食品業向けパッケージシステム導入事例
モロゾフ株式会社 様

経営統括本部 経営企画部 情報化担当 梶緒 様、経営統括本部 経営企画部 情報化担当部長 大原 様
全社連携と業務改革を実現
| 業種 | 洋菓子製造・販売事業・喫茶・レストラン事業 |
|---|---|
| 対象業務 | 販売管理、在庫管理 |
| 導入システム | スーパーカクテルCore FOODs販売 AnyFormOCR Auto ジョブ名人 エアレポ |
モロゾフ株式会社様は、新基幹システムにスーパーカクテルCore FOODsを採用し、2023年9月に稼働に至りました。導入経緯やプロジェクトの進め方、導入効果について、経営統括本部 経営企画部 情報化担当部長 大原 様、経営統括本部 経営企画部 情報化担当 梶緒 様にお話をお聞きしました。
導入前の課題&導入効果
長年利用してきた旧システムの、保守品質維持やシステム改善が難しくなった
部門ごとの運用やExcel が乱立し、情報が分断されていた
FAX 受注の手作業による二重入力が、現場の大きな負担だった
出荷拠点の選択に制限があり、イレギュラー時は手作業で調整
パッケージ標準活用によりシステムが安定し、保守負荷が軽減
全社で共通データを活用できる基盤が整い、分析も容易になった
FAX-OCRなどの導入により受注デジタル化を推進し、受注業務作業時間を4割削減
複数拠点を横断したフレキシブルな出荷体制を構築し、出荷スピードと確実性の向上を実現
- システム全体構成図

