HOME > 情報システム分野 > IT レポート > 帳票に頼らない管理
 

【食品工場長向けコラム】 帳票に頼らない管理

2023/10/18 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「帳票に頼らない管理」と題して、工場の生産性を高めるために、生産設備に記録されているデータを自動的に取得して活用することの重要性についてお話します。

生産設備にデータは眠っている

金属検出機、ウエイトチェッカーなどの生産設備には、通過数や排除数などの生産管理に使用できるデータが取られています。統計用のボタンを押すことで、設備内に保管されているデータを取り出すことができます。

作業者が記録している帳票も同じように、通過開始時間、通過数、排除数等を記録しています。作業者が記録するには、生産作業を止めペンを使用して記録しています。

紙を使用しない帳票を活用している現場でも、パソコンやタブレットに数字を打ち込むために生産作業を止めて入力しています。

生産設備内に記録されているデータを自動で取り出し記録することができれば、作業者は生産作業に集中することができます。単純な帳票としての記録だけでなく、ウエイトチェッカーから得られる通過数、重量の平均値、標準偏差などを取り出すことで、歩留の改善活動に生かす事ができます。

帳票に頼らない管理

改善結果が「見える化」できているか

包装ラインは、生産計画通り生産する事が求められます。例えば、A商品は9時から10時半までに3,000pk生産する計画とします。

9時にラベル自動添付機が動き出し、10時の段階で2,000枚発行していれば、予定通りの生産ができている事になります。予定通り10時半に3,000枚発行できていれば、予定通りの生産と言うことになります。

生産管理の予定をタブレットで指示をし、結果をタブレットに入力するのではなく、ラベル自動添付機からデータを取得することで、作業者が帳票を記録する必要がなくなります。包装機の設定も生産計画のタブレットから自動的に設定できる様にすると、包装機の設定ミス等も防げます。

工場内には、生産設備の中に様々な生産データが貯められています。
溜まっているデータを自動的にパソコンに移行し、データを解析することで生産性や歩留りの改善活動に生かす事ができます。

せっかくペーパーレスのタブレットを使用していても、金属検出機からのデータを手入力し、何時にどの商品が終了したかを手入力していたのでは、作業者の生産性を上げる事はできません。

あなたの工場では、作業者の手入力を無くし、パソコン上から現在の工場の動きを読み取る事ができますか。

生産データの取得・活用のチェックポイント

  • 設備で取られているデータを活用しているか
  • 生産性や歩留のデータを自動で取ることができるか
  • 生産性や歩留のデータを解析し、活用しているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜

原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」主催
メールマガジン「食品工場の工場長の仕事」を発行中
最新刊「最新版 ビジュアル図解 食品工場のしくみ」では、食品をめぐる問題が様々な形で話題になっている昨今、興味の高まる食品工場の品質管理や安全管理から、衛生管理、原材料管理、流通、商品開発などまで、わかりやすく解説する。

食品業の経営者・マネージャーの皆さまへ

主な製品シリーズ

  • 文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」
  • 業種特化型基幹業務システム スーパーカクテルCore
  • 会議室予約・運用システム SMART ROOMS
  • 絆 高齢者介護システム
  • 絆 障がい者福祉システム あすなろ台帳

セミナーレポートやホワイトペーパーなど、IT・経営に関する旬な情報をお届けする [ ITレポート ] です。

PAGE TOP

COPYRIGHT(C) UCHIDA YOKO CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.