整いました。今後は、この基盤を活かしながら、AIの導入も視野に入れ、データドリブンな経営やデータ利活用のさらなる充実を図っていきたいと考えています。また、ECサイト、POSシステムとの連携や、スーパーカクテルに蓄積されたデータの活用をさらに進め、情報の活用範囲を広げていきたいと考えています。これにより、経営判断のスピードアップだけでなく、CX(顧客体験)の向上やお客様へのサービス価値の向上にもつなげていきたいと考えています。
スーパーカクテルを検討する皆様へメッセージ
今回のプロジェクトでは、分科会の体制についても見直しを重ね、よりコンパクトでシンプルな形へと整理してきました。課題の共有や意思決定のスピードを高めるための工夫を続けてきたことも、プロジェクト推進において重要なポイントだったと感じています。さらに、最終的には社長がプロジェクトオーナーを務め、基幹システム刷新を全社プロジェクトとして位置づけました。「なぜ今やるのか」「全社で取り組むべきテーマである」というメッセージを繰り返し発信し続けたことが、プロジェクトを前に進める原動力になったと考えています。基幹システムの刷新は、単なるシステム導入ではなく、全社の取り組みとしてやり切ることが重要です。トップの覚悟と、それを現場へ発信し続けること、そして目的をぶらさずに全社で推進することが、成功の鍵になると感じています。
近年では、2025年より北米への輸出を開始するなど海外展開も進めており、事業領域の拡大を図っています。あわせてデジタル技術の活用にも注力し、業務の効率化やデータ利活用を通じて、さらなる企業価値の向上を目指しています。
* インテージSRI + キャンディ市場 2024年〜2025 年(各年1月〜12月計)販売金額シェア
| 企 業 名 | カンロ株式会社 |
|---|---|
| 設 立 | 1950年5月6日 |
| 資 本 金 | 2,864百万円(2026年1月1日現在) |
| 従業員数 | 705名(2025年12月31日現在) |
| 事業内容 | 菓子、食品の製造および販売 |
| U R L | https://www.kanro.co.jp |





カタログ、お役立ち資料を
当社ではこれまで、1998年に導入した基幹システム(AS/400)を長く利用してきました。20年以上にわたり業務を支えてきた非常に重要なシステムです。しかし、長期間の運用を経て、いくつかの課題が顕在化してきました。大きな課題の一つが、販売系システムと生産系システムが分断されており、データ連携が不十分であった点です。必要なデータをすぐに取り出せないケースも多く、経営層やユーザー部門がデータを活用する際には、その都度システム部門へ依頼する必要がありました。システム部門側でも抽出や加工に時間を要するため、結果としてリアルタイム性に欠ける情報提供となっていました。
こうした状況を背景に、ユーザー部門では Excel による独自管理も広がっていました。部門ごとに管理方法が異なるため、データの正確性や一貫性に課題が生じ、「どの数値が正しいのか分からない」といった状態も発生していました。データ活用の観点では、必ずしも十分な環境とは言えなかったと感じています。
さらに、AS/400 に対応できる技術者も減少し、保守・運用の継続にも将来的な不安がありました。
こうした「データ分断」「属人化」「将来リスク」といった課題を踏まえ、このまま既存システムを使い続けることは難しいと判断し、2021年に基幹システム刷新の検討を始めました。