食品業向けパッケージシステム導入事例
ニコニコのり株式会社 様

コーポレート部 部長 宮畑 尚志 様、次長 清見 充宏 様
業界の商慣習にしっかり対応
受注〜出荷の業務負荷を1/10に
業種 | 海苔製品製造販売業 |
---|---|
対象業務 | 販売管理、生産管理、原価管理、会計管理 |
導入システム | スーパーカクテルCore FOODs販売 スーパーカクテルCore FOODs生産 スーパーカクテルCore FOODs原価 スーパーカクテルCore 会計 AirRepo(エアレポ) Dr.Sum EDI-Master |
ニコニコのり株式会社様は、新基幹システムに「スーパーカクテルCore FOODs」を採用し、2024年5月に稼働に至りました。導入経緯やプロジェクトの進め方、導入効果について、コーポレート部 部長 宮畑様、コーポレート部 次長 清見様にお話をお聞きしました。
導入前の課題&導入効果
受注〜引当・出荷手配業務の負荷負荷軽減と、属人化の解消
納品先ごとの賞味期限管理や出荷ルールへのきめ細かい対応
リアルタイムの売上や在庫、正確な原価の把握
受注~出荷業務の対応時間が1/10以下に削減
業務の属人化が解消し、誰でも業務が可能に
プロジェクトを通じて各部署の業務理解が深まり、全体最適の意識が向上
- システム全体構成図
導入の経緯

納品先毎に受取ルールのバラつきもあり、「ルールを把握している担当者が休むと出荷ができない」というような状況もありました。また、前回納品分より賞味期限が古い製品を発送してしまい、出荷した商品が戻ってくることもありました。
売上、商品在庫などの情報をリアルタイムに取得したい、正確な原価も把握したい、といった課題もありました。
導入の決め手
スーパーカクテル選定の決め手は、食品企業向け基本機能の充実
いくつかのシステムを検討しましたが、最終的にはスーパーカクテルと他1社のシステムから選定となりました。スーパーカクテル選定の決め手は、弊社の業務、ひいては食品メーカーの業務全体に対応した基本機能が充実している点でした。

新システム導入に際しては、基本的に弊社の業務にシステムを合わせる方針で進めたため、カスタマイズ内容も多岐に渡りました。比較検討したもう1社のシステムでは「新規開発カスタマイズ」していく提案でしたが、スーパーカクテルは基本機能を軸に「修正カスタマイズ」する、という対応方法でした。結果的に構築コストの比較時に大きな差異が生じました。多くの食品メーカーで実績があり、基本機能の修正で対応可能な内田洋行のスーパーカクテルが最適だな、と決断できました。
導入から稼働まで
海苔業界特有の商慣習に対応できるシステムを目指して
海苔業界特有の商慣習への対応もあり、カスタマイズ項目は400を超えました。例えば原料となる乾海苔は、様々な産地(漁連) ごとに様々な浜 (組合)があり、組合ごとに品質に応じた等級で格付けされています。また、収穫時期(入札日)によっても品質が異なります。更に、同じ入札日、同じ組合、同じ等級の乾海苔でも仕入れるタイミングが異なれば単価が変わるため、管理上は別ロットの商品となります。このような細かいロットごとの原材料管理から、製品化後の賞味期限管理、出荷時の納品先への引当・出荷手配まで、スムーズな業務を新システムで実現するために、かなり苦労をしました。
なんとか並行稼働まで至ったものの、在庫引当・出荷処理や、経理システムへの連携等、うまくいかない事態も発生しました。要件・機能、スケジュールの再調整をはじめ、本稼働まで内田洋行さんには粘り強くサポートいただきました。
導入の効果
受注〜出荷業務の対応時間は、1/10以下に削減
旧システムでのEDI受注業務は、毎日午前中になんとか処理していた状態で、少なくとも3時間、あるいはそれ以上の時間を要していました。新システムでは、自動受信、在庫引当等の最適化が実現し、イレギュラー対応も含めて15分で完了できるようになりました。受注業務が早く終わりますので、後続の出荷業務のスタートもスムーズです。商品ロット別の賞味期限管理に基づき、出荷手配まで自動化できましたので、15時くらいには出荷業務完了の目処が立つようです。こちらも2時間/日ほどの業務削減となります。
受注や出荷業務に加えて、包装資材の管理など、多くの情報が基幹システム上でデータ化、マスタ化されました。担当者への属人化も解消され、ある程度作業ができる社員であれば、誰でも業務が回せるようになりました。各業務の対応スピード・品質も全社的に向上しており、また同時に、有給休暇が取得しやすくなった、定時退社が常態化し残業が減ったなど、働き方の改善にも繋がっています。
現場社員の意識の変化も感じています。今回、システム刷新にあたり、各部署の部門長や実務担当者など約30人からなるプロジェクトチームを結成しました。新システム導入を進める中で、自部署の業務の意味合いを改めて考え直せただけではなく、他部署の業務への理解も深まったと思います。
自分の業務が会社の中でどういう流れの中にあるのか、前後の業務とどう繋がるのか、全体最適の目線や当事者意識が芽生えたと感じています。新システムでいろいろな情報がデータ化できたことにも助けられ、自発的に協力し、最適な業務アクションが取れる組織作りに繋がればと思います。
今後について
月次、日次業務は一通りスムーズにシステム運用できている状態です。
入荷業務で利用しているハンディターミナルを出荷業務でも活用できないか、など検討したいと考えています。基幹回りのブラッシュアップにとどまらず、引き続きのご提案、サポートを期待しています。


企 業 名 | ニコニコのり株式会社 |
---|---|
設 立 | 1950年6月 |
年 商 | 約119億円(2024年9月期) |
従業員数 | 374名(2024年9月30日現在)パートタイマー等含む |
事業内容 | 海苔並びに一般食品の製造販売輸出入 |
U R L | https://www.niconico-nori.co.jp/ |
旧基幹システムは導入後20年ほど経過しており、現在の業務に合わない部分が顕在化していました。例えばEDIの受注業務は、朝一番の注文データの受信から在庫引当・出荷手配まで手動で行う部分が多く、大きな業務負荷になっていました。また納品先別賞味期限別ロット管理機能がないため、出荷する商品の引当が全て担当者任せになっており、属人化の解消が急務となっている状況でした。