導入の経緯
「2025年の壁」を打破するためのシステム刷新
選定の理由
システム方針を明確にし、ベンダーを選定
販売管理システムの刷新にあたっては、継続的に利用できる仕組みとすることを前提に、パッケージシステムを採用しました。できるだけ標準機能を活用し、カスタマイズは最小限に抑える方針です。将来的なリニューアルや環境変更の際にも、改修コストを抑えられると考えたためです。同時に業務プロセスの見直しも行い、新しい仕組みを理解し主体的に運用できる人材をプロジェクトの中で育成することも目的としました。
システム選定では、複数のベンダーから提案を受け、要件への適合度やコストとのバランスを総合的に比較・検討しました。結果、実際のところは、完全にフィットするパッケージは存在せず、適合率はおよそ5〜6割程度でした。そのため、業務をパッケージ標準に合わせて見直す部分と、どうしてもカスタマイズが必要な部分を切り分けながら、慎重に判断を進めました。特に、日持ちする商品としない商品が混在するという当社特有の商材特性が影響する範囲では、標準機能だけでは十分に対応できない部分がありました。そこで、受注から出荷までの両端の業務については、やむを得ず必要に応じてカスタマイズを行う方針としました。
2020〜2021年にかけて情報収集も含めて10社以上を検討しましたが、最終2社が残り、受注・出荷回りの機能・ご経験・柔軟性の良さを鑑みて、内田洋行さんに決定しました。カスタマイズによる対応だけではなく、FAX-OCR など、様々な連携ソリューションを含めてご提案いただけたのも大きな選定理由です。
プロジェクトの進め方
プロジェクトスタート
キックオフは2022年2月、プロジェクトメンバー25人程を選定し、導入検討が始まりました。最初のキックオフミーティングの日程調整が大変だったなあ、という記憶があります。プロジェクトの進め方としては、業務ごとにテーマを設定し、関係者を絞って進める方法を取りました。人数が多くなるため、テーマごとにチームを分け、段階的に進めることで全体の調整を図りました。ある程度予想はしていましたが、例えば物流センターの出荷業務にしても、別拠点だと全く異なる手順で作業をしているなど、現場ごとにオペレーションが異なる部分も多かったです。その違いを丁寧にすり合わせていく必要がありました。
現場からの抵抗が全くなかったわけではありませんが、大きな反発はありませんでした。日常業務に加えて打ち合わせが増える負担はありましたが、将来的に業務が効率化されること、使い続けることで楽になること、を丁寧に説明し理解を得ていきました。
カスタマイズにどう挑んでいくか
打ち合わせを進めると現場からは様々な要望が出てきましたが、内田洋行さんの進め方にも助けられました。パッケージで対応できない業務に対して、単純にカスタマイズありきで検討するだけではなく、「パッケージ標準でもこういう工夫をすればこういう対応ができます」、「この作業はシステム対応できますが、この作業だけはアナログ対応になります、どうでしょうか?」というようなご提案を都度頂戴しました。毎回の打ち合わせ中に、スピーディにご回答いただけたことがプロジェクト全体の円滑化に寄与していると思います。ご担当いただいたSEさんには本当に感謝しています。
導入効果
受注業務の作業時間を4割削減
受注業務の効率化を目的に、FAX-OCRとWEB-EDIを導入し、受注データのデジタル化を推進しました。従来、ミスが許されないFAX受注入力では、2名の担当者がそれぞれ入力を行い、システム上で照合することで誤入力を防止していました。この二重入力は大きな業務負荷となっていました。そこで、一方の入力作業をFAX-OCRに置き換えました。現在では、FAXで発注いただくほぼすべてのお客様の注文書をFAX-OCRでデータ化しています。その結果、手作業による入力・確認業務が大幅に減少し、受注業務の作業時間を約4割削減することができました。業務負荷を軽減しながら品質を維持・向上させる体制が確立できたと思います。
フレキシブルな物流体制の構築
物流業務も大きく改善されました。従来のシステムでは、各物流拠点からの出荷先選択に制限があり、柔軟な対応が難しい状況でした。イレギュラー対応の際には手作業での調整が必要となり、現場に煩雑な事務作業が発生していました。新システムでは、複数拠点を横断したフレキシブルな出荷体制を構築しました。基本となる配送ルートは維持しつつ、在庫の偏りや突発的な受注増が発生した場合でも、システム上でスムーズに出荷元を変更できるようになっています。また、運賃計算システムも抜本的に再構築しました。これにより、運送コストの把握、運送会社の選定、請求時の照合まで、一元的に管理できるようになり、より精度の高いコスト管理を実現しています。物流領域はカスタマイズのボリュームも大きなものでしたが、現場に過度な事務負担をかけることなく、より確実で効率的な供給体制が整いました。現在では、現場判断の幅が広がり、出荷スピードと確実性の向上につながっています。
全社データ連携の実現とシステム基盤の強化
全社的なシステム連携が進んだことで、受注、物流、販売、経理といった各部門が同じデータを活用できるようになり、月次データの確認や分析も容易になりました。データ出力条件を保存できるなど、利便性の向上も実感しています。また、スーパーカクテルのデータベースが公開されていることで、データ内容の確認はもちろん、帳票作成や経理処理にも活用できる点は大きなメリットです。管理面では、システムの安定性が大きく向上しました。従来は運用に依存する部分が多く、操作ミスによるトラブルも発生していましたが、新システムではそうした問題はほとんど発生していません。運用負荷の軽減に加え、保守業務の効率化にもつながっています。
今後の展望
現在は、レガシーシステムからの脱却を一段落させた段階で、次は蓄積されたデータをどう活用していくかを検討しています。本当に必要な情報を、必要な形でユーザーが使える状態にすることを第一歩と考えています。
AIの活用も視野に入れています。データ整理と有効活用を進めながら、人材育成も含めた中期的な情報化計画を立てています。全社一律でAIを導入するのではなく、部門ごとに業務に即した使い方を見つけ、成功事例を積み重ねていく方針です。プロジェクト資料や過去のデータを活用し、業務効率化や資料作成など、すでに効果を感じている部分もあります。
今後は店舗側の課題にも取り組んでいきます。単品レベルでの売上把握の精緻化や、オペレーションのローコスト化など、次フェーズで改善すべきテーマが明確になってきました。適正在庫を維持するための発注支援や来店予測の高度化など、取り組むべき課題は多岐にわたります。店舗や各拠点と一体となり、今回の販売管理システム刷新を起点に、次なる成長フェーズへと歩みを進めていきたいと考えています。
| 企 業 名 | モロゾフ株式会社 |
|---|---|
| 創 業 | 1931年8月8日 |
| 店 舗 数 | 自社運営店舗 161店、喫茶店 28店、取扱店舗 1,173店 |
| 従業員数 | 社員数:547名 この他にも、執行役員(委任型)1名、嘱託社員70名および臨時従業員 |
| 事業内容 | 洋菓子製造・販売事業・喫茶・レストラン事業 |
| U R L | https://www.morozoff.co.jp/ |




カタログ、お役立ち資料を
新システムへの刷新構想は、2020年頃に動き始めました。弊社では旧システムをおよそ30年以上にわたり利用しており、時代や業務に合わせて機能追加や改修を重ねてきました。プログラムの構築・維持は外部ベンダーへの依存度が高く、先方からも「今後は保守や機能追加・改善が難しくなる」との通達を受けていました。
部門ごとのシステム運用も統一されておらず、受注センターで利用する受注画面は作り込みが進んでいる一方、システムでカバーしきれない業務は Excel VBA が乱立するなど、全社的に仕組みが複雑化していました。その結果、システムと業務の双方が煩雑化し、業務品質を維持し続けることが難しくなっていました。さらに、旧システムを深く理解しているメンバーも確実に減少しており、将来への危機感が高まっていました。
まさに経済産業省が提唱する「2025年の壁」が目前に迫っていると感じ、このタイミングで抜本的な変革が必要だと判断しました。